新造艦船情報(第23回)


クルーズ客船「シーボーン・スピリット」の巻
(スカイトレックス 1/700)

LAXUARY CRUISE SHIP "SEABOURN SPIRIT"
(SKYTREX 1/700)



 

act1:客船「シーボーン・スピリット」について

明治19年度計画
1989年 就航
1999年 改装
2002年4月 初来日

総トン数 9,975トン
最高速力19ノット
乗員150名、乗客208名。

act2:現代の豪華客船!

新造艦船情報始まって以来の「船」です。 シーボーン・クルーズ・ラインによって運行されている 「シーボーン・スピリット」(以下「ス号」と表記)は 小型ハイグレード船として定評がある客船なのだそうですが しがない小市民の私にはえんもゆかりない存在でした。 ところが、昨年のニューヨークのテロ事件の影響で寄港地が変更になったため、 大阪、東京、函館と同船が初来日することになり、 晴海で実船の写真を撮る機会(といっても外からだけですが)ができました。 (そのときの写真はここをクリックしてください) そのス号がたまたまスカイトレックスから1/700 のメタルキットで発売されていましたので早速作ってみました。

といってもパーツは5つ(船体、マスト、ファンネル、 衛星通信レドーム2つ)しかありませんので、塗装しないなら すぐ完成します。メタルキットなので金属ブラシでピカピカに 仕上げるのも面白いでしょう。但し、ちゃんと塗装しようと 思うと、客船は結構大変ですね。

キットは竣工時の「シーボーン・プライド」(ス号の姉妹船) をベースにモデル化されているようで、最近のス号 とは細部で異なります。作例では写真から 気が付いた部分は修正してみましたが、なんせ1万円近くする 「豪華」キットなので、下手に傷をつけて不出来になってしまう よりもそのまま作って雰囲気を楽しんだほうが得策かと思います。 従って以下の文章はあくまで参考程度に読んでください。

act3:船体

船首のプール(気持ちいいだろうなぁ)の後、右舷側にの ディンギーボートがモールドされていますが、現在のス号には ないものなので、削り取りました(写真の@)。 このとき舷側上端を傷つけやすいのでビニールテープなど厚めの テープを貼りつけて保護しておいたほうがいいです。 また、よく切れるデザインナイフで少しずつ削り取るような 感じで甲板面までならしていきます。削り終わったら紙やすりで ならします。いっぺんに切り取ろうとしないほうがいいと思います。

プールのある甲板にパラソル(?)のモールドがありますが、これも 現在のス号にはがなく、ブリッジ後端から半円状のひさしが出ていますので、 これを0.3ミリプラ板で表現しました。(写真のA)ちなみにこの下は バーになっているようで、マホガニー調の半円形のカウンターがあります。

煙突基部のプールにもひさしがかかっていますので同様に 0.3ミリプラ板で表現しました。(写真のB)

act4:上構

前マストは一体成型でちょっと簡略化されていますので写真(右のほう) のようにプラ板と0.5ミリプラ棒から作り直しました。 実物の写真(ここをクリック)を参考にしてください。

ス号にはブリッジ上と煙突基部に大型のレドームがありますが キットは後者がなく、前者もボリューム不足です。そこでwave社の 「B-ジョイント・ブラック」から大きいほうのパーツの球状の部分を 流用しました。パーツの衛星ドームは足が長めになっていますので 3ミリくらいになるように切ったほうがいいでしょう。 (作例は高過ぎです。)後部のレドームのふもとには救命用カプセルが ありますのでピットロード社の現用艦装備セットなどから流用 するといいでしょう。ちなみに今回使ったのは同社の 「陸上自衛隊車両セット」の部品62の支柱を切って使いました。

両ファンネルの中間に棒状の後マストがありますので0.3ミリ真鍮線を 1.5センチ程に切ったものを付けました。

act6:塗装

まずタミヤのスーパーサーフェイサーを吹き付けます。 次にGSIクレオスのMr.ベースホワイト1000を吹き付けて下地を整えます。 さらにMr.カラー107番キャラクターホワイトの缶スプレーを吹き付けます。 甲板面はMr.カラー44番タンです。

中央部の太い2本の青いラインはちょっとくすんだような青で新幹線の青に 近いような感じなのでグリーンマックスの鉄道カラー7番 国鉄青15号を使用しましたが、白を混ぜてもうちょっと明るい色 にしたほうがよかったかもしれません。 船体を一周する細いラインは建築模型用の0.5ミリのテープを Mr.カラー80番コバルトブル−で塗ってから貼りました。 喫水線の青も同じ色で塗ります。甲板上に散在する椅子も同じです。

プールの側壁は43番ウッドブラウン、底面は26番ダックエッググリーン で塗りました。

ファンネルの青は結構明るく見えますのでMr.カラー34番スカイブル− で塗りましたが、光線の加減で明るく見えるだけかもしれません。 ファンネルから突き出している排気筒自体はMr.メタルカラー211番 クロムシルバーで塗りましたが フラットアルミがあればそのほうがいいかもしれません。

ガラス張りの部分はタミヤアクリル塗料X-23番クリヤーブルー で塗りました。(ここだけアクリル塗料にしたのは特に意味はありません。 たまたまあったからです。)

船首のブルワークに開口部のモールドが片舷2箇所づつありますが、 ス号の場合、じっさいには船首寄りの1つしかないので前のモールドのみ ガンダムマーカーのスミ入れグレーで塗りました。 ライフボートの上半分とディンギーボートはMr.カラー59番 オレンジを使用しました。ブリッジの上の露天部の床は濃い緑色ですので Mr.カラー124番濃緑色(三菱系)を使用しました。

というわけで普段軍艦を塗っているときには滅多に 使わない色が多くて、塗料も随分新しいのを買うはめになって しまいましたが、このような明るい色彩の船もなかなかいいものです。

参考文献
・「世界の艦船」407集1989年5月号(P117)
・「世界の艦船」598集2002年7月号(P120)
・「シーボーン・スピリット」の実船写真に行く

旧・新造艦船情報

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    IJN 2nd CLASS CRUISER "HASHIDATE" (SEALSMODELS 1/700)

  • 1/700護衛艦「きりしま」の巻(ピットロード) UPDATE 00/05/07
    JMSDF DEFENCE SHIP "KIRISHIMA" DD-174 (PITROAD 1/700)

  • 1/700日本海軍戦艦「三笠」の巻(シールズモデル 1/700) UPDATE 00/08/27
    IJN BATTLESHIP "MIKASA" (SEALSMODELS 1/700)

  • 1/700日本海軍水上機母艦「秋津洲」の巻(ピットロード 1/700) UPDATE 99/08/15
    IJN SEAPLANE TENDER "AKITSUSHIMA" (PITROAD 1/700)

  • 1/700海洋観測艦「すま」の巻(シールズモデル 1/700) UPDATE 99/07/03
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  • 1/700軽巡洋艦(重雷装艦)「大井」の巻(ピットロード 1/700) UPDATE 99/04/02
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  • 1/700軽巡洋艦「チェスター」の巻(JIM SHIRLEY PRODUCTIONS) UPDATE 98/03/14
    U.S.S. "CHESTER" CL-1 (JIM SHIRLEY PRODUCTIONS 1/700)

  • 1/700護衛艦「むらさめ」の巻(アオシマ) UPDATE 97/12/29
    JMSDF DEFENCE SHIP "MURASAME" DD-101 (AOSHIMA 1/700)

  • 1/700水雷艇「鴻」の巻(ピットロード) UPDATE 97/11/30
    IJN Torpedo Boat "OTORI" (PITROAD 1/700)

  • 1/700輸送艦「あつみ」の巻(ピットロード) UPDATE 97/09/24
    JMSDF LST"ATSUMI" class LST-4101 (PITROAD 1/700)

  • 1/700護衛艦「はるさめ」の巻(ピットロード) UPDATE 97/08/19
    JMSDF DEFENCE SHIP "HARUSAME" DD-102 (PITROAD 1/700)

  • 1/700水雷艇「千鳥」の巻(ピットロード) UPDATE 97/05/04
    IJN Torpedo Boat "CHIDORI" (PITROAD 1/700)

  • 1/700軽巡洋艦「龍田」の巻(ハセガワ) UPDATE 97/04/01
    IJN Light Cruiser "Tatsuta" (HASEGAWA 1/700)

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    IJN Destroyer "Kai-Tei(Tachibana)" class (Based FUJIMI&TAMIYA 1/700)

  • 1/700工作艦「明石」の巻(ピットロード) UPDATE 97/01/06
    IJN Repair Ship "Akashi" (PITROAD 1/700)

  • 1/700潜水母艦「長鯨」の巻(ピットロード) UPDATE 96/10/13
    IJN submarine tender "Chogei" (PITROAD 1/700)

  • 1/700輸送艦「みうら」型の巻(ピットロード) UPDATE 96/08/04
    JMSDF LST"MIURA" class (PITROAD 1/700)

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    USS "FLETCHER" class (TAMIYA 1/700)

  • 1/700駆逐艦「朝潮」型(ピットロード) UPDATE 96/06/03
    IJN Destroyer"Asashio" type (PITROAD 1/700)

  • 1/700駆逐艦「白露」型(タミヤ) UPDATE 96/03/17
    IJN Destroyer"Shiratsuyu" type (TAMIYA 1/700)


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