新造艦船情報(第13回)


護衛艦「むらさめ」の巻
(アオシマ1/700)

JMSDF DEFENCE SHIP "MURASAME" DD-101
(AOSHIMA 1/700)



 

act1:護衛艦「むらさめ」について

平成3年度計画。平成8年3月、石川島播磨重工東京工場にて竣工。
「むらさめ」型護衛艦のネームシップで第一護衛隊群第一護衛隊に所属。

基準排水量:4400トン、速力30ノット。
76ミリ単装砲1門、20ミリCIWS2基、シー・スパロー短SAM用VLS1基16セル、
SSM-1B4連装発射筒2基、アスロックSUM用VLS1基16セル、3連装短魚雷発射管2基、
SH-60Jヘリコプター1機など

act2:書くのさぼってましたm(..)m

10月末に発売されたWLシリーズの新製品。 ちょっと前に完成はしていたんですが、例によって 年末は毎夜の出撃に追われてなかなかページの更新ができませんでした。
「利根」のとき見せた新アオシマタッチは 今回さらに充実し、新たなアオシマスタンダードを確立 しつつあるように思われます。1300円也。
前回「はるさめ」を作ってしまったので 今回は「むらさめ」として製作することにしました。

act3:船体

両舷前部付近に若干ヒケがあるかもしれませんが、 私が購入したものはあまり目立たなかったのでそのまま にしてしまいました。

艦橋より前の甲板を接着したあと接合部が 結構目立つのでパテを盛って平滑になるように したほうがよいでしょう。

艦首主錨の取付け位置は実艦ではベルマウス (錨を納める為の突起物)がモールドされているのが 結構斬新で好感持てます。

細かいことですが、舳先のブルワークみたいな 突起は大きすぎますので、両舷から削って小さくし、 旧海軍艦でいえばご紋章がありそうな辺りに0.4ミリ径 くらいの孔を開けてやると艦首フェアリーダーが表現 できて斜め前から見たときちょっとイイ感じになります。

act4:上構

上構の部品分割はP社のそれとはかなり異なって おり、合わせ目も消さずにドババっと作ってしまう ならこちらのほうが楽そうな感じがしました。 やはりこちらはWLシリーズの看板背負っているだけに ある程度年少者のことも考慮したのでしょうか。

ただ、一応合わせ目を消してそこそこのレベルに しようとすると、結局P社のものとかかる時間は あまり変らないかもしれません。また両煙突背面の 吸気孔も部品分割の制約で省略されていますので 気になる方は再現しましょう。私は以前のP社「はるさめ」 で吸気孔アレルギーになってしまったので今回はパス しました。

とはいえ、他の吸気孔を始めとして舷側の ジャッキステイなどP社に優るとも劣らないイイ感じ な部分も結構あるので、両方お持ちの方は比較して 楽しんでください。

後述のように「むらさめ」として製作する場合も 部品24を後部煙突前面のフラット両側に面一になるよう接着します。

マストは非常に繊細なモールドで高い実感をだしています。 P社のものでは省略されている背面のモールドもパーツ化されており、 気になる方は前面の横桁を追加してやればよいでしょう。。

煙突から出ている無線用アンテナは伸ばしランナーで追加。 しようと思ってたんですが今回はうっかり忘れてしまいました。 そのうち付けます。

煙突場面の小排気筒の先端が何故か丸まっているので 大排気筒の上端と同様に水平に切って孔を開けます。

艦首尾の旗竿は三脚に作りなおしました。

act5:装備

小部品も武器パーツの共用という制約がないので 短魚雷発射管のようにスケール的にかえって しっくりするものもあり、アオシマ侮りがたし、 の印象を持ちました。

とはいえ、76ミリ砲の砲身は短かすぎですので 2,3ミリ延長します。 シーホークヘリはどう逆立ちしてもP社のものの ほうが実感でてますが、デインギーボートや内火艇 はアオシマのほうもなかなかよくできています。

武装の一部はわざわざ別ランナー化してあり、 今後も自衛艦のラインナップを企画中なのかな? なんて邪推してしまいますが・・・。 あのパーツ構成で使い回しがききそう (でP社とバッテイングしない^^;)となると「あぶくま」型 かなあ?見栄えという意味では「はたかぜ」型なんかも いいと思いますけどねえ、アオシマさん。

act6:塗装

今回もピットロードカラーの海自色(1)で舷側を、 同じく(2)で甲板を塗りました。勿論タミヤのかき混ぜ棒 でよおくかき混ぜてからね!

ウォークウェイのモールドはP社のそれに比べて 非常にか細く表現されており、どうやって塗ろうかな、 と悩んだあげく結局フリーハンドで書いてしまいました。

デカールの「1」番(76ミリ砲旋回圏表示)は 径が小さかったので使いませんでした。

細かい塗装は「新造艦船情報第10回」 1/700護衛艦「はるさめ」の巻と 同様ですのでそちらを参照してください。

act7:はるさめvsむらさめ?

そんなこんなで完成したアオシマの「むらさめ」と 以前作製したP社の「はるさめ」を並べてみましょう。 (左の写真の左側がアオシマ製、右がP社製)

ゲゲッ!上構の位置が全然ズレてるぞい!全長は ほぼどちらも同じなのですが、上構全体がアオシマ のほうが3から4ミリくらい艦尾寄りになってるんです! どっちが正しいのなあ、と思って、「世界の艦船」 の98年1月号に載っている「むらさめ」の側面図と比較 してみたところ、艦首から艦橋直前までの船体の長さ はP社に近く、格納庫後端から艦尾までの長さはアオシマ のに近いようで、そもそもこの図面の信憑性も不明で、 結局どっちが正しいかわからず終い。

うーむ、現存している船なのにどうしてこんなに ずれちゃったんでしょう?

それから97年10月状態で私が知っている範囲 での「むらさめ」と「はるさめ」の実艦違いを紹介しておきます。

・後部煙突前の張出しに「むらさめ」は衛星通信アンテナ (洗濯桶みたいなヤツ)が装備されているが「はるさめ」 は未装備(但し架台のみは設置済)。 従ってP社「むらさめ」では部品13、14はとりつけないよう 指示されているが、この状態を再現するなら接着の要あり。 (P社さん、インストに追記して欲しい・・・)

・76ミリ砲横のウォークウェイが「はるさめ」のほうがちょっと 外舷よりなため76ミリ砲旋回圏表示の白い円と交錯しない。 「むらさめ」は交錯している。(アオシマのキットのモールド はこっちを再現している)

・前部煙突前の信号灯の張出し横に「はるさめ」ははしごが かけられているが、「むらさめ」はない。

・前部煙突舷側側のはしごが「はるさめ」のほうが多い。

以上。あっ!「むらさめ」に衛星通信アンテナを付けるの忘れてた!

旧・新造艦船情報

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    JMSDF LST"ATSUMI" class LST-4101 (PITROAD 1/700)

  • 1/700護衛艦「はるさめ」の巻(ピットロード) UPDATE 97/08/19
    JMSDF DEFENCE SHIP "HARUSAME" DD-102 (PITROAD 1/700)

  • 1/700水雷艇「千鳥」の巻(ピットロード) UPDATE 97/05/04
    IJN Torpedo Boat "CHIDORI" (PITROAD 1/700)

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    USS "FLETCHER" class (TAMIYA 1/700)

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    IJN Destroyer"Asashio" type (PITROAD 1/700)

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    IJN Destroyer"Shiratsuyu" type (TAMIYA 1/700)


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