97年9月13日からカウント
母に励ましのお便りを!
<12月12日>
今回は、アジスの交通について書いてみます。
まず、私に運転をあきらめさせた、恐ろしく渋滞する交差点。
これは、市内の大きな道路が交差しているところにあるのですが、なんと、
信号がないのです。
どっちかの交通量が多いときは、そっちがぐんぐん走ってきて優勢になり、
またそれが一瞬途絶えたときをねらって、交差している方の道路にいる車
が発進する、という感じです。
交通量がそれほどでもないときはいいのですが、双方ともに車が多くなる
時間帯は大変。どっちもゆずらず、少しでも前につめようとするので、ひ
どいときは、しばらく交通がマヒしてしまいます。
強引な運転ができない、私のような人は、ここを横断するのに、多大なる
時間を費やすことでしょう。
だいたい、エチオピア人は、事務処理などになると大変のんびりしている
にもかかわらず、車の運転となると、1台でも抜こうとして、とても強引
な運転をするので、しばしば驚かされます。
道路が渋滞しても、待ってはいられません。舗装されていない、路肩にあ
たる部分や、ひどいときは歩行者用の道路になっている部分を突っ切って、
できる限り前まで行き、強引に割り込みます。
1台だけ抜くために、対向車線(といっても、センターラインなんて消え
ていて見えないのですが)に入り込んで、対向車を反対の路肩に追いやる
なんてことも、よく見られる光景です。
なんといっても恐ろしいのは、タクシーです。
上半分が白、下半分が青の車を見たら、細心の注意が必要です。
いつ突然止まり、いつ急に道の端からでてくるか、まったく予測もつかな
いほどです。しかも、屋根の上にトタンやら山羊やら、様々なものをのせ
ているのですが、これが突然、前あるいは後ろに滑り落ちることがありま
す。まったく、気が抜けません。
次に恐ろしいのが、トラック。
これがこんなに積んで、よく走っているなぁと感心してしまうくらいのせ
ていたりします。怖いのは、石や岩をたくさん山積みしていながら、全く
固定していない場合です。
友人の車も、対向車がそういった石積みトラックで、そのいくつかが落ち
てきて、傷つけられたそうです。
そのうえ、トラックはどこか故障しているんじゃないか、と危ぶんでしま
いたくなるような煙をもうもうとあげて走っている場合が多いのです。
私が普段乗る車は、クーラーがうまく効かないので、窓を開けて走ってい
ることがほとんどなのですが、このトラックの煙には参ります。
交差点に信号があるのではなくて、ラウンドアバウトになっているところ
がいくつかあるのですが、ここに、2台をつなげたばかでかいトラックが
入り込もうものなら、大変。
それでなくてもトラックは速度が遅いのに、この2台つなぎのトラックは
どなりたくなるくらい遅い。
にもかかわらず、先日、その後ろを走っていて激怒したのは、その2台の
前後のドライバーが、ラウンドアバウトのど真ん中で、急に車を止めて、
しゃべりだしたことです。お互いに、車の窓から顔を出して話すのですが、
まわりは結構車通りが多かったので、よく聞き取れないのか、なかなかそ
の話が終わらない。
これには、怒りを通り越して、あきれました。
またある時には、普通の信号のある交差点で、赤で止まっていた車と、左
折してきた車のドライバーが友人だったらしく、左折してきた車が、交差
点のまんなかで止まって、その、赤で止まっていた車のドライバーと話し
始めたこともありました。
車を自転車のように思っているのでしょうか。
さすがに信号が変わる前に発進していましたが、驚きました。
主人に話したところ、こんなことは日常茶飯事だそうです。
うーん、私もまだまだ甘いか・・・。
あとは、日本でも地域によっては見られることですが、山羊や牛の横断で
交通がストップすることは、結構多いです。
空港から街の中心までを結んでいる道路は、さすがにほとんどそういう動
物もいませんが、私の住んでいる家の付近は、街なかから離れているので、
車が通っているすぐ脇の歩行者道で、黙々と草を食べている山羊や牛や羊
が頻繁に見受けられます。
日本の整然とした道路で、オートマチック車を運転していても、それほど
運転のうまくない私が、こんな交通事情で、しかもマニュアル車を運転で
きるはずもなく、かわいそうなうちのドライバーは、平日のみならず、土・
日までこきつかわれるはめになるのでした・・・。
<11月25日>
ずいぶん、久しぶりの更新となってしまいました。
今回は、食べ物のことを書きたいと思います。
〔野菜〕
だいたい手に入るもの…にんじん・ほうれん草・ピーマン・しょうが・
じゃがいも・紫玉ねぎ・白玉ねぎ・トマト・きゅうり・
なす・いんげん・にんにく・キャベツ・
カリフラワー・かぶ・ねぎ
たまに手に入るもの …さつまいも・白菜・クレソン・パセリ・ブロッコリー
自分で作るしかないもの…しそ・にら・ちんげん菜・大根・その他
上記のように、たいていの野菜は手に入ります。
白玉ねぎは、雨期にはほとんど手に入りませんでした。
野菜の価格は、大変安く、キロ単位で約10日分ほど購入しても、日本円で
3,000円もあれば、充分です。
ただ、どれも日本のものよりかなり固く、日本の料理の本を参考にする場合
は、煮るにも炒めるにも倍くらいの(以上?)時間がかかります。
カレーなどをつくるときに、じゃがいもが絶対に煮くずれないのはうれしい
のですが・・・。
また、無いとなるとむしょうに、たけのこやごぼう、春菊などというものが
食べたくなったりします。
〔肉類〕
牛肉・豚肉・チキンは、たいていあります。
牛肉は、とてもかたいので、焼き肉には不向き。
一度、野菜をロールして煮込んでみましたが、全然かみきれませんでした。
圧力鍋を使用するのが、いいようです。
豚肉は、ここ1カ月ほど、手に入りにくくなりました。
いっとき、豚を殺し過ぎて、成長した豚が激減したせいだという説もありま
すが、真実はいかに・・・?
牛・豚肉ともに、キロ単位のかたまりで買うので、薄切りするときは大変。
フリーザーに入れておいたものを、やや解凍し、するどい包丁で慎重に切り
ます。うちのメイドは、すごく上手なのでたいてい、おまかせです。
チキンは、皮のついた1羽の状態で購入します。
ローカルチキンと呼ばれている小さいのと、ファレンジチキンと呼ばれる、
大きいのがあり、ファレンジ(外国人)は、たいてい大きい方を買っていま
す。これを、メイドが各パーツに切り分けます。
12のパーツからなっているらしいのですが、1羽のチキンに、ささみがた
った2切れしかないと知り、日本で売っているささみの貴重さを思い知りま
した。
エチオピア人女性は、このチキンの切り分けができなければ、嫁にいけない
というくらい、大切な仕事だと、メイドから聞きました。
〔果物〕
パパイヤ、マンゴー、バナナ、オレンジ、グレープフルーツ、りんご、すい
か、メロン、いちごなどが、手に入ります。
バナナは、一年中といっていいくらい、見かけます。
ぶどうは、ほんの何度かだけ見かけましたが、食べた人の話によると、すっぱ
くて、とても食べられる代物ではないらしいです。
いちごは、ややかたいです。
りんごは、日本の紅玉のような感じで、どちらかというとケーキやパイに向
いているような気がします。
〔乳製品〕
牛乳は、スーパーにロングライフのもののみ、売っています。
牛からじかに絞ったものを購入している人もいるようですが、うちは、それを
2、30分煮沸するという作業がめんどうで、粉末ミルクしか使っていません。
というわけで、牛乳を飲むという習慣がなくなってしまいました。
卵は、ローカルチキンからとれる小さい卵と、ファレンジチキンからとれる大
きい卵があり、大きいのは黄身が白っぽく、小さい卵は黄身が黄色いという差
があります。どちらにしても、生は食べない・・・が常識です。
チーズ・バターは、すごく美味しいものを望むのでなければ、だいたい満足の
できるものが買えます。
以上、おおざっぱにまとめてみましたが、まだまだここでの生活も8カ月に入
ったばかりなので、浅薄な知識でしかありません。
魚が手に入りにくいので、うちではナイルパーチという白身魚と、とても高価
な海老くらいしか買っていませんが、最近いろいろな魚を扱う店も増えつつあ
り、そのうち試してみようと思っています。
とにかく、調味料さえそろえれば、エチオピアでも充分、日本食が食べられま
す。
<10月5日>
最近、白髪が増えてきて、困っています。
自分は楽天的だ、とずっと思ってきましたが、ここで暮らすようになって、そうでもないか
もしれないと思うようになりました。
今年は、天中殺なのかとさえ思うくらいに、次から次へとストレスになるような嫌なことば
かり起こっています。
なんといっても、第一の要因は、断水。
家なんてでかくなくていい、メイドなんていらない、水をちょうだい!
水道の蛇口をひねって、何も出てこない。この時の気持ちが皆さんにわかるでしょう
か? 先週は、7日のうち1日しか水の供給はありませんでした。断水とはいっても、こ
の国全部ではなく、うちから車で25分ほどの外国人居住地域では、ほとんど断水なん
てないのです。
その地域に、ほとんどの日本人は移住していて、そっちのほうへ、ジャリカンをたくさん
車に積んで、水をもらいにいかなくてはならない。
水もでないくせに、トイレは水洗。トイレへ行く度に、バケツにくみかえた水を一生懸命
流さなくてはならないのです。
お風呂どころか、シャワーだって3、4日に1度、ホテルのスポーツクラブへ浴びに行か
なくてはならない。
ジャリカンからバケツに水を移しながら、料理を作るってことにもようやく慣れてきまし
た。
引っ越しをしたくても、社宅だから自分の意志ではできない。
第二に、よく日本の友人たちからうらやましがられる、メイド。
うちには2人いるのですが、このうちの1人がこの家での勤務歴約20年という年配のお
ばちゃんで、すごく態度がでかい。
まるで母親か先生のような口ぶりで接してくる。
私が若輩者で、メイドってものを使い慣れていないのをいいことに、仕事も手を抜きまく
っている。
また、体つきがばかでかいので、話していると常に見下ろされている感じで、いっそう
腹が立つ。
これをしてほしい、と頼むと必ず何だかんだと言い返してくるメイドがいていいものなの
だろうか。
これがまた、メイドのくせに社員になっていて、簡単にやめさせられない。
そして第三の要因は、正体不明の虫。
これにさされると、普通の人で1カ月、私はなぜか3カ月はかゆみがとまらない。アジス
へ来てから100カ所はさされていると思う。
これが、かゆみがとまっても黒いあとになって残り、両足は上から下までとても人には見
せられない状態。
最近は、手の方にまで進出してきていて、かゆいことこの上ない。
今年は、雨期に雨が大変少なかったらしく、極度の水不足で、停電も多くなるらしい。
その上、うちはなぜか電話がよく不通になるので、まさに三重苦といったところでしょう
か。
こんな生活が、少なくともあと2年は続く。
同じ国内に住んでいても、こんな悩みをほとんど知らずに暮らしている人のほうが多い
ということも、いっそう私を滅入らせる。
引っ越してみんなと同じような生活さえできたら、もう少しここでの暮らしも楽しめるかも
しれない。
誰かに聞いた、海外旅行と海外で暮らすことの大きな違いを心から実感している今日
この頃なのです。
<9月17日>
母と娘の1週間
今回は、娘(1歳9カ月半)といかに過ごしているかを書いてみたいと
思います。
<月曜日>
アジスには、日本人で3歳以下(幼稚園に通っていない)の子供がうちを
含めて6人います。兄弟が1組いるので、五家庭ということになりますが、
この5件が持ち回りで、プレイグループを行っています。
毎週月曜日は、5人もの子供たちと遊ばせられるので、私と娘にとっては、
とても貴重な集まりなのです。
うちの娘以外は全員男の子なのですが、その影響か、娘は車や飛行機など
のおもちゃが大好きになってしまいました。
途中でおやつがでるのですが、いつも娘が誰よりも早く食べ始めて、最後
まで食べているので、笑いものになっています。
<火曜日>
たいていの週の火曜日は、何も用事がなく、家で娘とだらだらと遊んで過
ごすことがほとんどです。ちょっとひまだから、デパートでも・・・とい
う日本とは違って、外出するところもないので、遅々として進まない時間
をもてあましていることがほとんどです。
<水曜日>
隔週の水曜日は、お買い物デーです。とはいっても、外にむき出しに野菜
がつんであるような八百屋(兼雑貨屋)と肉屋にいくだけなのですが、そ
れでも外出できる(しかも娘をメイドに預けて)のは、やはり魅力です。
1度行くと、約10日から2週間分くらい買い込みます。
<木曜日>
これも隔週ですが、アジスに住む奥様方が一堂に介する婦人会があります。
全部で17、8人なので、わりとこじんまりとしていて、楽しい会合です。
大使夫人が、お茶とお菓子を用意してくださって、連絡事項などを聞いた
あとは、まわりの方々と話がはずみます。
私などは、小さい子供をかかえているため、ふだんはお付き合いがなかな
かできない方々とお会いできるので、とても楽しみです。
<金曜日>
母は、テニスに通っています。娘は、メイドとお留守番です。
現在は、友人と二人でコーチについています。
午後は、母の帰りを待ち望んでいた(??)娘と遊んで過ごします。
<土曜日>
午前中は、夫婦でテニス。唯一のまともなホテルである、ヒルトンのテニ
スコートに土・日と、かなりの日本人が集まっているなかに、加わってい
ます。当然、娘はメイドと留守番。(^_^;;
12時に終えると、みんなでビールを飲んで雑談し、解散。
家でのランチは、1時半ごろになります。
<日曜日>
メイドがお休みの日。一家3人でヒルトンへ遊びに行ったりします。
娘も遊具のたくさんある公園で遊べて、唯一の楽しい日です。
遊びに行かない日は、近くの教会に行ったりもします。別に、クリスチャ
ンではないのですが、社会勉強(??)です。
母は、週で唯一のご飯作りの日なので、朝からそわそわし、料理の本と首
っぴきになっています。そのわりに、たいしたものがつくれないのはなぜ
なのかが、わが家の大きな疑問です。
以上、簡単に1週間の生活をまとめてみましたが、隔週だったり予定が実
行されない日は、母と娘は1日中ぼーーーっとして過ごしており、何か簡
単で楽しい気分転換はないものか、日々模索しております。
<8月10日>
エチオピアで暮らし始めて4ヶ月。1歳5ヶ月だった娘も、1歳8ヶ月になりました。
今暮らしている家は、私たちのような若年者が入るのは初めてという、立派な家で、喜
ばしいことではあるのですが、娘にとっては同じ階に数段の階段があって行き来ができ
なかったり、床がつるつるの石や木だったりで、何度も滑ったりと、難点も多かったよう
です。
それも、この4ヶ月ですべてクリアし、最近では全然滑らなくなったし、階段も自分で
上り下りできるようになり、部屋を行ったり来たりできるようになりました。
うちには、料理のメイドが1人、掃除・洗濯のメイドが1人、門番が交代制で3人、そ
れにドライバーがいます。これだけ聞くと、なんてぜいたくな、と思われる方が多いでし
ょうが、この使用人たちを使うのにもやはり様々な気苦労があります。
<マミティエ>
エチオピアでは、メイドのことをマミティエといいます。料理のマミティエは、まだうちで
働き始めて半年ですが、料理好きできれい好きな働き者。日本料理の献立も完璧にた
てられるし、盛りつけも上手で、私は手も足も出ない状態です。もう一人のマミティエ
は、6人の子持ちでここでの勤続年数約20年というベテラン。私も、自分の子供と同じ
くらいにしか見えないらしく、使用人というよりは、お母さんのようなものの言い方をする
ので、腹立たしいこともしばしばです。 この2人とは、英語でやりとりするのですが、お
互いにへたなので、なんだか単語の羅列で、とても欧米の方々には聞かせられませ
ん。
この2人にすぐに親しめたのは、ひとえに娘のおかげでした。エチオピア人は、子供好
きが多いようなのですが、この2人も例に漏れず子供好きで、娘を最初からとてもかわ
いがってくれました。私がでかけやすいように、自分たちから娘にどんどん接していき、
最初のうちこそあまり彼女たちに寄りつかなかった娘も、今では半日くらい私が留守に
しても全く問題ないくらいになりました。
ただ、慣れてくると彼女たちもいろいろものをいいやすくなるのか、要求することも多く
なってきました。
しかも、前の奥様方がくれたものやお金の話をして、私にも同様なことを要求するの
で、ちょっと素直にあげようという気にはなりません。
<門番>
次に、門番。3人が1日ずつ交代しているのですが、3人とも英語が話せない、という状
況で、マミティエがいないときに彼らと交渉しなければならないのは、とても大変です。
門番はガードマンの役割と庭の整備、犬の世話などが主な仕事ですが、3人のうちの2
人は、かなり高齢なようで、ガードマンの役割はとても果たせない感じですし、庭の整
備などほとんどやっていないような気がします。まあ、唯一の救いは、彼らも子供好き
で、娘をかわいがってよく遊んでくれる点でしょう。
<ドライバー>
最後にドライバー。これは、うちに専属でいるわけではなく、オフィスで使っている4人のう
ちの1人を必要時に電話で呼び出すという、少しめんどくさいものなのです。しかも、オフィス
で全員出払っていると、私はでかけられなくなる、という不便さもあります。が、いつも来てくれる
ドライバーも子供好きで、娘もすっかりお気に入り。彼が来ると、大喜びで飛んでいきます。
こうした使用人たちとの生活にも、4ヶ月たってようやく慣れてきましたが、人間づきあい
とはやはり大変なもので、ストレスも多い毎日です。
始め エチオピア アジス便り エチオピアリンク アムハラ語 写真 母と子 アフリカ その他
かめいし USA