(3180m

  

第3部 <槍ヶ岳山荘(穂先往復)(泊)→感動の朝 2000年8月28日(月)〜29日(火)>


コース・時間

8月28日(月)
槍ヶ岳山荘 13:40→14:00
槍ヶ岳山頂 14:20→14:55
山荘(泊)

8月29日(火)
槍ヶ岳山荘 4時起床
槍ヶ岳山頂より穂高岳方面の展望。
(8月29日 石川@鴻巣さん撮影)



ついに槍ヶ岳山荘到着

やった〜!!ついに槍ヶ岳山荘に到着したゾ!「ボク、よ〜く頑張ったわね!」祝福してくれるのは昨日槍沢ロッヂの夕食の時、隣に座ってらっしゃった「槍沢夫妻」の奥さんだ。1号も満足そう。聞くと1時間半くらい前に到着して穂先はすでに往復されたとの事。我々がグリーンバンドを出発したあとくらいのことだ。その頃は穂先にはガスはかかっておらず絶好の展望だったとの事。今はもうすでに立ちこめるガスで穂先が見え隠れしている。雷がこないうちに我々も穂先を往復することにする。1号は山荘の前の広場でたくさん声を掛けられている。ヒーロー扱いだ。


槍ヶ岳山荘前にて。
けん!ここは3000mを超えてるんだゾ



いよいよ穂先へ!感動のフィナーレだ

1号に防寒のためのレインコートを着せて、スリングとカラビナを持って、さあいよいよ感動のフィナーレだ。
穂先への登りはたいした渋滞もなく、スムーズに登ることが出来る。1号も久々の岩登りで緊張気味。「こわいか?」「ちょっと怖い」よしよし、少し怖いくらいのほうがちょうどイイ。岩に取り付くこと20分、トラブルも無く最後のハシゴを登りきった!

標高3180m、日本第5位の高峰、「悲しいまでに一人天を指している」槍ヶ岳の山頂に遂に到着した!
時に2000年8月28日14時、B型ファミリー北アルプス隊、槍ヶ岳初登頂に大成功!!


いよいよ穂先へ挑戦だ! ホールドは豊富 渋滞も無し


小槍。アルペン踊りは難しそう。 最後のハシゴが見えてきた これを登りきると・・・・


ばんざーい3180mの穂先だ! 確かに来た。二人で立った。感無量。


生憎ガスで展望はきかない。下の槍ヶ岳山荘と槍沢が見える程度。でももうそんなことはどうでも良い、今この場所にけんすけと共に確かにその足で立っている。それだけで十分だ。 まわりの登山者も感激の面持ちだ。歓声を上げる人、何かを思いつめるようにじっと中空を見つめている人、目頭をそっと押さえている人・・それぞれの人に、それぞれの槍ヶ岳がある。
記念写真を撮ったりして20分ほど穂先で過ごす。至福の時。去りがたいが穂先を後にする。下山は登り以上に慎重に。

穂先よりの槍ヶ岳山荘。



山小屋にて。MMLの石川@鴻巣さんと遭遇!!

「おめでとう!登っているところ、ずっと見てたわよ」槍沢夫妻より再度祝福を受ける。槍ヶ岳山荘に戻り、受付を済ませる。山小屋も2日目となると割合余裕がでてくる。頭の中で明日の出発までのシミュレーションを行い、ザックの整理をして夕食を待つ。夕食後居間でテレビを見る。私が「山のビデオを見ませんか?」と言うと皆賛成、「播隆上人」のドキュメンタリを見る。まずいことに何となく私が「早送り」などの操作係になってしまう。意外に1号がずっと見ていた。「おとうさん、この人あの岩に(=坊主の岩小屋・・今日通過)53日もいたんだって。飽きただろうね。」何人かが笑う。この場所で東鎌尾根をたどってこられた「東鎌夫妻」と槍沢を登ってこられたややご年配の「熟年夫妻」と話がはずむ。「東鎌夫妻」は明日は横尾尾根から氷河公園に行かれるという。わが隊と同じコースだ。「熟年夫妻」は同じコースをたどるつもりだったが、槍沢ロッヂのスタッフに「鎖場がきつい」と言われ、横尾尾根をあきらめ槍沢を戻られるとのこと。


何とここで「山登りメーリングリスト(MML)」のメンバー石川@鴻巣さんと遭遇!じっと見つめるRIKI、「何でここに居るの?・・・」お互いの再会をビールで祝福し健闘を称え合う。石川さんは翌朝穂先を往復し、そのあと大キレットに挑まれるそうだ。まさにMMLの神出鬼没だ。


外に出て見るとガスはすっかり晴れて満天の星空だ。天の川がうっすらと見える。1号を呼んできて星空を見せるがあまり興味がなさそう。ちょっと山荘の明かりが邪魔をするのが残念だ。消灯は20:30、感動の一日が静かに夜の帳に包まれて行く。オヤスミナサイ。


MMLの石川さんとバッタリ
石川さんのデジカメで撮影
1号、おやすみ!



3000mで向かえた夜明け。光りと山、岩の極限美!

翌朝は4:;00に起床。しばらくザックの点検をしていると外に出ていた1号が興奮して戻ってくる。「お父さん!あのね、槍がね、黒いのがね、夜なのにはっきり見えてね、すごいんだよ・・・」情景を察したRIKIはすぐに外に飛び出る。空は黒と濃紺の世界だが、地平線の向こうがやや明るくなりだしている。一面雲海だ。雲海の上に常念岳や穂高がまるで島のように浮かんでいる。左手には槍の穂先が真っ黒な姿を濃紺の空をバックに神秘的に浮かび上がっている。「すごか〜」思わず唸ってしまう。まさに生きてて良かったと思わせる風景だ。


ちょっと分かりずらいが、一面の雲海
感動の夜明け


息が止まるほどの光景を、信じられない思いでじっと見つめるB型ファミリー。この瞬間が永遠に続けばどんなに素敵なんだろう。
生きてて良かった!!

(第3部おわり)


プロローグ へ
第1部 <出発→槍沢ロッヂ 2000年8月26日(土)〜27日(日)> へ
第2部 <槍沢ロッヂ→槍ヶ岳山荘 2000年8月28日(月)> へ

第4部 <槍ヶ岳山荘→3000mの稜線漫歩→氷河公園→横尾山荘 2000年8月29日(火)> へ