vol.10  2003/02/11

革包丁を買いました

今まで使っていた物が駄目になったわけではないのですが
幅の細い物が欲しかったのと、包丁を研ぎ始めちょっとだけ欲が出て
いい物が欲しくなってきました。
包丁の幅が違うから、使い分けも出来るし...と
自分に言い訳をしたりして。

品物は先月レザークラフト・ドット・ジェーピーに注文をしたのですが、
そのときに在庫が無く、今になってやっと物が来たのです。

革包丁
こんな箱に入ってきました。

もう一つの革包丁と一緒に
左側のものが今回手に入れたものです。

さて、やってきた革包丁は「青紙スーパー」という素材を使った物で、
とてもとても切れ味がいい物らしいです。

青紙スーパー

青紙スーパー

ナイフ好きの方ならご存じなのかもしれませんが
包丁やナイフ用の鋼の中では硬度、対磨耗性などに優れた素材だそうです。
少々研ぎにくいのですが、切れ味が持続するらしく。
高級な包丁に使われていたりします。
(ネットからの受け売りです。(^^;;)

で、買ってからなにをするかというと...研ぎます。

「あれ、新品なのに?」と思われるかもしれません。

でも、研ぐのです。

新品の包丁はそのままでもちゃんと切れますが、
必ずしもその包丁本来の切れ味ではないのです。
最初にきちんと研いで初めて本来の切れ味を発揮するのです。
ということで、簡単に研ぎ方の説明をしましょう。

革包丁を研ぐ
#参考 「革工芸 手縫いの真髄」矢沢十四一著

まず、中砥(800番〜2000番、下の写真では1200番の物)と
仕上げ砥石(4000番〜6000番、下の写真では6000番の物)
を用意します。
砥石は少なくとも5分ぐらいは水につけておきましょう。

用意する砥石

買ったばかりの革包丁は裏刃が平らになっていないので
まず包丁の裏側(裏刃)を平らにします。
中砥(800番〜2000番)で刃先から2センチぐらいの所に
全面にあたりが出るように研ぎます。

中砥で研ぐ

刃先の全面に渡ってあたりが出たら、仕上げ砥石(4000番〜6000番)を使って
裏刃がピカピカになるように仕上げます。

仕上げ砥で研ぐ

ピカピカ
こんな感じになります。

この作業は最初の一回だけ行います。
裏刃は一回仕上げたら、もう中砥は使いません。

ここで初めて刃先(表刃)を研ぎ始めます。
ここからは切れ味が落ちてきたら、
日常的に行う作業になります。

表刃を中砥を使って研ぎます。

表刃を中砥で研ぐ

研ぎ進んでいくと、やがて刃先にバリのようなかえりが出てきます。
これを反り刃(かえりは)といいます。
刃先の裏刃に指を当ててみると確認できます。
これで刃がついたことになるのですが、刃の全面に反り刃が出るように研ぎましょう。

ここで砥石を仕上げ用に変えて、また同じように表刃を研ぎます。
今度はさっき付いた反り刃が無くなるまで研ぎます。

表刃を仕上げ砥で研ぐ

反り刃が無くなったら、裏刃を仕上げ砥石で仕上げて終わりです。
これは先ほどの裏刃の研ぎ方で3〜4回研いでいけばいいです。

研ぎ終わった包丁ですが、切れますよ〜。
切れ味の持ちは使ってみないとわかりませんが
買ってきたときよりは数段切れ味がよいです。

以前持っていた革包丁と比べて切れ味は変わらないような気はしますが
切ったときに何となくシャリッとした感覚があるような気がします。
気のせいかもしれませんが...。

革包丁が研げたので、早速刃の部分にかぶせる
キャップを作りました。

キャップ

さぁ、新しい革包丁も手に入ったことだし、何か凄いものを作りたくなってきました。
さて、何を作ろうかなぁ



この記事についてのご意見、ご感想がありましたら
メールけいじばんの方に
よろしくお願いします。
また、分かりにくいところがありましたら遠慮無く教えてください。
よろしくお願いします。


vol.9  2003/02/02

StickCase

久しぶりの革日記の更新です。

このところ基本に帰ってキーホルダーなどを作っていましたが
その中でなかなかに好評だったものがあったので紹介します。

M.S.Folder

メモリスティックが一枚入るキーホルダーです。
名づけて「StickCase」。
(そのままやんけ!)



中はこのようになっています。
本当にただメモリースティックが入るだけのキーホルダーなのですが、



入り口のところが折れ曲がり、メモリスティックが取りやすくなります。

実はこの部分は自分ではなんとも思っていなかったのです。
ただ、去年の彩パームのオフ会にて「これはギミックだ!」と誉められてしまいまして
誉められたらここで発表してしまえ、と思った次第です。



違う角度からのショットです。
素材は牛タンロー(厚み1.2mm)を使っています。
メモリスティックが入る部分は革を6枚重ねています。
またコバは蜜蝋で仕上げています。

今回は牛タンローという素材を初めて使いました。
牛タンローは初めは白っぽい色ですが、だんだんあめ色に育っていくということなので
使いこんでいくうちにどう変化していくか楽しみです。

使いこんでいくといえば。

「革ケース製作記」で作ったケースですが、ここまで育ちました。



どうですか?
なかなかいい味を出していると思うのですが。

ちなみに作った直後の写真は...



これです。
だいぶ色が変わっていると思いませんか?
裏面なんかは使っているうちについた汚れがまたいい感じになっています。
(これは本人だけがそう思っているだけですが)
どうやって「味」を出していったかについては別の機会ということで...

ではまた次回!



この記事についてのご意見、ご感想がありましたら
メールけいじばんの方に
よろしくお願いします。
また、分かりにくいところがありましたら遠慮無く教えてください。
よろしくお願いします。


vol.8  2002/11/10

革ケース製作記 七日目

しばらく間を置いてしまいました「革ケース製作記」ですが、
いよいよ最終回?!となりますでしょうか。
(CLIE T600C用のケースを作ります。)

製作記一日目

製作記二日目

製作記三日目

製作記四日目

製作記五日目

製作記六日目



革ケース製作記「七日目」
各画像はクリックすると大きい画像が見られます。

前面のふたの型紙です。
Fit Sheath T600C #1 betaで使ったものと同じものです。
型紙にしたがって、裁断します。
前面ふたの裏、表になります。
革硬化液です。
革の裏側に塗布すると、革が固くなります。
先ほどの革に硬化液を塗ります。
表パーツ、裏パーツ両方に塗ります。
ふちのほうは塗らないでおきます。
革が反らないように、平らなもので挟んで乾燥させます。
この革は二枚重ねて貼り、ホックを付けてふたの留めベルトになります。
まず、ふたの裏側のパーツをケース本体に貼りつけます。
貼りつけているところ。
貼りつけるときは結構緊張します。
曲がらないように...
このようになります。
芯になる革と留めベルトを貼りつけます。
私はここで工作用紙で作った芯をもう一枚入れます。
硬化液を付けた革と合わせて、しっかりとしたふたになります。
その上から表のパーツを貼りつけます。
これで角を落として手縫いすれば完成です。
鉄筆で縫い線をつけていきます。
菱目打ちで縫い穴を明けていきます。
縫い合わせたところ。
*縫っている最中の写真を撮り忘れました。
申し訳無い...
留めベルトにホックをつけて...
とりあえず出来あがりました。
あとはふたと細かいところのコバ仕上げを行い本当に完成となります。

...なのですが、仕上げの写真を撮っていません。
と、いうことで
いきなり完成!となりました。
前作Fit Sheath T600C #1 betaとの記念写真です。
でもどっちがどっちだかよくわからないですね...

以上で「革ケース製作記」終了となります。

完成が近づくにつれ「ノッて」しまうため写真の撮り忘れが多くなってしまったり
いろんな意味で中途半端な「製作記」になってしまいました。
反省するところがいっぱいです。
まだまだ初歩のレベルで作っているので、どこまで参考になるか皆目見当つきませんが、
少しでもお役に立てれば幸いでございます。

最後まで見ていただいた皆さん、本当にありがとうございました。



この記事についてのご意見、ご感想がありましたら
メールけいじばんの方に
よろしくお願いします。
また、分かりにくいところがありましたら遠慮無く教えてください。
よろしくお願いします。


vol.7  2002/10/27

革ケース製作記 六日目

革ケース製作も六日目になりました。
完成まであと少しとなりました。
が、前回の製作過程でケース下側のコネクタをカバーする部分の革が短いことがわかりました。
まずはこちらの対策から...
(CLIE T600C用のケースを作ります。)

製作記一日目

製作記二日目

製作記三日目

製作記四日目

製作記五日目



革ケース製作記「六日目」
各画像はクリックすると大きい画像が見られます。

とりあえずコネクタカバーの部分に革をたすことにしました。
6cm幅に切った革を2枚用意します。
その中の一枚にマジックテープ用の穴を明けます。
木工用ボンドを使いマジックテープを貼りつけます。
マジックテープの上下に縫い穴を明け、形を整えました。
(裁断の写真を撮り忘れました、ごめんなさい)
実はすでに裏側の革も貼っていました。
マジックテープを2枚の革で挟むようにしてみました。
周りにも縫い穴を明けます。
このパーツをケース底面の革に貼りつけます。
ひっくり返してみたところ。
クリエのコネクタ部分が見えます。
ふたを閉めたところ。
背面はこんな感じになります。
縫い穴をひし切りで貫通させ、縫います。
縫い終わったところ。
ふたを開いたところ。
とりあえず「やれやれ」という感じです。
これで前面の液晶のふたをつければケースの完成となります。

今回は少々手抜きな革日記ですね...(^^;

少々不恰好ですが、コネクタをカバーする部分が出来あがりました。
過去に作ったケースではこの部分はホックで止める形で作っていましたが
ホックの出っ張りが気になったので、今回はマジックテープを使ってみました。
でも、マジックテープのふちをカバーする革を貼ったりしていると
意外と厚みが出てくるのですね。
ホックで作ったときと比べて、それほど厚みに差が無いみたいでちょっとがっかりです。
ただホックがない分裏側がすっきりして、それに関しては満足ですね。

さて、いよいよ前面カバー(ふた)を作れば完成というところまで来ました。
次で完結するでしょうか??



この記事についてのご意見、ご感想がありましたら
メールけいじばんの方に
よろしくお願いします。
また、分かりにくいところがありましたら遠慮無く教えてください。
よろしくお願いします。


vol.6  2002/10/23

革ケース製作記 五日目

革ケース製作五日目です。
まずは前回作った裏側の革パーツを仕上げるところから始めます。
それを貼りつけて縫い合わせます。
(CLIE T600C用のケースを作ります。)

製作記一日目

製作記二日目

製作記三日目

製作記四日目



革ケース製作記「五日目」
各画像はクリックすると大きい画像が見られます。

裏側のパーツの裏(なんか変ですね)です。
一部分が露出するので、その部分をCNCで仕上げます。
CNCを塗り、へらで仕上げているところ。
色が変わっているのがわかるでしょうか?
また写真を撮り忘れましたが、コバ(切り口)の仕上げも行います。
しかし修ちゃん毛深いなぁ...
お見苦しくて申し訳無い。
菱目打ちで縫い穴を明けます。
この部分は貼りつけた後では縫い穴を明けにくいので、
貼りつける前にあらかじめ明けておきます。
ケース本体に貼りつけてから、この穴をガイドにしてひしキリで改めて縫い穴を明け(貫通させ)ます。
こんな状態になることもあります。
うちのガキンチョです。
またもお見苦しいところを見せてしまった...
仕上げ、縫い穴明けが済んだパーツをケース裏側に貼りつけます。
裏側は前面部分の液晶の窓ごしに縫っていきます。
今回のケース作りの最大の山場?です。
これは「ひしきり」です。
縫い穴を明けるためのキリです。
先ほど明けた穴をたよりにひしキリで貫通させます。
明ける革に厚みがあると穴が斜めになりやすいので、結構神経を使います。
全部の穴を明け終わったら、その部分を縫っていきます。
さぁ糸をロウ引きして...
液晶の窓ごしに縫っていきます。
どんどん縫います。
あぁまたも見苦しい足と手が...
一番やりにくかったところ。
縫い糸がいろんな物に引っかかっちゃうのです。
縫い終わったところ。
ステッチが入ると「らしく」なってきますね。

あれっ、マジックテープのところに謎の穴が...
もしかしたらここに穴を明けるとクレードルに載るんじゃないか?
と、思い実験してしまいました。
結果クレードルには載りましたが、コネクタの接触がちゃんとできなくて
使えませんでした。(ToT)
ただのバカですね..
クリエ本体を入れてみたところ。
ケース上面部分。
脱落防止ベルトとベルトが入る口。
(メモリースティックの横のあいている部分)
縫い終わって「やれやれ」と思ったのですが...
ここで問題が発生しました。
これはケース底面のコネクタが剥き出しになる部分ですが、
ここをカバーする底面から伸びた革の長さが足りないのです。
う〜むどうするべぇ...

ということで、問題を残したまま五日目終了です。

一番厄介な液晶の窓越しの手縫いが終わり、後はコネクタ周りと前面のふたを作れば終わり。
というところまで来ました。
形が出来てくるとうれしくなって俄然ペースが上がってきます。
これから写真の撮り忘れなどしないようにしないと...
(製作にノッて来ると忘れてしまうことがしばしばあります。)
次は問題解決??



この記事についてのご意見、ご感想がありましたら
メールけいじばんの方に
よろしくお願いします。
また、分かりにくいところがありましたら遠慮無く教えてください。
よろしくお願いします。