屋久島(宮之浦岳 1,935m) |
無体力トレッカー、展望きかずも巨木劇場に癒される!
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プロローグ
「九州最高峰」がどこにあるのか知ってますか?阿蘇?桜島?雲仙?九重?
九州育ちのRIKIはさすがに小学生の頃から知っていたが、最近の登山ブームであっても一般の人で確信を持って知っている人はまだまだ少ないのではないだろうか。有名な阿蘇や九重でもない、九州一の高峰は南国・鹿児島の南方洋上に浮かぶ屋久島にある。宮之浦岳、1,935m。なんと現在RIKIがお世話になっているあの那須岳(1917m)より高い。魔の山・谷川岳(1977m)と同じくらいの標高2000mに近い高山が、ひとつのせまい島の中にドカーンとそびえているのだ。これは考えてみればすごい。そんなわけで屋久島は全島山だらけだ。
小学生のとき学研の「科学と学習」を購読していた人も多いであろう。その中に屋久島の特集があって、そのとき見た「縄文杉」の写真は圧巻だった。世界一の杉・樹齢7000年以上!・胴回り40m以上!、説明ではこんな巨杉が屋久島にはゴロゴロ生えているという。またこんな標高の高い山が黒潮洋上にいきなり浮かんでいるものだから、海抜0mから1,935mまで、亜熱帯〜温帯〜冷温帯の気候帯の垂直分布が見られる世界的にも珍しい島なのであるとも。一番印象的なのは「屋久島は一ヶ月で35日雨が降る」の言葉だった。アホな私は意味がよく分からず、まあそれくらい毎日雨が降るのだろうくらいに思っていたが、最近の資料で見ると屋久島の年間降水量は10,000mm以上という。これは驚異的だ。なぜなら日本の平均降水量は2,000mm〜2,500mm程度、その5倍である。また世界一の多雨地域インドのアッサム地方とほぼ同じ降水量だそうだ(これはちょっとうそっぽい)。
そういうなんとも驚異的な島なのであるが、おかげで文句なしに世界自然遺産に登録され、昨今の百名山ブーム(宮之浦岳は日本百名山)もあって屋久島は旅行者やハイカーでにぎやかな時代を迎えている。九州にいる時はさほど行きたい島でもなかったが、最近のそんな状況から一度は山頂に立ってみたいなとは思っていた(まあ一応百名山も目指しているし〜)。現在のRIKIの仕事はサービス業であるため、GWもない、夏休みの長期休暇もない。あきらかに役損である。しかし年に1,2回、平日にまとまった休みがもらえる。これは役得。11月末から比較的長めの休みをもらったので、これは「二度とないチャンスでは?」と即決した。行きに故郷の博多に寄り、10月に亡くなった伯母に線香も上げられる。問題は資金(福島→博多→鹿児島→屋久島→鹿児島→羽田でなんと8万円近くかかる)だがコツコツ貯めた単身赴任手当てがある(エライ!)。あとはB型3号の援助だ。「まあ一生懸命がんばってるんだから行ってきたら」(エライ!)
なんだかんだ前置きが長くなってしまったが、そんな驚異的な島の最高峰を目指すべく現在のRIKIの生息地・那須を出発した。
2001年11月27日(火) 福島空港→福岡 11月28日(水) 福岡→鹿児島→屋久島空港 屋久島空港→淀川登山口(タクシー) 淀川→淀川小屋→高盤岳展望台→小花之江河→花之江河→石塚小屋(泊) 11月29日(木) 石塚小屋→花之江河→投石平→宮之浦岳→平石→新高塚小屋(泊) 11月30日(金) 新高塚小屋→縄文杉→ウィルソン株→大株歩道入口→小杉谷→荒川口 荒川口→安房(タクシー) 宿泊:民宿「華のや」 12月1日(土) 屋久島→鹿児島→羽田→新座 12月2日(日) ラグビー早明戦 (^^)\ |
<11月27日(火)>
福島空港(那須から近い!トキちゃん送ってくれてありがとう。感謝)→ 博多。
亡くなった伯母の家で線香を上げる。それから緊急入院した伯父の見舞いに病院へ。2001年はRIKIの故郷の親戚の家はなんだか厄年のようだ。しゃれではないが屋久島で厄払いする決意を固める。従妹がRIKIの荷物を見て「屋久島の上に登ると?やっぱ荷物すごかね〜」。親戚の家に一泊。やっぱり故郷のメシはうまい!
<11月28日(水)>
博多→鹿児島空港
写真に撮りそびれたが、霧島山(百名山)の真上を通過する(阿蘇は反対側で見えなかった)。高千穂岳の頂上に小屋が見える。快晴。とても美しい。霧島は山深いところにある印象を持っていたが、意外にも平野部からそびえていることを発見する。登りやすそうだ。鹿児島空港ではこの霧島山がよく見える。
鹿児島空港→屋久島
桜島はまたしても反対側で見えなかったが、そのかわり開聞岳の美しい姿が間近に眺められた。手前には池田湖。小学生の頃、親戚で指宿旅行に行ったことを思い出すなあ。池田湖の巨大ウナギにびっくりしたっけ。開聞岳ってきれいな山だなあと子供心に思ったものだ。1000mにも満たない山だがその見事な円錐形と3方を海に囲まれた特異な地形から日本百名山に選出されている(これを大人になって知った時はうれしかった)。
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屋久島空港着11:25
九州本土を離れしばらく海の上を飛んでいると、突然右前方に山並みが見えてくる。「お〜屋久島だああ」。海の上に突如出現した謎の大陸、ドラクエの世界だあ。飛行機はやがて高度を下げ無事ランディング、タラップを降りる。ついに屋久島の地を踏んだぞ!飛行機(YS11)から降りてしっかり大地を踏みしみてターミナルに向かう。お〜愛子岳が見えるゾ、すごいすごい。頭の中は興奮していたが、恥ずかしいので顔は平静を装う。さすが南国、気候は本土の9月下旬〜10月初旬くらいかな?暖かいよ。すでにマイナス温度の那須とは大違い。いや〜ほんとに来ちゃったよ〜。 | |
屋久島空港と愛子岳 |
タクシーでさっそく登山口(淀川・・よどごう)に向かう。途中、安房の民宿「華のや」に寄る。下山後の投宿先。ここに手荷物を置かせてもらう。ついでにガスカートリッジを分けてもらう(念のため2つ)。飛行機ではカートリッジの搭載が禁止されているので投宿先に置いていく登山者が多いことは知っていた。「それじゃあ、あさってよろしく」とオーナーに挨拶、再びタクシーに乗り込みやがて車は山道へ。天気は超快晴、いつまでもつのかな?
途中で運転手さんとおしゃべり。縄文杉からは不思議と携帯がよく繋がることも確認。「焼酎がうまいとですよ」屋久島の水で作る「三岳」という芋焼酎が最高らしい。う〜んうまそう、帰ってきてからの楽しみだあ。「山は杉だらけでしょ?屋久島の人って花粉症の人はいないのかな?」「・・・・」「屋久杉で花粉症になったら凄そうですね」「・・・・」あまり冗談が通じそうもない。道はグングン高度をあげる。いや〜遠くに眺める山並みの深そうなこと!ほんとにここ島?やがて荒川登山口への道を右に分けると屋久杉が現れだす。いやいや杉じゃないよこれ。「お客さんはよく松と間違えます」グニャグニャして生えている。「あれが紀元杉です」「おー巨大な白ガイコツだあ!」車を止めてくれ写真を撮る。初めて見る屋久島の巨杉だ。紀元杉は林道の脇に生えている。「まだ生きているのですか?」「生きています」白いガイコツを見上げるとなるほどしっかり緑色の葉が生き生きと茂っている。落ちている葉は確かに杉だ。
再び車に乗り込み走り出すとほどなくして淀川登山口だ。「それじゃお気をつけて」タクシーが去ると腹ごしらえ。時間は13:00。独りぼっちになった。観光気分から気を引き締めなおさなくてはいけない。
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