考えるかめいし



22、現地化 (02,05,99)



どうも最近会社関連の愚痴ばかり書いている。 よくない。

でも、こうやって書くのは自分の考えを整理することにもなる。
こないだ社長さんにE-MAILを出した時にここにもいろいろ書いていくのでたまに見ておくれと書いた
が、ほんまに見てくれたら嬉しい、とも思う。(こいつ、こんなあほなんかとリストラの対象にされて
も困るけど。)



現地化。別に、日に焼けて色が黒なって、こちらの言葉が話せるようになって、こちらのペースで
仕事をやるようになって、「お前、まるでエチオピア人やのう」と言われることではもちろんない。


日本人のコストは高いのでこれまでのように日本人駐在員を出していてはペイしない。日本人を減らし
て現地の従業員を使おう。と言うのが現地化の趣旨。(もしかしたら他に建前があったかも知れないし、
私の誤解かも知れないが、私の理解では、最大の理由はコスト面である。当然、日本人駐在員では途上
国だと3-4年でどんどん交代するので継続性と言う意味でもマイナス面と言うことはあろうが、それな
らもっと前に言い始めてもいいはず。)

確かに、ごもっともだと思う。
日本人が一人駐在すると人件費(給与とは言いたくない。業務に対するサラリー以外に、日本食もなく、
ものもなく、治安も悪かったりと大変やねえっていう手当が入っているから。)に加えて、途上国だと
いろいろな待遇があってやたらと費用がかかる。 
できる限り現地従業員に仕事を任せるようにして、私のいるエチオピアなどでは現地従業員だけの体制
にするぐらいでないと儲けが出ない。

で、ここ数年、私の努める会社でも盛んに「現地化」「nationalization」ということが文書の中では
踊っている。

「このおっさんら、本気でそんなこと考えとんねやろか?」
これが私の疑問。

このかけ声がエチオピアのような途上国を対象とするのではなく、いわゆる先進国にある事務所を対象
とする、と言うのであれば、単に、疑問を持った私がバカだったということになる。(少なくとも書面
では対象を先進国に限るとの注釈は見た記憶がないけど。)

どんどんやってくる日本語での書類。
いくら頑張っても所詮は日本人駐在員の下で働く身であることは働き始めればすぐにわかること。給与
もそれほど上がるわけではない。雇用に関しては欧米の企業よりは厳しくはなさそうなのでアホにはえ
え職場かも知れないが、優秀な人間ならば、なんぼ働いてもそれほど地位も給与も上がる望みはそれほ
どない(もしくは全くない)と思えば、チャンスがあれば転職をと思うのも当然だろうし、そもそも優
秀な人間が来ないかも知れない。
研修制度もない。 現地従業員の育成・教育は駐在員の仕事やないか、どあほ。という話もあろうが、
現場で営業をやる人間としては、正直な話、十分に手が回るとも思えないし、本当に現地化、現地従業
員の戦力化を考えているならば、ある程度の全世界共通のマニュアルがあってしかるべきだと思う。

 

現地化を進めるにあたって、あるとええなあとおもうもの。

日本語が絶対必要でない限りは、原則全ての書類、交信は英語で行う。
日本語で指示・依頼が来ると現地従業員に伝達する際にはもちろん駐在員が英語に訳す必要がある。デ
メリットは、「翻訳の際に、誤訳とまでは行かなくともニュアンスの変化は有り得る」「訳す時間が無
駄」「駐在員がいなくなったとき、不在の時に現地従業員だけではFILEのTRACEができない」と言うこ
と以外に、そもそも日本語の場合は、日本語であることに頼ってしまうために、発信者(日本人)の言
っていることが不明確であることもある。これが英語にすると文法が異なるために、日本語の自分から
ちょっと離れて考えることとなり、自分の不明確なアイデアに気づくこともある(と自分の経験として
思う。 もちろん、これは日本語が論理的ではないと言うことではなくて、それを操る人間がきちんと
物事を考えていない、と言うことに過ぎない。別の言語で表現せねばならないという状況に置くことで、
同じ事を別の方向から見ることで、日本語だけの時には見過ごしていた事実に気づきやすい、というこ
と。)

明確な給与体系と昇進制度。

現地従業員用の基礎的なマニュアル。
そして、実態に即した研修。
本社で行う研修があるにはある。が、あまりに総花的すぎてどう考えても実効性があるとは思えない。
(実際、よく聞く評判は、「あれは、現地従業員への(日本に行けるという)インセンティブやから」
というもの。) だいたい、先進国の従業員と途上国の従業員とで同じ内容の研修でいいはずがない。
これを真剣に「ええ」と思っている人は、余程日本以外の現場の状況を知らない人だろう。(知らなく
てもまともな想像力があればわかるはずだが。)

 

 

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