簡単にできて美味しい薬膳を作ってみましょう。

薬膳というと何だか難しそうで知識が無ければ作れないと思っていませんか。
確かに薬膳も漢方と同様の難しい理論があるようですが、薬膳は薬ではなく食べ物です。
美味しく食べられて簡単に作れれば良いと思います。
私は何回か中国に行って薬膳を食べましたが、美味しいと言うよりも珍しいものが入っているだけでした。
ここでは私の家内が実際に作って美味しかったものをご紹介したいと思います。
簡単に作れて美味しく健康づくりにもなる薬膳に是非チャレンジしてください。 

薬膳に良く用いられる薬草と使用目的

生薬名

     使用目的       

調理方法例

朝鮮人参

滋養強壮、健胃整腸

煮込み、スープ、炒め物

ウイキョウ

健胃、腹痛、食欲不振

煮込み、シチュウ

オウギ

胃弱、食欲不振、疲労

蒸しもの、煮込み

オウセイ

滋養強壮、精力増強、体力回復

煮込み

カシュウ

便秘、不眠、めまい、強壮

スープ、煮込み

サンショウ

胃痛、腹痛、下痢

煮込み、スープ

クコシ

疲労、めまい、肝炎、糖尿

煮込み、炒め物、蒸しもの

カッコン

解熱、肩こり、筋肉痛

スープ、煮込み、和え物、サラダ

カンゾウ

腹痛、咽頭痛、筋肉痛

甘味料、煮込み、スープ

キキョウ

鎮咳、去痰、排膿作用

スープ、煮込み

キクカ

解熱、鎮静、血圧降下

お茶、スープ

キョウニン

喉の痛み、咳止め、むくみ

炒め物、蒸しもの

ケイヒ

のぼせ、感冒、関節痛

スープ、煮込み、お菓子

ベニバナ

冷え性、生理不順、婦人病

スープ、炒め物

サフラン

生理痛、疲労回復、消化不良

スープ、煮込み、お茶、ピラフ

サンザシ

生理痛、消化不良

デザート、飲み物

サンソウニン

ノイローゼ、不眠症、神経衰弱

あんかけ、お茶

サンヤク

滋養強壮、夜尿、寝汗

煮込み、スープ、炒め物

ジコッピ

めまい、糖尿、視力減退

スープ、煮込み

サンシシ

消炎、止血、鎮静、利尿

スープ、ごはん

シャクヤク

生理不順、生理痛、婦人病

スープ、煮込み

ジュクジオウ

虚弱体質、貧血、疲労回復

煮込み

センキユウ

冷え性、貧血、生理不順

スープ、炒め物

タイソウ

滋養強壮、健胃

煮込み、煮物、スープ

チョウジ

健胃、強壮

煮込み、シチュー

テンマ

頭痛、ヒステリー、めまい

炒め物、蒸しもの、煮込み

チンピ

健胃、利尿、鎮咳

炒め物、煮込み

トウキ

冷え性、生理不順、貧血

スープ、炒め物

トウジン

胃弱、下痢、疲労回復

炒め物、スープ、煮込み

トチュウ

精力減退、インポテンツ

スープ、お茶

冬虫夏草

強壮、強請

煮込み、蒸しもの、スープ

トウガシ

慢性腎炎、むくみ

スープ

南蛮毛

むくみ、高血圧、肝炎

スープ、あんかけ

八角

健胃、鎮痛

煮込み、スープ、炒め物

百合

不眠症、精神疲労、神経衰弱

炒め物、蒸しもの、煮込み

ビャクジュツ

食欲不振、消化不良、むくみ

炒め物、蒸しもの、煮込み

ブクリョウ

むくみ、消化不良、精神不安

煮込み、炒め物

蒲公英

胃炎、肝炎、食欲不振

炒め物、煮込み

ボタンピ

下腹部の血行障害、婦人病

煮込み、スープ

ヨクイニン

むくみ、神経痛、いぼ

粥、炊き込みごはん、スープ

リュウガンニク

貧血、不眠症、健忘症

炒め物、煮込み、スープ

レンニク

滋養強壮、不眠症

炒め物、煮込み、スープ

 薬膳作成にあたっての一般的な薬草別留意事項

1.クコ子はお酒で戻して料理の仕上げに散らすようにしましょう。

2.ベニ花はスープなどに入れてから一煮立ちさせるだけでOK。

3.朝鮮人参は熱湯に浸し一晩放置してからスライスして用います。

4.芍薬、はと麦(ヨクイニン)、甘草、オウギなどはよく煮ないと成分が出ないので最初から他の材料と一緒に煮込みましょう。

5.センキュウ、トウキなどは煮過ぎてしまうと薬臭くなるので調理の途中で加えるようにしましょう。

6.すぐに成分が出るチンピ、サンショウなどは他の材料がほぼ煮えてから加えるようにしましょう。

7.はと麦(ヨクイニン)などはゆでで冷凍にしておくとすぐに使用でき、混ぜご飯、お粥、雑炊などが簡単にできます。

その他にもいろいろとあると思いますが、知りたい方は薬膳の専門書をお読み下さい。 


 冷え性の人の体質改善に四物湯のスープ

材料4人分 生薬としてトウキ10グラム、センキュウ10グラム、シャクヤク10グラム、ジオウ5グラム、その他の材料 長芋150グラム、チンゲンサイ1株、干し椎茸5枚、鶏ガラスープ8カップ、塩小さじ3杯、酒大さじ3杯

 作り方
1.先ず生薬を水でさっと洗って土鍋に入れ、弱火で水5カップが半分になるまで煮詰めます。

2.半分になったら水2カップを加え再び半分になるまで煮詰めます。

3.煮詰め終わったら土鍋の中の生薬取り除き、生薬スープを別の容器に移します。

4.干し椎茸は水で戻し適当な大きさに切り、長芋は皮をむき一口大に乱切りにしてアクを抜くため湯通ししておきます。

5.チンゲンサイも塩少々を加えた湯で色が変わらない程度にゆでたあと水に浸し、水気を取って適当な大きさに切っておきます。

6.土鍋に鶏ガラスープを入れて煮立て、先ほどの長芋、干し椎茸を入れて弱火でアクを取りながら10分間ほど煮込みます。

7.スープを塩と酒で味をととのえ、さらに3で作った生薬スープを加え味をみて塩等を加え、最後にチンゲンサイを加えてできあがりです。

補足 生薬スープを加える量は好みにより調節してください。たくさん入れれば薬草の味が強く出ますし、入れなければ薬膳ではありませんからね・・・適当にお願いします。
ちなみに私は全部入れました・ 

 女性の健康管理にベニバナごはん

材料5、6人分 生薬としてベニバナ大さじ1杯、ヨクイニン大さじ2杯、クコシ大さじ2杯、その他の材料 餅米カップ2杯、粳米カップ2杯、鶏肉150グラム、干し椎茸2枚、ゆでタケノコ80グラム、ネギ1/2本、酒大さじ4杯、サラダ油大さじ4杯、醤油大さじ4杯、みりん大さじ1杯、塩小さじ1杯
  

 作り方
1.餅米はといで一晩水に浸けておき、粳米はたく30分前にといで両方とも水を切りざるに入れておきます

2.ヨクイニンはあらかじめ水でよく洗い、柔らかくゆでておきます。

3.ベニバナは水洗いをしてゴミを取り除き、良く絞って酒に浸けておきます。

4.クコシも水洗いをして酒に浸けておきます。

5.干し椎茸は水で戻し、鶏肉、ネギ、タケノコなど一口サイズに切っておきます。

6.中華鍋にサラダ油を熱し、干し椎茸、ネギ、鶏肉、タケノコの順で加えて炒めます。

7.鶏肉の色が変わったら餅米と粳米を加えてさらに炒めます。

8.米が熱くなったらベニバニ、クコシを汁ごと加え、ゆでたヨクイニンと水1カップを加えます。

9.さらに醤油、みりん、塩を加えて炒めます。

10.七分くらい煮えたら、蒸し器にふきんを敷いてその上に移動させ30分間蒸してできあがり。

 すべすべお肌のはと麦入りのハンバーグ

 材料4人分 生薬としてヨクイニン30グラム、その他の材料 ハンバーグを作るときの材料を用意してください。

 作り方

1.ヨクイニンをあらかじめゆでておき柔らかくしておきます。

2.ハンバーグを挽肉やタマネギなどと一緒にこねる時にヨクイニンを加えます。

3.後は普通にハンバーグを焼いていただければ結構です。入れるヨクイニンの量は適当に調節してください。


rakutend@opal.famille.ne.jp  合資会社 楽天堂薬局