医師「手術は現在、様々な方法がありますが、基本的にはワキの皮膚の直下にあるアポクリン腺を取り除く手術です。吸引して取り除く方法は皮膚にできる傷跡は数ミリですが、皮膚にがっちりとついているアポクリン腺は吸引のみでは完全には取り除けません。剪除法ははさみを用いてアポクリン腺をそぎ取る方法です。はさみが入る大きさ(1〜2
cm)だけ皮膚を切開し、皮膚の下をポケット状(アポクリン腺のある範囲)に剥がし、裏からはさみでそぎ取ります。これによりアポクリン腺が完全に取りきれます。」
簡単に手術方法を図示します。皮膚を切開した後、はさみを挿入し、皮膚の裏側からアポクリン腺をそぎ取ります。傷跡はワキのしわに沿うために最終的には目立たなくなりますが、数ヶ月は少しつれたような感じになります。これを早期に治すために手術後1週間ほどで、傷が開いてもいいから積極的に腕を動かし、癒着が起きないようにします。
ワキガの手術は様々なものがありますし、どれが一番優れているとは言い切れません。確実なのは剪除法ですが、最近、細い管にグラインダーのようなかみそりの刃をつけたものを入れて削いでしまう方法、超音波を使う方法などがあります。これらはうまくいけば良い方法ですが、剪除法の方が安定した結果を出しているようです。
手術後は通常3日ほど傷を圧迫、安静にします。これはポケット状に剥がした皮膚の下に血液が溜まらないようにするためです。以後1週間で腕を動かし、傷の治りは2週間ほどかかります。入浴は手術3日後から可能ですが、もちろん傷を濡らさないようにすれば翌日から可能とするクリニックが多いようです。
1週間後から腕を動かす際、傷が開くこともありますが、気にせず動かすことがポイントです。
費用は一般的には25万円前後でしょう。技術や手間を考えると、これくらいは必要です。あまり安いのも考え物です。