医師「これは老人性疣贅(脂漏性角化症)というしみです。レーザーが著効します。あまり盛り上がりが強いようだと、最初にレーザーで削って、その後でしみの色だけを取るレーザー光線を当てます。確実にきれいになりますよ。」

貴方「レーザーって怖そうですね。」

医師「レーザー光線は、殺人兵器ではありません。特定の波長を持った光です。しみの場合は、茶色などメラニンの色に反応するレーザーを使用します。これにより、皮膚に損傷を与えず、しみだけを取り去ることが可能です。皮膚より深いところには影響がないですから、たとえ妊娠していても問題ありません。また、最初に用いる削るレーザーは、そのエネルギーで表面だけを削っていくものです。ほくろの治療などにも使用します。」

貴方「実際の治療ってどういう風に行うのですか?」

医師「まず、削るレーザーである程度平らにして、その後のレーザーの効果が最大に発揮できるようにします。しみ取りレーザーは深くまでは届かないので、できるだけ薄くする方がいいんです。さて、次のしみ取りレーザーを当てる際は、痛みは輪ゴムではじかれる程度です。これが数回です。もし、痛くて怖いようでしたら、1時間ほど前に麻酔の塗り薬かテープを貼ってから治療しますが、ほとんどの人は大丈夫ですよ。治療後は肌色のテープを貼って、約1週間経てば、かさぶたが剥がれて、きれいな皮膚が現れます。すり傷の後のきれいな皮膚と同じです。」

医師「あと、注意点があります。治療後は紫外線には気をつけて下さい。再発します。日焼け止めを塗るようにして下さい。」


解説

老人性疣贅は老化により角質が厚く皮膚に残ったものと考えていただければ、わかりやすいと思います。

ここで用いる2種類のレーザーですが、まず削るレーザーは炭酸ガスレーザーといって色などに関係なくある一定の深さまで皮膚を削ります。角質なので痛くありません。次に用いるしみ取りレーザーですが、一般にはQスイッチルビーレーザーまたはQスイッチアレキサンドライトレーザーという種類の機器で実施します。これらは、メラニンのみに吸収される光で、このエネルギーでしみを破壊します。皮膚のごく表面はこの際に焼けてかさぶたになりますが、1週間で剥がれ落ちます。後も残しません。治療後については、肌色のテープを貼ることが多いようですが、そのまま何も貼らず、軟膏のみ塗るということもあります。どちらでも問題ありません。
なお、炭酸ガスレーザーの代わりにしみ取りのレーザーを何度も当てて、徐々に皮膚を剥いでいく方法をとるクリニックもあります。結果は変わりません。

しみは紫外線で悪化するので、治療後は必ず紫外線予防をしていただきます。化粧品に含まれていれば大丈夫です。目安はSPF20〜40、PA++以上です。

治療後の一時的な色素沈着ですが、割によく見られます。これは時間とともに消えることが多いのですが、ひどい場合はもう一度レーザーを当てることもあります。私の場合は、美白クリームを塗ってもらい、早めに消えるようにしています。

費用ですが、かなりばらつきがあります。1平方センチあたり1〜3万円でしょう。これは各クリニックにお問い合わせ下さい。また、この費用も、取れるまでの費用の場合とその都度費用をもらう場合があります。
もちろん、しばらくして出てきた場合は別費用です。

ホームへ