医師「部分的に取りたいのですね。そういう場合は脂肪吸引が良いと思います。ただし、スタイルを整えるためのものであり、体重の減少ということが主でしたら、ダイエットがお勧めです。」
貴方「手術はどういうふうに行うのですか。」
医師「通常範囲が小さい場合は注射の麻酔で行います。まず、薄めた麻酔液を大量に注射し、脂肪を取る部分をパンパンに膨らませます。その後目立たない部分から数ミリ皮膚を切開し、脂肪吸引器の管を入れます。あとは掃除機みたいに脂肪を必要な量だけ吸っていきます。吸引後は圧迫し、固定します。固定は傷が治ってもしばらく続けます。見た目には傷は小さいのですが、皮膚の中はかなり広い範囲で手術していますから、あんまり安易には考えないで下さい。」
貴方「手術したらすぐきれいになりますか。」
医師「2〜3週間は皮膚に内出血がおこりますし、腫れもあるので、細くなったという実感がわくのは手術後1ヶ月くらいでしょう。その間は焦らないことです。」
貴方「痛いんですか?」
医師「麻酔が効けば痛みはありませんが、麻酔の注射はチクンとします。手術後麻酔が切れればもちろん少し痛くなってきます。」
脂肪吸引は専用の脂肪吸引器を使って、余分な脂肪を吸い出すものです。吸引器には電動のものと手動の注射器みたいなものがあり、範囲が広いなら電動のものの方が良いと思いますが、注射器の方が吸引する力が弱い分だけ余計なものを傷つけず、トラブルが少ないと思います。
起こりうるトラブルで最も重要なのは出血です。皮膚の下、脂肪の間には多くの血管があります。これを傷つけないようにソフトに脂肪だけを吸引するのですが、多少の出血はありますし、脂肪を吸引したものの中には血液は含まれます。そのため大量の脂肪を吸引する際は自分の血液をあらかじめ少し採っておき、手術時に輸血することもあります。通常手術前には血液検査をし、血液の量や血が止まるかなど検査します。
それ以外にも吸引後に皮膚がでこぼこになるといったことが起こり得ます。これは脂肪を取りすぎたり、皮膚に近い部分の脂肪を取ったために起こります。皮膚に近い部分を吸引するときは慎重にかつ細い吸引管で実施しますが、時にこのようなトラブルが起こります。通常は皮膚を触ると何となくでこぼこするくらいで、見た目にはわかりませんし、時間が経つとわかりにくくなります。
麻酔は少量の吸引の場合は局所の注射麻酔で大丈夫です。大量に吸引するときは全身麻酔を行います。
脂肪吸引はあくまでスタイルを整えるためのものであり、広告ほどの強い効果が出ることを期待しすぎないで下さい。
費用は一部位で20〜40万程度です(あご・太もも外側・下腹部などの単位で)。腹全体の場合は全身麻酔で、100万程度でしょうか。詳細は各クリニックに問い合わせて下さい。