医師「ケロイドは一筋縄には治りません。まず、線状のケロイドで手術の後などであれば、肥厚性瘢痕といって、手術で治ることも多いと思います。胸や肩のケロイドは自然発生したものも多く、通常の切り取る手術ではかえって悪化します。」
貴方「具体的にはどの様に治療するのでしょうか。」
医師「まず赤みが強く、盛り上がっている場合は、リザベンというケロイド治療の飲み薬があります。かゆみや赤みは和らぎます。また、ステロイドの注射をケロイドに注入することもあります。これはケロイドが平らに、赤みも薄くなります。シリコンゲルシートというのをケロイドに張り付ける治療法やステロイドのテープ(ドレニゾンテープ)を貼ったりもします。その他圧迫療法といって、テープ・スポンジで盛り上がったケロイドを押さえつける方法もあります。シリコンのシート以外は保険が使えます。しかし、どれも決定的なものではありません。特殊な方法としては、くりぬき法といってケロイドの中身を手術でくり抜いて、その後上から圧迫したり、放射線を照射する方法もあります。」
ケロイドは未だその機序や原因、治療法のわかっていない病気です。私自身ケロイドの研究を長年行い、学会などで発表してきましたが、結論は出ていません。ケロイドはあまり知識のない医師では逆に悪化させてしまうこともあるので、注意して下さい。形成外科の医師に診察を受けましょう。
また、非常に特殊な方法としてレーザー光線を当てる方法もあります。赤い色に反応するレーザーです。はじめに削るレーザーで表面を少し削ってからこのレーザーを当てることもあります。効果がある人には非常にいいのですが、全く効果がない人もいます。