形成外科とは

皆さんは形成外科と聞いてどういった病気を診る科だと思うでしょうか。整形外科とは違います。皮膚科でもありません。形成外科は皮膚など体の表面の異常を、主に外科的に治療する科です。唇が割れていたり、耳が変形していたりといった先天的な病気から、顔の骨の骨折、またガンなどで体の一部を切り取ってしまい、生じた変形の修復、傷あとの修正、皮膚のできものの摘出が主だったところです。また、その重要な一分野として美容外科が含まれます。

もっと具体的に説明しましょう。

形成外科の認定医試験(日本形成外科学会が医師の技量を試験の上、判断し、形成外科を専門として独り立ちしてよろしいと判断する制度です)において、自分が手術した患者さんのレポートを提出します。その内訳は決められていて、

1 新鮮熱傷(やけど)
2 顔面骨骨折及び顔面軟部組織損傷(顔のけが)
3 唇裂・口蓋裂
4 手足の先天異常、外傷
5 その他の先天異常
6 母斑(ほくろ)、血管腫(赤あざ)、良性腫瘍
7 悪性腫瘍及びそれに関連する再建(がんやそれを切除した後の修復)
8 瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド(きずあと)
9 褥瘡(床ずれ)、難治性潰瘍
10 美容外科
11 その他

ここから8項目以上を満たす必要があります。つまりこれらをマスターしないと認定医にはなれないのです。ということは、この項目が形成外科全般を網羅していると言えます。これを参考に、ご自身の病気が形成外科を受診するものなのかどうか判断して下さい。