「OXOさ〜ん。お待たせしました。診察室にどうぞ」
医師「レーザー脱毛は現在もっとも気軽で安価、確実な脱毛法です。部位によって回数は異なりますし、個人差が非常に大きいのですが、通常3〜7回の照射が必要です。一回ごとの治療の間隔は1.5〜2ヶ月空けます。これは毛の発毛周期に合わせて効果的に治療するためです。短期間に多く照射しても脱毛できません。」
貴方「痛くないですか?」
医師「痛みの程度は個人差がありますが、我慢できないということはありません。それに大抵の方はほとんど痛くないとおっしゃいますよ。」
貴方「永久脱毛ですか?」
医師「永久脱毛というと誤解があるでしょう。毛を作る細胞をなくしていくので、徐々に生えている毛の密度は減少し、毛も細くなっていきます。脱毛という言葉は毛が抜けるということなので、うぶ毛が生えるということは脱毛にはあたりません。単に言葉の問題ですけど。結局処理の必要のない様な細いうぶ毛が残ることが多いようです。ただし、人によってはうぶ毛が少し濃くなって、一年に1〜2回ずつレーザーを当てるということもたまにあります。いぜれにせよ自己処理が必要にはなりません。既に多くの方がレーザー脱毛を行い、大丈夫であることが実証されているので安心して下さい。」
貴方「レーザーって副作用とかないのですか?」
医師「そもそもレーザー脱毛は、ある種のレーザーがメラニンという色素にのみ特に強く反応することから開発されました。つまり毛の色素にのみ反応するということです。これによりそれに付着する毛を作る細胞を破壊しますが、それ以外の周辺にはほとんど影響が出ません。ただ、皮膚が黒いと皮膚のメラニンにレーザーが反応するので注意が必要です(熱でやけどする)が、最新の機器はレーザーが発射される時に一瞬冷却ガスが出て皮膚を保護するので、やかんを触った後みたいにしばらく皮膚が赤くなることがあってもやけどを起こすことはまずあり得ません。」
貴方「治療後お風呂に入れますか?」
医師「日常生活は全く制限ありません。」
貴方「エステみたいに、治療の時に毛を伸ばしておくのですか?」
医師「毛は普段通り剃っていて結構です。伸ばしていれば治療前に剃ることになるので、剃っておいた方が良いです。また、治療の2週間前からはワックス脱毛を含め、毛を抜かないで下さい。反応する毛自体がなくなるとレーザーの効果はありません。」
レーザー脱毛機器には現在ロングパルスアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、YAGレーザーなどがあります。現在代表的なロングパルスアレキサンドライトとダイオードとの間で効果の差は見られないと、学会等で発表されています。世界標準とかいう機器は特にありません。また二種類の機器を使い分けるメリットは今のところ明らかにされていません。聞いた感じは何となく安心感を与えるんでしょうが。
日本で一番使用されているレーザーはアレキサンドライトレーザーです。主に2社から発売されており、効果は差がないようですが、キャンデラ社の製品は冷気がガスで吹き付けられ、トラブルが少ないといわれています。もう一社、サイノシュア社の製品も最近は冷気を持続的に吹き付けるようなオプションが発売され、同様の効果をもたらしています。コヒーレント社のダイオードレーザーはコンパクトで持ち運びに優れています。先端が冷却され、これを当てながら治療するために皮膚を冷却する効果が同様にあります。
さて、一度に脱毛できる範囲はキャンデラ社製のアレキサンドライトレーザーが一番です。ということは速度が速いということになります。どの機械を使っているかというのは、大体が納入価格や医師の好み等による差です。
なお、FDAや厚生省の認可は大抵は得ているので、これがレーザー治療の安心の材料にはなりません。
費用はクリニックにより差があります。例えば両ワキの場合、安いところで1年間5万円、高ければ20万ほどです。高いから良い機械を使っているということは一切ありません。費用の安い方がお得と考えるでしょうが、クリニックによって医師が治療したり、看護婦が治療したりしますし、何だかオートメーションのような治療になっているところもあります。実際には一番多いトラブルであるやけど、しみに対し、医師が治療しなくても治療終了後の皮膚を確認するくらいの心配りのあるところが良いと思います。