美容外科の治療内容

美容外科は何をするところなのか?

かつて、美容外科の治療の大半は「美容整形」手術をすることでした。そのため、何か後ろめたいような、また費用も非常に高く、普通の人は行かないような所でした。

美容外科手術の代表的なものは二重の手術、鼻を高くする手術、胸にシリコンを入れる手術、脂肪吸引などです。最近はしわ取りの手術なども頻度が高くなってきました。それ以外にも顔面の輪郭修正や陰部の整形などがあります。

しかし、最近の医学の進歩によって、美肌治療が美容外科医療において大きなウェートを占めるようになりました。しみ・ほくろの治療やにきび・肌荒れ・くすみ治療、脱毛などです。以前はエステティックサロンで実施されていたことが、様々な機器や薬品により医学的に治療可能となりました。クリニックであることの安心感や、確実に良くなることなどから、世間の認知度も高まっています。雑誌にも数多く特集が組まれてきています。また美容整形と異なり、他人に話せる治療内容であることは、口コミが広がりやすく話題にもしやすいことから、今までの美容医療に対する敷居の高さがぐっと低くなった感があります。皆さんも「二重にしたの?」と友人に聞けなくても、「しみが消えた?」とは言いやすいことでしょう。

さて、この美肌治療の代表的なものは、しみ・そばかす取りのレーザー治療、しみやしわに対する美白軟膏療法、ケミカルピーリング、しわのコラーゲン注入治療、ほくろ取りレーザー、医療レーザー脱毛などです。これらは全て美容外科で実施していることが多いようです。しかし、基本が外科ですから、このあたりになると十分内容を理解していない医師がいることも事実です。最新の医学を取り入れるためには、我々も日々勉強が大事と感じています。


以上のように美容外科は、「美容整形」手術と美肌治療が二本柱となり、特に美肌治療は皮膚科医と境界線が曖昧になりつつ共存している状態です。しかし、美容外科医は最終的に手術という手段をもっています。つまり美容外科は、手術以外の十分な知識を持てば、クリームから手術まで幅広い総合的な美容医療が実践できる唯一の分野です。この点を十分認識した上で、美容医療を行うのが私個人の理想であり夢です。レーザーは皮膚科医、手術は美容外科医というのでは患者さんを総合的に診れません。医師一人が全ての美容医療をマスターすることこそが、今一番求められていると思っています。