医師「ごく浅いしわですね。これならレチノイン酸などの軟膏療法で、角質の新陳代謝を促し、皮膚に張りを持たせることで改善できそうです。また、より積極的にはケミカルピーリングを行って、角質を綺麗にするとより良い結果が得られると思います。」「ただし、レチノールはある程度長期の使用が必要ですし、ピーリングも2週間に1回、最低で6回くらいは施術しないと効果が出ません。」


解説

レチノイン酸は現在しわの改善にはもっとも有効な塗り薬です。アメリカではレノバとかレチンなどという製品も発売されていますが、このレチノイン酸(ビタミンA)は厚生省では認可されておらず、日本では化粧品に本来のレチノイン酸は配合できません。一般にレチノールが配合されています。レチノールはレチノイン酸に比較し、効果はかなり劣ります。

ただし、アメリカ人のような濃度でレチノイン酸を塗ると肌が赤くなったりするので、その濃度を決めるのは難しいところです。レチノイン酸といえば一種類の濃度しかないクリニックでは、問題です。また、原末は冷凍・暗所保存が原則であり、薬として作ってしまうと、保存期間に限りがあります。定期的に新しいものに取り替える必要があります。

費用は通常5〜10グラムで2000から1万円といったところが平均的です。

その他にもビタミンCなどがしわには有効です。また、カイネレースという新しいしわ取りの塗り薬がアメリカで発売されています。

ケミカルピーリングは酸で皮膚の角質を剥がし、これを繰り返すことで角質・皮膚の新陳代謝を促し、肌のきめを整えます。しわが消えてなくなるというわけではありません。現在日本人にはフルーツ酸という弱い酸を用いた方がよいと言われていますが、時にTCAやフェノールのような中〜強い酸による治療が症状により用いられます。この場合はかなり注意しないと日本人には強すぎます。あとでしみになることもあるようです。フルーツ酸はワインやリンゴ、レモンの様なものに含まれ、家庭でもこれらのパックや入浴を行いますよね。これをもっと強くしたものだと思って下さい。なお、ホームピーリング製品は濃度が濃くても、酸がマイルドにされており、医療機関のピーリングとは全く別物です。

ケミカルピーリングの費用は通常1回1万〜3万です。別にアフターケア用化粧品代(1〜2万円)がかかることが多いようです。

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