「OXOさ〜ん。お待たせしました。診察室にどうぞ」
医師「赤ニキビですね。炎症が起こっています。毛穴に詰まった皮脂の中にばい菌が繁殖しているのです。まずばい菌を退治するクリームやローションを使いましょう。炎症を抑える目的で、ビタミンCの塗り薬も効果的です。また、レチノイン酸軟膏やケミカルピーリングを併用する方法もあります。但し、乾燥肌には不向きです。
その他にも漢方薬を数ヶ月飲んで、炎症を起こりにくくすることや、ルリッド、ミノマイシンといった抗生物質を飲み、ばい菌をなくすことも重要です。」
貴方「ふだんの生活で気をつけることは何ですか。」
医師「規則正しい生活、肌の乾燥防止、紫外線予防、バランスのよい食事、特にビタミンB群の摂取などです。また、洗顔は洗いすぎに注意です。洗いすぎると角質にある本来必要な脂質までなくなり、刺激に対し弱い肌になります。また自分でニキビをつぶさないで下さい。あとできれば髪の毛があまり顔に触れないような髪型にすることも良い方法です。」
解説
ニキビの中でも赤ニキビは毛穴にたまった皮脂にアクネ菌が繁殖し、炎症を起こしている状態です。これには抗生剤の塗り薬や飲み薬が有効です。もちろん保険も使えます。最近ではダラシンという抗生物質をローションにして塗ると効果が高いなどと言われています。他に、もちろん肌を清潔にすることは言うまでもありませんが、過度の洗顔は上述のようにセラミドといったような皮膚本来の脂質を取ってしまうので、1日2回程度にしましょう。
ビタミンCは活性酸素という炎症を起こす物質を取り去るので、赤い炎症を抑えることができます。
漢方は様々なものがありますが、炎症を抑えるには清上防風湯や荊芥連ギョウ湯などを用います。
ケミカルピーリングやレチノイン酸軟膏のような角質を溶かすものもニキビを抑えるのに効果があります。費用はピーリングが1回1〜3万といったところが平均的でしょう。別途化粧品代がかかることが多いようです。レチノイン酸軟膏はその濃度にもよりますが、2000〜1万円です。
ニキビは基本的には生活の乱れ・ストレス・食事・洗顔に気をつければある程度改善できるものです。医師にかかるだけでなく、自分の生活も振り返ってみましょう。
さて、ニキビは脂性肌のみならず乾燥肌でもおこります。剥がれやすい角質や刺激を受けやすい状態など、ニキビになりやすい条件が整っています。その他、紫外線を浴びても悪化します。皆さんよくご存じのものでは、生理前に悪化するということもあります。これは女性ホルモンの関係で、黄体ホルモンの分泌が生理前に高まり、これが皮脂の分泌を活発にするというメカニズムによるものです。ストレス、睡眠不足もホルモンバランスの崩れを起こし、ニキビを悪化させるのです。
ニキビに食事が関係することもよく知られたことだと思います。チョコレートを食べると吹き出物が出ませんか?脂分の取りすぎはもちろん皮脂の分泌を増加させます。糖分・炭水化物も摂りすぎはいけません。では、どういうものが良いのでしょうか。結局はバランスのよい食事をとることが一番です。特にビタミン類の摂取を心がけましょう。皮脂の分泌抑制にはビタミンB群(特にB6)が重要です。また、ビタミンAやCもしっかり摂って下さい。