AIR TATTOO '98 !



THE 80th ANNIVERSARY OF THE ROYAL AIR FORCE


act1;What's AIR TATTOO?

正式には THE ROYAL INTERNATIONAL AIR TATTOO といい、 毎年英国空軍フェアフォード基地(RAF FAIRFORD)で開かれている 国際的な航空ショーであり、その規模は年次で定例的に 開催されている航空ショーとしては世界最大級のものといえよう。

TATTOOというのは勿論、刺青のことではなく、軍楽演奏とか 行列行進とかいう意味でいろんな国、団体から飛行機、部隊 などが参集してくることからこう呼ばれているようだ。

そして今年1998年の大きな目玉は英国空軍創立80周年で、 さらに他のテーマとしてベルリン空輸50周年とか、 SKYWATCH'98(各国の偵察機、哨戒機の集結)があった。

さて今回私は 「大艦巨砲の旅第10回」 で述べたように 東日観光さん のパッケージツアーに参加してこのAIR TATTOO を見物に来たわけだが、このツアーの参加料金にはIATメンバー (AIR TATTOOの主催団体みたいなもの?)に登録する費用も 含まれている。このIATメンバーになることにより、 ショー当日2日間は勿論、Arrival (参加機がフェアフォード基地に飛来する日)や Departure(参加機が基地を去る日)を通じて Display Runway(滑走路)脇に特設された指定席で 見物できる。逆に言うとこのメンバーでない人は ArrivalやDepartureの日は基地に入ることはできない。

act2;Arrival (24 July)

AIR TATTOOには実に沢山の飛行機が参加するのでArrival といっても本当は火曜、水曜日くらいから始まっているそうなのだが、 なんといっても一番忙しいのはArrivalの最終日のである。 従ってツアーもこの日から見学開始にセッティングされていたのだが、 朝9時に基地に着いたときにはU-2やバックファイア (Tu-22 M3 BACKFIRE=UKRAINIAN AIR FORCE) なんかはすっかり地上の機となっていた。

会場に入るとIATメンバーの特典である「オマケ」を貰える。 今年はRAF80周年ということで"I learnt about FLYING from that!" という英空軍エピソード集みたいな本をくれた。 勿論メンバーは正式プログラムも無料で貰える。 但し、Arrivalのフライトスケジュール表は£1で有料である。

この日はIATメンバーといえども基地内を自由に 歩けるわけではなくDisplay Runway脇の特設会場での 見物しかできない。指定席といっても球場の椅子みたいな ものなのでかなりの好き者でないと1日ここでがんばるのは つらそうだ。

しかしこの日は本番日に比べると席の埋まり具合もかなり まばらなので撮影はやりやすい。 しかも本番日は地上展示しかされない機体もこの日は 飛んでくるので「飛んでいる」ところをカメラに収めたい人は この日(とDeparture)は忙しい。 私のようにたいした機材を持ってない人はあまりシャッターチャンス もないのだが次から次へと珍しい機体が目の前に降りてくるので ついついシャッターを切ってしまう。

act3;AIR TATTOO (25 & 26 July)

本番日は一般人も自由に基地に入ることができ大層な人出で賑わう。 食べ物屋を始め、お土産屋、模型屋、本屋、公式ショップ そして参加機クルーの小遣い稼ぎなど様々な出店も並ぶ。

地上展示機も膨大な数で全部見て回ると半日かかってしまう。 今年のテーマの一つ"SKYWATCH'98"にちなんで各国のP-3Cシリーズを 中心に独海軍のアトランティック(ATLANTIC)や英空軍の ニムロッド(NIMROD MR.2)など珍しい機体が並ぶ。 S-100B"Argus"というスウェーデンの早期警戒機も 特異な姿を披露しており、パンフレットも配っていた。 洋の東西を問わず(?)バックファイアは人気者で結構人だかり。 MIG21(国は失念)の青い変な迷彩が話題になっていた。

その他個人的に興味深かったのがアリゼ(BR1050 ALIZE)、 シュペルエタンダール(SUPER ETENDARD IVP/M)の仏艦載機コンビ。 クルセーダーも来てくれれば言うことなしだったのだが。 ちなみに主翼折り畳み部は肌色みたいなクリーム色(^_^)。

基本的にデモフライト予定の機体は地上展示はされないが フライトが始まる10時まではフォトバスと呼ばれる天蓋なし ダブルデッカーが駐機スペースを縫うように走ってくれる。 料金は£6だがIATメンバーは£2割引券を1枚貰える。 2階に上がったらなるべく先頭席か最後部席を陣取ったほうが 左右自由に見られるのでお勧め。 大艦巨砲主義者なら中心線射線の重要性は言わずもがなかな。

デモフライトのほうは土日とも基本的には同じプログラムだが 今年は土曜のみコンコルドが飛び、日曜のみスロバキアの アクロチーム「アルバトロスAlbatross」が演技を行った。

午前中は「SKYWATCH'98」と「ベルリン空輸50周年」 をテーマにした飛行。間にスイスのアクロチーム 「パトルイユスイス Patrouille Suisse」の演技が入る。 「ベルリン」のほうではランカスターやDC-4、 C-121”コニー”が元気なフライトを見せる。

お昼頃はポーランドアクロチームや仏アクロチーム 「パトルイユドフランス La Patrouille de France」が演技。 特に後者はカラースモークを駆使した美しいアクロ飛行であった。

午後に入ると各国現役ジェット戦闘機のデモだ。

・F-104S(伊):これが一番驚いた。運動性悪い機体かと 思っていたが一番小回り効かしてたんじゃないかな?

・F-16:これは勿論高い機動性を見せつけてた。

・MIG29:これも双発機の割にはよく回る。 エンジンから黒煙を吹いているのはご愛敬。 (数年前のAIR TATTOOで落ちたそうだ)

・MIRAGE2000:これもマルヨン同様クルクル回ってた。

・グリペン(GRIPEN):新しい機体の割にはよく動いてた。

・トーネード(TORNADO):結構動きが緩慢。うるさい。

って感じ。この他MIRAGE F1が2機編隊で見事な 機動を演技した後、荘重な(実況席がかける)BGMと ともにB-1BやB52が離陸する。

ジェット機の爆音を十分堪能したあと、お口直しに ヨルダンのアクロチームの演技が入って、いよいよ 英空軍80周年をテーマにしたフライトになる。

タイガーモス(TIGER MOTH)の大編隊がまだ英国にはこんなに 同機が残っているんだぞと誇示したあと、往年の 名戦闘機ハリケーン(HURRICANE IIC)やスピットファイア (SPITFIRE IIA,Vb,LFIXc,PR19)が離陸、編隊を組む。 またスピットファイアはいまだ衰えぬ見事な機動を披露。

さらにミーティア(METEOR NF11)、バンパイア(VAMPIRE)、 ハンター(HUNTER T7)、ナット(GNAT T1)という 英国ジェット戦闘機の傑作達が離陸し編隊飛行する。 蛇の目ファンにはたまらない組み合わせであろう。

さらにブレニム(BLENHEIM IV)やキャンベラ(CANBERRA PR9) という爆撃機が続く。 個人的には飛んでるブレニムが見られるなんて感激である。

最後はお察しのとおりハリアー(HARRIER GR7)、ジャガー(JAGUAR GR1A)、 トーネード(TORNADO F3)の現役トリオがそれぞれバリバリととぶ。 いやホント、ハリアーはうるさい。

これらの記念飛行が終わると会場正面からツカノ(TUCANO T1s) の大編隊が見事に「80」という文字の編隊を維持しながら 頭上をフライパスしていく。

いよいよ英国アクロチーム「レッドアローズ The Red Arrows」 の演技が始まる。 このページのバックグランドあるような「コンコルド」という フォーメーションを披露したり、カラースモークで大空に大きな ハートマークを描き出したり感嘆の連続である。

そして最後のトリはユーロファイター(EUROFIGHTER)。 会場左手よりレッドアローズとフォーメーションを組みながら 現れるというこ憎い演出であった。

act4;戦訓

雨の多い英国にあって天候が心配されたが、今年は全期間を通じて 曇り時々晴れで雨に濡れることはなかったが今回のように 全然降られないで済むのは珍しいほうらしい。 ただ晴れているときと曇っているときの体感温度の差が大きく 上着を着たり脱いだり忙しい。 また日差しがかなり強いので帽子、サングラスの他 日焼け止めクリームは必需品。特に耳に塗るのをお忘れなく。 「耳なし芳一」状態になりまっせ。

それに毎年出るわけではないそうなのだが、 体長3ミリ位の羽虫が異常に多く結構気持ち悪い。 カメラの中にまで入ってくるので始末が悪い。 レンズ交換時やフィルム交換時には要注意だ。

act5;Departure (27 July)

Departureの日(7月27日)は私はダックスフォード博物館のほうに いってしまったので(一応基地の入り口まではバスで行ったけど) よくわからない。

しかしこの日も基地で粘っていた人たちの話では バックファイアはこの日も飛ばなかったそうで同機の フライトシーンを狙っていた人たちは残念だったそうだ。

ただこの日も人が少なかったので撮影はしやすかったとのこと。

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Make Home Page:1998.08.08 / Updated 1998.08.08
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