第34回 2月6日の出来事(07,02,99)

 

2月4日から私はナイロビに出張に行っていたのですが、5日(土)にホテルで何気なくケニアの
新聞を見てビックリ。Ethiopia accuses Eritreaという見出しで、エリトリアがエチオピアの北部
の町(Adigrat)を爆撃したとあるじゃないですか。
始まってしまったか、まだすぐにはアジスにまでは影響はないだろうと、予定通りにナイロビの空港
に向かったところ、我々のフライトは11時過ぎにアジスからナイロビに到着。 14時半にナイロ
ビ発と黒板に書いてある。
当初の予定は10時20分発で、我々が空港にいる今は8時過ぎ。

係員に確認しても、現時点で11時着は間違いなさそうなので、とりあえずホテルに戻ることにする。
ホテルからアジスの妻にTELし、アジスのET(エチオピア航空)でアジス発の時間を確認してもらう。
9時半発とのことで、ナイロビの11時過ぎの到着は正しいであろう事がわかる。

しかし、通常であればナイロビに到着してから1時間ほどで出発するのに今日は3時間も待って14時
半と言っている。
これはきっとETの係員が黒板に書き間違ったんだろう、とこの手の対応にはアフリカの企業を全く
信用していない私は別の出張者と共に通常通りの到着から1時間で出発という前提で再度空港に向か
った。

未だに黒板には14時半の出発と書いてある。
チェックインの時に、聞いてみた。
すると、やはり正しく、理由は「ETのオペレーションの都合」とのこと。詳しく聞いても今一つ的
を得ない説明なのであきらめてゲートの方に向かった。

なぜか、やたらとET(エチオピア航空)の乗客が多く、ETの係員に詰め寄っている人が多い。

通りかかったETの係員に再度3時間も待つ理由を聞く。
「テクニカルプロブレムです。」と吐き捨てるように行って去っていく。(これにはカチンときたが、
まあ、ETにこれ以上のサービスを期待するのは期待する方が悪いので「どあほ」と背中に投げつけ
てそのままにした。)
しかし、この説明はどう考えてもおかしい。
ここで3時間留まるのはこの飛行機がまだアジスにいるときからわかっていたことだから、テクニカ
ルプロブレムならアジスで修理するやろう。(ETの技術はかなりいいはずで、アジスではなくナイ
ロビでしか治せないものは多分無いはず。)

すると、なにかきちんと説明出来ない理由があるに違いない。
朝の新聞記事との関係が連想された。

「もしかして、アジスの事態が急変して、米軍なんかが軍用機を飛ばして救出に行くのでその間は
ETの飛行機を来させるなって事かな?まさか、そんなことはないよな。」

そうこうしてるうちに、一緒にいた駐在員が、「今、前を通ったETのスチュワーデスがロンドンから
来たって言ってましたよ」と言ってきた。

「ってことは、ロンドンからアジスに向かう奴が、アジスに行けずにナイロビに来たって言うことか?
まずいんちゃう?」

「でも、今のところ、遅れてるとは言うても俺らのフライトはアジスに行くんやよな。ってことは、
とりあえずアジスの空港は問題ないと言うことか? ようわからんのう。」

空港に入ってしまうと情報が全く入ってこないし、知っているはずのETは便りにならないので、アジ
スには妻と娘がいる私は最悪の状況を想定して、妻にTELを入れて、ナイロビの状況とそこからの推測
を説明し、アジスの空港が混乱していないか、紛争の様子をチェックするように伝えた。

しばらくして、チェックの結果を聞いてみると、空港は別に混乱していないし、アジスの様子も平静
とのこと。安心はするが、更にわけがわからなくなった。

そうこうしているうちに、幾つもETの飛行機がやってきた。
「確か、飛行機って第3国同志だけを結んで飛ばれへんよな。なんで、俺らのフライト以外にETが
来んねん?」
「アジスで出来るだけ給油をしたくないんじゃないですか?」

そうこうしているうちに、14時半は当然の如く過ぎ去り、15時頃にようやく搭乗できた。
が、今度はなかなか飛ばない。
もちろん、理由の説明はない。
飛んだのは16時前。

アジスには予定より約6時間遅れて到着。

一体空港では何が起こっているんだろう? 軍用機があったりするんだろうか?と目を凝らして見て
いたが、何も見えない。 軍用機どころか、飛行機がない。 あるのはETのセスナ機が数機。

確かに、空港は混乱はしていなかった。
市内も、普段と何の変わりもない。

一機数十億円もするジェット機をつぶされたら困るからナイロビに避難させてたんやろうか。

これが、現地アジスの様子が分からずに、いろいろ思いめぐらしたとある2月の出来事でした。

 

 

 

 

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