利尻岳 Part2
<沓形コース>
翌朝は4:00に起床、パタパタと準備。5:00に見返台展望台までご主人が車で送ってくれるとのことだったが、5:00を過ぎても一向に玄関に出てこない。この日の登山者は我々を含めて7人、みんな困った顔をしていたが、ようやく「寝坊」したご主人が出てきて15分ほど遅れて宿を出発、5:30頃見返台登山口に到着した。ここで宿で用意してくれた朝食でちょっとブレイク。6:00、天気は素晴らしい!いよいよ登山開始だ!26年前の夢の実現に向かって出発だあ!(女性二人組は少し遅れて登られるとのこと。「山頂で寝てて待っててね〜」と言われる)。
最初は樹林帯の中をゆるやかに登っていく。「阿武隈の怪人」スーさんは後ろをついてきてくれる。やがて樹林の背の高さもだんだん低くなり、その合間から逆光に浮かぶ利尻岳山頂が目に入ってくる。天気が良いせいかRIKIは汗が噴出すが、スーさんは全く汗をかかない。早くも怪人ぶり発揮だ。那須・男体山とトレーニングを積んできたつもりだったが、長い時間登っていると太股の筋肉がつらくなってくる。「五葉の坂」と言われるところでブレイク、しばらくすると下の方から女性の会話が。。「げっ、登るのけっこう早いじゃん。しかも喋りながらよく登れるなあ〜」
女性二人組が到着するのと同時に我々は出発、同じような傾斜の斜面を登ってやがて避難小屋に到着。先に出発していた3人組男性が大休止していた。この3人組の中に年配の外人さんがいて(ケンタッキーのおじさんみたいな人)、我々に道を譲ろうとしてくれる。「いや〜俺らも休憩が必要なんだ、ありがとう」と英語で答える。やがて外人さんたち一行も出発。(いったい何者?)。避難小屋の中はコンクリートの床で、幅のせまいベンチがあるだけ。スーさん「ここに泊まんなくて良かったですね」「うんうん、寒そうだ」。避難小屋を出発するとすぐに礼文岩、その名の通りきれいに礼文島が見える。いや〜大海原が素晴らしく青いよ!!(でもやっぱりウニやシャケのことが頭に浮かんできてしまう)。
礼文岩にて(バックは礼文島) |
このあたりからだんだん稜線や沢がはっきりとしてくる。傾斜も急になってくる。不思議なもので傾斜が急になると歩きやすくなる。駒犬の坂、夜明かしの坂と過ぎていくうちにだんだんこの登山道が沓形稜に乗っていくことが実感できる。両脇の沢が気持ちよく見下ろせるようになってきて、気分も最高。左手に鴛泊コースの8合目「長官山」も見える。右手は沓形第2稜の稜線が美しい。振り返れば利尻の概要が手に取れるような痛快な展望だ。
沓形稜にのる。展望が良くなってくる。 |
登山道は稜線に乗ったり、斜面をトラバースしたりする。急登の数も増えてきて高度がガンガン稼げる。休憩の数は増えるが、疲れるからというよりバンダナの汗を絞るためだ。二人組みの女性も素晴らしいペースで、ちょっと小休止している間にあっという間に抜かれてしまった。相変わらずスーさんはあまり汗をかいていない。「イッキに9合目(三眺山)まで行きましょう」「OK!」筋肉はつらいが息は大丈夫だ。とはいうものの「怪人」のペースに合わせられるわけもなく、時々立ち休憩を取りながら、ようやく三眺山に到着した。途中で外人さんが木の枝の先端で頭を切ったらしく、連れの日本人が手当てをしていたが、大事には至ってないこと、救急品を持っていることを確認し先行させてもらった。
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<三眺山(9合目)>
ここから見上げる利尻岳の大岩壁がすさまじいと聞いていたが、あ〜あ残念、ガスが沸いてきて真っ白だよ。先行している女性組みの姿はない。展望がないからさっさと行ってしまったのかな?我々はここで大休止。ザックの中身を多少入れ替えたり、マメができそうだったので足にテーピングをしたりしていると、外人さん一行も到着した。頭のケガも大したことがないようだ。お互い写真を撮り合っているうちにガスがサーっと晴れてきた!おーすげ〜、これがうわさに聞いた利尻岳の迫力ある大岩壁か!う〜ん一ノ倉沢(谷川岳)を思い出すなあ。上を見上げると鋭鋒が「ひょっとしてあれがローソク岩かな?」山頂からの写真では本当にローソクのような岩峰だが、ここからはそうは見えないので真相はわからない。登山道の方を見ると女性組みが歩いているのが見える。やっぱりここで休憩を取らなかったんだ。こりゃ山頂で待ってくれるのはどうやら向こうのようだ。
三眺山にて |
<沓形コースの難所>
三眺山を出発するとすぐに「背負子投げの難所」だ。切り立った下りではあるが鎖があるのでノープロブレム。恐怖感もゼロ。ここを過ぎると短く狭い尾根の右側をトラバース。ここは沓形第3稜と仙法師第1稜の間の沢(西ノ大空沢?)の源頭部だろうか?右手は急激に沢に落ち込んでいる。「うんうん、楽しい楽しい♪」。さてそこからほどなくこのコース最大の難所「親不知・子不知」だ。このあたりは登山道が山頂の真下を大きく回り込んでいる(=沓形稜から北稜へ回り込む)箇所であり、その間の大きな沢の源頭部をトラバースするのがこの「親不知・子不知」なのである。なるほど急斜面のガレ場を横断だ。左を覗き込むと目もくらむような斜面であり、足を踏み外したら命の保障はないだろう。しかしここもフィックスロープが掛かっており、足場もたくさんあるので、浮石を踏まぬように、またロープを100%頼らずに慎重にゆっくり進めば問題はない。先行する外人さんチームはなかなか苦戦しているようだったが、我々はここもノープロブレム。ただし、今後このコースを計画される方に下記ML仲間のヒサゴさんよりの注意をよーく心して欲しい。
「鴛泊(北稜)コース合流手前の斜面(親不知子不知)のトラバースは、高所恐怖症の方や初心者にとっては相当怖いと思います。雪渓が張り付いている時期は特に危険で、過去に滑落事故もありますので行かれる方は事前に必ず情報収集を。。」
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