北 岳 (南アルプス)
無謀か!!! 無体力トレッカー、日本第二位の高峰に挑戦
その1
日本で2番目に高い山はな〜に?答えは南アルプスの北岳、3192m。「でも富士山(3776m)よりずいぶん低いなあ、やっぱ富士山はすごいんだなあ」。2001年9月3日からやっと3連休が取れた無体力トレッカーは前日(2日)の午後9:30に那須を出発、こんなばちあたりな事をぶつぶつ言いながら甲府を目指す。前線の接近によりどの天気予報も雨。「でも絶対大丈夫」と根拠の無い自信を持ったトレッカーにはどこ吹く風、ラルクを聞きながら中央道を快適にとばす。
警告!!!!真夜中の夜叉神トンネルは恐ろしいです。一人で行くもんじゃないです。RIKIも大いにビビリまくり、「こいをして〜しごとして〜れきしきざんだ、ち!きゅ!うっ!」と大声でモームス歌って無事通過。そんなこんなで広河原に午前2:30に到着。
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広河原は名前のとおりひろーいところを予想していたが、意外とせまい。そのまま車の中で仮眠をとる。目が覚めたのは6:00、だらだらと支度をしていると隣に車が滑り込む。「おはようございま〜す」中から愛想が良いご夫婦が声をかけてくれる。「今日は天気は大丈夫ですかね?」「どうですかね〜?」さすがに絶対大丈夫ですなんて他人に言えるわけも無く、そのままお先させていただく。どうせすぐ追いつかれるしぃ。
野呂川にかかる吊橋を渡る。 その向こうにはガスがかかる北岳が |
大樺沢下流(クリックすると大きくなります) | 振り向くと鳳凰山が姿を現していた |
広河原山荘でトイレを借りて、山荘脇の登山道を行く。寝不足もあり案の定10分もしないうちにくたびれてくる。那須ではドアtoドアがほとんど車の生活であり、普段あまり歩く機会が無い。あわれすっかり衰えてしまった脚力。「なになに、30分もすれば調子が出てくるさ・・」しかし1時間たってもさっぱり調子が上がらない。おいおい大丈夫かヨ、標高差1700mだぜ。もうすでにゾンビ状態、暑くはないが湿気が高く、汗ダラダラで苦しい。上を見上げる、雨の気配は無いが(ラッキー)ガスで山は見えたり隠れたり。雨具はズボンだけつける。このあと大樺沢を泣きながら登る。
ほうほうの体にてやっとこさ二俣に到着。標高2200m強。700mも登ったんだあ、と思ったのもつかの間、あと1000mもあるかと思い、気が狂いそうになる。普通の山登りだったらもう山頂だぜ、なんてグチグチいいながら、ご飯だけは嬉々として食べる。書き忘れたが広河原でお会いしたご夫婦には2時間前に追い抜かれている。
二俣にて大休止。あと1000m近くある。「普通の山ならもう着いてるぜ」 向こうに見えるのは雪渓 |
とりあえずメシ | 草すべりをヒーヒー登っていると突然バットレスが姿を見せてくれた。 |
二俣からはコースは二通りある。そのまま大樺沢を登り八本歯のコルに行くか、草すべりを尾根まで登るかである。実はコースはその時の気分で決めようと思っていた。気分は「早く小屋に着いて楽した〜い」、というわけで、草すべりを登ることにする。これがまた急登ではあるが、不思議と登りやすい。標高が上がって気温が下がったせいか、汗もあまりかかなくなる。でも寒くも無い。
足の筋肉が悲鳴をあげ出す。運動不足が露呈しはじめる。
草すべりはまだ花がたくさん咲いていた。7月〜8月はもっとすごいのだろう。至仏山以来の高山植物劇場。少し日が差してきたりする。左を向くと、バットレス!ちょっとコーフン
草すべりのお花畑地帯と鳳凰山。アルペンムードがだんだん高まってきた。 |
尾根に出た!小休止して稜線を肩の小屋目指して歩く。もうゾンビ状態をとうに通り越している。心臓バクバク、太もも悲鳴を通り越して絶叫す。10歩歩いてヒザに手をやる。心臓が破裂しそう。もう死ぬ〜死ぬ〜。息を整えるのに時間がかかる。さすがは3000m級の高山だ。
稜線を歩くこと30分、やっと小屋が見えた。途中一ヶ所岩場登りの急登には参った。今日はもう登らなくていいんだ・・心底こう思ったのは初めてだ。
やっとついたぜ小太郎尾根 | おー北岳がもう射程距離だ!! | やっと着いたよ肩の小屋。今日はもう登らなくていいぞ!! |
ここは標高3000m、展望は最高。ガスにまみれる南アルプスが幻想的で美しい。甲斐駒、仙丈岳が出迎えてくれる。全くのピーカンよりよっぽど感動的。苦しんだ甲斐があった。
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