磐梯山(1819m)

裏表が激しい「宝の山」は裏ルートが正解!


Part 1


何を隠そう那須からは会津もすぐそこだ(また同じセリフかよ〜)。意識しなくてもつい意識してしまう「百名山」、会津には有名な「磐梯山」というおいしい百名山が今か今かと無体力トレッカーのお出ましを待っていたのであった。郡山から磐越自動車道を下り、いくつかのトンネルを抜けると突然ドカーンと磐梯山が出迎えてくれる。猪苗代湖と磐梯山は切っても切れないコンビではあるが、あえてこの日は「裏磐梯」からアプローチする。表(猪苗代側)から見ると端正な山ではあるが、裏に回ればその迫力に圧倒される。本当に同じ山かよ〜?というほど裏表が激しい山だ。今回は「裏」の爆裂火口の壁面をよじ登るルートを選択したが、まさにこれが大正解で、磐梯山の魅力を120%堪能することができた。


表は端正な山
裏はこのとおり。



<日時>
2002年5月29日(水)

<コース&たいむ>
裏磐梯高原ホテル(6:10) → (林道歩き) → 裏磐梯スキー場 →(ゲレンデを登る) → (火口壁を登る) → 稜線 → (9:50)弘法清水(10:10) → (10:30)磐梯山頂 → 中ノ湯跡 → 銅沼 → スキー場 → (15:00)ホテル着

<標高差>
975m(けっこうあるな〜)



当初は裏磐梯スキー場の駐車場に車を止めるつもりであったが、スキー場への林道の入り口が除雪車で「とおせんぼ」(しかもご丁寧に2台で)。ぜったい通さないぞ!という強い意志に気合負けし、「へいへい」と仕方なく裏磐梯高原ホテルの駐車場に止める。これで往復1時間の林道歩きを余儀なくされる。スキー場で靴ひもを締めなおし、トコトコと出発。
2本目のリフトのトップで道は二つに分かれる。リフトの真上方向は
「銅沼(あかぬま)」経由の道、火口壁へは山に向かってゲレンデの左側を登り、途中から「火口方面(だったかな)」と標識に書かれた登山道に入る。

スキー場をテクテク登る 振り向けば桧原湖



平坦な新緑の樹林帯をしばらく進むと、荒涼とした火口原に出る。改めて見上げる磐梯山の爆裂火口壁に圧倒される。言葉では言い表せない荒々しさだ。あんなとこ登れんのかな〜?岩がゴロゴロしたところをしばらく進んでいるとコースに迷ってしまった。途中でマークを見落としたようだ。火口壁への取り付き場所を地形図で確認し、ざれた岩場をその方向へ歩く。どうやら登山道は山に向かってもっと左側をトレースしていたようだ。火口原を横切って、火口壁への取り付き場所を無事発見する。今日は25000/1の地形図を持ってきてよかった。市販の登山地図ではもっと迷っていただろう。
しばらく休憩してホケーっとしていると、遠くで「ゴロゴロ」「がらがらがらっ」という
落石の不気味な音!気がつくと間をおかずにあちこちで音がしている。巨大なボールの中のような場所なので音にエコーがかかっており、また一人なので恐怖感が余計増幅する。本当に不気味。


火口原と荒々しい火口壁。まるで「あの世」。
近づくと落石の音が3Dライヴだ。
火口壁の登山道。危険感は小。
鎖の代わりにこのような手すりが


この登山道は高度がどんどん稼げて痛快だ。左右は火口壁が迫力を持って迫ってくる。振り向けば桧原湖や遠く吾妻山の展望がだんだん素晴らしい。帰りに通る銅沼も神秘的な色をしているのがはっきり見える。この火口壁登山道は絶対オススメ(ファミリー向けではないが)。ああ、北アルプスの横尾尾根を思い出すなあ〜。超スーパーだぜ。


こんなスーパーな風景を見ながらの痛快登山となる。
実際はこの数倍の感動的な光景がもっと下まで展開する。



太ももが悲鳴をあげそうになる頃、ようやく爆裂火口壁の上部稜線に到着する。この地点で標高1457m、頂上はまだまだ上だ。しかし、ここからの火口壁の稜線歩きはスバらしいアルペンモード。叫びたいほどの光景が展開する。右手はすさまじい爆裂火口、左手は穏やかな沼ノ平の心落ち着く高原が素晴らしい対照をなす。

火口壁稜線に到達。
山頂はまだまだ。
こんなところを歩く
足を踏み外せば・・



次ページに続く


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