安達太良山(福島県 1700m)

ほんとの空とほんとの紅葉



その1


那須に単身赴任して以来、単独行が続くつまらな〜い日々であったが、冗談混じりに会社の女の子に「あした山行かな〜い?」の誘いに、なんと二人が「いくいく!」との予想外の反応、まるで遠足前の小学生のように前夜ウキウキと準備をする無体力トレッカーであった。


日 時:2001年10月15日
メンバー:女2、男1
コース:

ロープウェイ駅 9:30 〜 11:30 安達太良山頂 〜 矢筈森 〜 峰の辻 〜 くろがね小屋 〜 勢至平 〜 16:30 駐車場

温泉:塩沢温泉(very good)



ヤマケイから発刊されている「空撮・日本百名山」に紹介されている安達太良山の写真は爆裂火口「沼ノ平」のものだ。仕事で何度も安達太良を訪れているが、この山にこんな激しい日本離れした場所があることはその写真を見るまでは全く知らず、本当にびっくりしたものだ。当初は単独で会津・沼尻スキー場側から、この沼ノ平を一周するコースを考えていたが(沼ノ平の中を通過するコースは立ち入り禁止)、急遽初心者ふたりをつれての山行となったため、無体力らしく安達太良スキー場のゴンドラを利用する一般コースをたどることとなった。(と長い言い訳)


ゴンドラリフトを降り
て、はしゃぐ二人
お〜山頂が見えるぞ!


那須役場と白河市内で待ち合わせ、高速で二本松へ。なぜか朝からノリノリの3人、モームスを聞きながらスキー場を目指す。気分は小学生の遠足並み。郡山を過ぎると「おー見えてきた」「わーあれが安達太良山なの〜?」。山頂部に雲がかかっているものの超高気圧モードのドピーカンのほんとの空に心踊るのであった。スキー場付近は紅葉が始まりかけている。ゴンドラに乗ると遠く鉄山の尾根が素晴らしく色づいているのがわかる。


ゴンドラを降りて登山開始、しばらく行くと道がぬかるみのドロドロ状態に3人ともスパッツを装着。この状態は五葉松平まで続く。さすが紅葉シーズンの百名山、平日にもかかわらずたくさんのハイカーで登山道は行列状態。1時間も歩かないうちに五葉松平に到着。


五葉松平で一気に展望が広がる。安達太良山頂(乳首と呼ばれる)も手に届く範囲だ。遠くに槍ヶ岳みたいな矢筈森鉄山の黒々とした姿も見渡せる。なだらかな稜線上は美しい紅葉だ。

五葉松平からの展望。左上が安達太良山頂部。
遠くに鉄山、矢筈森(槍ヶ岳みたい)の姿も
ノリノリ3人組とほんとの空。
(五葉松平にて)



空は快晴、「これが『ほんとの空』かあ、那須と変わんないゾ」なんて、高村光太郎が聞いたら殴られそうなことをつぶやく。でもほんとの空はほんとに美しい。


五葉松平を過ぎてしばらく行くと森林限界も超え、アルペンムードが高まる。頂上まではあとわずかだ。ノリノリムードも一気にヒートアップ。ガンガン写真を撮りながらワイワイ登っているうちに頂上の岩塊直下に到着。ザックを置いてさらに岩塊をよじ登ると標高1700mの安達太良山頂だ!!


もう少しだ!! あの岩塊が頂上 頂上とうちゃく〜
おめでとう!



噂通りの大展望だ〜。吾妻山、磐梯山はあたりまえ、遠く女峰、太郎山などの日光連山、燧ヶ岳会津駒ケ岳、そしておおお〜那須連山も見えてるぞ。


安達太良山頂よりの展望(磐梯山方面)



女性陣も大満足!山頂にはコーギーに似たワンちゃんも登頂に成功している。なんだかんだ山頂でキャッキャ騒いだ後、直下の広場で食事をとることにする。いつもは寂しく一人で食べるのだが、今日はまるで遠足、しかもお弁当つき。もう単独行やめた。


ワンちゃんも登頂成功 お弁当タイム
いつもとちょっと違う
百名山ゲットだぜ


岳温泉方面からガスが沸いてきて少し寒くなってくる。食事を終えて牛の背矢筈森方面へ、いよいよ楽しみにしていた爆裂火口・沼ノ平が見られるゾ。矢筈森は決して森ではない、稜線上の岩峰をこう呼んでいる。方向によっていろんな形を見せ面白い。
沼ノ平を見下ろす。「こんな場所が日本にあったのか」。月世界のようだというのはあながち大げさではない。とてもとても深い感銘を受ける。


牛の背を行く
(クリックで大きくなります)
相変わらずノリノリ
(バックは安達太良山頂)
ノリノリ軍団もこの光景
には絶句(沼ノ平)


いや〜本当にすごい!写真では限界があることを知りながらさかんにシャッターを押すRIKI。また絶対見にくるぞと心に誓う。


爆裂火口跡・沼ノ平。明治時代に大爆発を起こしたらしい。
中央部から噴煙が噴出しているのが見えた。
写真では限界あり、ぜひ一度実物を。



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