乗鞍岳(3026m)

幼稚園児でも登れる3000m峰



乗鞍には颯爽とした感じがある。・・
変化のある風景と情趣とは、この山においては無尽である。(深田久弥)


夏になりセミが鳴き出せばアルプスに行きたくなる。これを山好きのパブロフの犬状態と言う。(え?)
本格的な山行は8月後半から9月と決めているので、今回はお手軽に3000mの頂を楽しめる乗鞍に出かけることにした。冒頭に「幼稚園児でも」と書いたが、もちろん子供連れの場合は慎重に、かつもしもの場合を想定して用意周到を心がけるべし。
乗鞍は高校生の時に修学旅行で走って登った山(若かったな〜)。あのときは頂上から富士山が小さく見えた(目が良かったな〜)。あの頃のことが果たしてフラッシュバックするか?


<日時>
2005年7月30日(土)

<アプローチ>
大阪・難波から「さわやか信州号」で乗鞍観光センタまで。そこから山頂(畳平)行きバスに乗り換える。

<コース>
・畳平 → 肩ノ小屋 → 剣ヶ峰(往復3時間)
・休暇村 → 牛留池 → (口笛の小径) → 
一ノ瀬園地(トレッキング2時間) → 鈴蘭



さてさて事前の天気予報は×。全国的に前線の影響で雨模様の予報である。しかし「さわやか信州号」が塩尻を通過するあたりで、窓の外を見てみるとなんと外はピーカンの良い天気ではないか!ホントに自分の晴れ男ぶりに空恐ろしくなってくる。観光センターに6:30に到着、山頂(畳平)行きは7:00の出発で、約1時間で標高2700mの畳平に到着する。途中「肩ノ小屋」のバス停では夏スキーヤーが数名降りていく。畳平は昔来たことがあるはずなのに全く当時の記憶がなく、まるで初めて来たところのよう。お土産屋さんに「おやき」「ビール」と書かれてある張り紙を見て、そんな事はどうでもよくなり、はやくも心躍る無体力トレッカーであった。


畳平より山頂への路(お花畑) ロマンあふれる頂上部の光景



畳平よりお花畑の道へいったん下っていく。名前は分からないが白い花(ノリクラシロハナと勝手に命名)、コマクサ(あとでイワカガミと判明)などが咲き誇っていた。林道に上がり、不消ヶ池(きえずがいけ)を横目にしばらく水平道を歩くと肩ノ小屋に到着。ここから剣ヶ峰(最高峰3026m)への登りが始まる。


水平動から望む剣ヶ峰 登山者が列をなす


ようやく本格的な登山道、関西弁の高校生の団体で賑わっている。頂上はガスがかかったり、姿を現したり、果たして頂上に到着したら景色はどうかなあ??しかし、高校生の時の記憶は全くないぞよ。あの時は体力にまかせて先を争って登ったので周りの景色を楽しむ余裕も無かったのかな?風がだんだん強くなってきた。この風が雲を作っているのだ。当初は天気は全く期待していなかっただけに、これで文句を言ったらバチがあたる。だんだん肌寒くなってくるころ、山頂の祠が見えまもなく剣ヶ峰に到着。


振り返って見る肩ノ小屋とコロナ観測所 頂上からの権現池



山頂到着直後はガスで何も見えなかったが、しばらくすると太陽が頭上から光を差し始め、やがてまわりの景色が見え出してきた。(ラッキー)
中央アルプス方面はよく晴れわたっているが、穂高や反対側の御岳は雲の中。しかし今まで登ってきた道や目の前の権現池はブルーと明るい緑色の高山らしい素晴らしいコントラストで目を楽しませてくれるのである。やっぱ夏のアルプスはいいなあ。


山頂の祠で風を避けようとしたら、中で仙人みたいな人が御守りとか売っていたのにはたまげた。しばらく景色を楽しんで、だんだん寒くなってきたので下山することにする。往路を戻るが同じ場所でも反対側から見ると景色も新鮮であることを、この前行った「芦生の森」でもそうだったが、あらためて認識する。


帰路での不消(きえず)ヶ池 雪塊が浮かぶ


畳平に戻り、さっそく「おやき」(野沢菜バージョン)とビールで昼食。これがまたうまいのなんのって!!!!一気に幸せな気分に酔いしれる。♪
帰りのバスでは時間もまだたっぷりあったので、牛留池から一ノ瀬園地まで「口笛の小径」をトレッキングがしたくなり、休暇村で途中下車する。ここで何気なしに食した「抹茶アイス」は濃厚で、とってもナイスであった。♪ 休暇村からは美しい白樺林を楽しみながらの一ノ瀬園地まで素晴らしいハイキングを楽しむ。


牛留池と乗鞍岳 美しい白樺林 のびやかな一ノ瀬園地



鈴蘭に戻って温泉宿に一泊し、すっかりリフレッシュして帰路についた。(帰りは松本までバス、松本からは特急「しなの」で名古屋へ、名古屋からは新幹線) 
やっぱり夏のアルプスは最高で、高校生の時の思い出がどうのこうのは全くどうでも良いのであった。


おわり



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