白 山 (2702m)


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霊峰の絶頂を極めた時、あたりは一面の雲海に満たされ、厳かな温かなその気の
恩恵に自分も与りたく、思わず神の陽光を全身いっぱいに浴びせ任せた。(RIKI)


日本三名山(三霊山)のひとつ、白山。この加賀の地にある名峰は日本では富士、アルプス、八ヶ岳に次ぐ高峰である。名前の単純さ、素朴さから子供の頃から知っていたこの名峰に登らせてもらうのは、まことに名誉なことである。
梅雨の直前は絶好の「残雪歩き」の時期。白山はその標高からうってつけなのである。(去年の立山は素晴らしかった)。下界は初夏でも2700mの山の上は冬。案内を見るに山荘はシュラフ持参とのこと。ザックに防寒着とアイゼンも詰め込んで、さあ出発だあ。


2005年6月4日〜5日(土・日)

(コース)
 <初日>
  別当出合(9:30) ⇒ (砂防新道) ⇒ 甚乃助小屋
  ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ (17:30)室堂(泊) 
 <2日目>
  室堂 ⇒ 御前峰(白山最高峰) ⇒ お池めぐり
  ⇒ 室堂 ⇒ 往路を戻る

(標高差)
 1450mくらい。



「土日はメチャメチャ暇」なメンバー。おーちゃんと近くの旅行会社のおーさん、それとRIKIの3名で日本三名山の白山に登りにいく。おーさんとRIKIは大阪から車で夜通し向かう。おーちゃんは東京に転勤になってしまったので、金曜の夜から夜行で金沢まで来る。本当にメチャメチャ暇である。金沢駅でおーちゃんをピックアップした後、登山口の別当出合に行く。この季節はここまで車で入れるのだ。
6月とは言えども、高山はまだ残雪の季節、みなアイゼン持参で冬山支度なのである。

別当出合の駐車場から休憩舎がある登山口まででバテてしまうRIKI、先が思いやられるのであった。


別当出合。暇な3名はやる気マンマン つり橋の上で「ふぉ〜」



9:30に出発。まずは砂防新道を中飯場を目指す。ガイドブックには「登りは砂防新道、下りは観光新道」って書いてあるのでその通りに行動する素直な一行であった。つり橋を渡って(結構高さがあってビビる)、山道に入ると新緑がとってもビューティフォー。遠くの山肌の残雪もビューティフォー、想定どおりの展開である。中飯場までほぼコースタイムで到着。天気はうす曇。
休憩していると隣の登山者がミニトマトをうまそうに食っている。おーちゃんが「おいしそうですね」と声を掛けるとひとつずつ分けてくれた。ついでに焼いたウィンナーも頂戴する。おーちゃんは物乞いが上手だ。
すんごく休憩したあと、重いザックを担ぎ今度は甚乃助小屋を目指して登り始める。ほどなくして雪が現れる。「おー出た出た」はしゃぐ三暇人。雪はすぐ消えたが、まもなくしてまた雪。登る毎に雪の出現頻度が高くなり、そして完全な雪道となる。「ありゃりゃ、結構雪が多いよ」想定外の展開になってくる。


新緑きれい 中飯場。遠くに不動滝が見える 早くも雪山になった。想定外



雪で足が取られ(まだアイゼンは装着してない)、すごく疲れる。足の付け根に負荷が来る。足取り重く、休憩も多くなる。冬山支度でザックも重いので一向に前に進まないのである。甚乃助小屋にやっとのことで到着して昼食をとる。ガスでだんだん空気がどんよりしている。時折日が差したり雨が降ったり変わりやすい天気だ。しばし休憩の後いよいよ黒ボコ岩に向けて出発する。アイゼン装着。しばらくはなだらかな雪の斜面だが、だんだん傾斜がきつくなる。樹木の背も低くなり、だんだん高山っぽい雰囲気になってくる。情報は取っていたが、こんなに雪が残っているとは!!急斜面のトラバース(とっても危険)をいくつか過ぎると、いよいよ黒ボコ岩へ向かって別当谷の源頭部の急斜を詰める。


別当谷源頭部を詰める。みんな冬山の格好。



本日の最大の難所を過ぎると黒ボコ岩に到着。ここから突然世界が変わり、弥陀ヶ原の大平原となる。普通の年であれば雪が現れるのはここからで、大感動!となるらしいが、我々はとっくの前から冬山なので、「ああ、雪歩きがまだまだやな〜」とちょっと消沈するのであった。それにしてもこの季節にこんな大雪原は素晴らしいことに変わりはない。大雪原を横断して、五葉坂をもう一登りで室堂に到着(これがなかなか着かない)。今日はここまで。さっそく宿泊の手続きを済ませる。時間は17:30。アホみたいに休憩ばっかしてたので、コースタイムの倍近くかかってしまった。きれいな小屋には20名くらいが先着しており、食事を摂ったり、酒盛りしている。さっそく我々も持ち寄ったウィスキーとつまみで腹をみたすのであった。みな雪歩きで身体がヘトヘトなので、18:00には横になる。昨晩からの睡眠不足もあってそのままみな寝入ってしまった。


弥陀ヶ原の大雪原 山小屋風居酒屋(じゃないよ)



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