白 山 (2702m)


page 2


2005年6月4日〜5日(土・日)


「匐松と高山植物に覆われた頂上には幾つかの
旧火口があって、そこには紺青の水が湛えられ
それに配する雪渓や岩の布置が、天然の庭園
のような趣である。」(深田久弥)



朝4:00に目が覚めたが身体がダルイ。また寝る。ほかの二人も微動だにしない。屍のように寝ている。
4:30に目が覚めたが、ダルイ。
5:00に目が覚めたが、まだダルイ。だけど起きる。二人の足をたたいて起こす。昨夜は寒かった。シュラフが無いと凍えてしまうほど。食事をとって、アイゼンはめて、水を補給して、さあ頂上を目指すぞ!!空はピーカンだ。


山荘の目の前にそびえる御前峰、白山の最高峰だ。6:00に出発。やや凍った雪原を横切って、斜面を登る。ここは石段になっていてとても整備されている。せっかくつけたアイゼンもジャマなのではずす。40分も登ると、祠が見え、山頂に到着!!すごっ!メチャメチャ絶景ではないですか!!

室堂山荘での日の出 「土日はメチャ暇な」3名、山頂に立つ



眼下に広がる雲海がすごいのである。陽光がふりそそぎ、まるでここが極楽浄土の趣き。昔の信仰登山の人はこういう景色を望んで、天上の思いをしたのであろう。雲海の向こうに槍ヶ岳や穂高が見える。その横には乗鞍、ちょと間をおいて御岳が雲海に浮かんでいる。振り返ると室堂・弥陀ヶ原・別山が美しい。実に神々しいのである。下界で薄汚れた身体がみるみるきれいになっていく気がするのである。(ウソつけ)


雲海。遠くに北アルプス 振り返ると室堂、別山がきれい



しばし山頂でたたずんだあと、お池めぐりコースに出る。御前峰を火口方面に急斜面を降りる。雪のためルートが不鮮明、下のほうにわずかにルートが見えるのでそこを目標に雪面を下る。危険な斜面をなんとか降りきったところが血ノ池。水の色は、ドロドロした名前と違って青く美しい。ここからはコースはまったく雪でわからず、地図の等高線と景色を頼りにルートファインディングしていく。

バックが御前峰。反対側が室堂になる。



途中何度かコースがわからなくなったが、慎重に等高線と景色を見比べる。今回は簡単な登山地図だけでOKだが、マジな話し、本格的な雪の時期は25千分の1の地図とコンパスは必携だ。(GPS欲しいなあ。高いもんなあ)
雪渓を「シリセード」できゃっきゃ言いながら下ったりする。久々のシリセード。一人ではしゃいでバカみたいなのである。あんまり下ってしまうと室堂への巻き道を見失うのが怖い。2時間ほど山上庭園(雪園)を楽しんで室堂へ無事戻る。


血ノ池。他の池は全部雪に埋もれる 大雪原を室堂へ戻る



室堂へ戻ってしばらくして、下山にかかる。山荘のにいちゃんが「この時期はガイドブックと反対で、のぼりは観光新道、下りは砂防新道が正解。雪の観光新道の下りは危険」と言っていたので、時間も短い砂防新道を下山する(つまり往路を戻る)。実にオリコウなようだが楽な方を選んだだけである。
ついでにこのにいちゃん、「ああ、ビール飲みて〜! ビール1ケース担いで来てくれたら、4、5人はタダで泊めますよ」と言っていた。その気持ちはよーくわかる。


左:おそるおそる雪渓を下って下山。
右:こんな危険なトラバースが何箇所も
   あるので慎重にね。



下りは早い。9:00頃室堂を出発して、12:00すぎに別当出合に到着。雲海の下は天気が悪い。途中すれ違う登山者に「上はすごい良い天気ですよ」と声をかけて励ましてあげる。

おーちゃんは小松から飛行機で帰る。空港の途中の年金の温泉施設によって一風呂あび、小松空港で海鮮ドンブリを食べる。おーちゃんを見送り、我々は高速で大阪に戻った。さすがに前夜は11時間も寝ていたので、月曜日以降、筋肉痛以外は体調は良くなっていた。睡眠は大事なのを再認識、たまにはバク睡しよう。


ちなみにRIKIの靴(ドロミテ)は今回で引退となった。長い間ごくろうさま。


つり橋は帰りはこうなっていた


おわり


 単独登山へ |遊びの記録へ