立 山 (雄山3003m,大汝山3015m)


「お山まいりの立山は消え、登山の対象としての立山も消え、
一途に繁華な山上遊園地化に進んでいるふうにみえる。」(深田久弥)



「日本百名山」で深田先生は冒頭のような苦言を呈せられてはいる。しかし、この天下の名峰へのアプローチが格段に良くなったことにより、より多くのハイカーが山の素晴らしさを、3000m級を擁する雲上の世界を、ふとしたきっかけで日常のちょっとした延長線上で接する機会が増え、その結果もっとこの世界を掘り下げてみたい、もっと感動を味わってみたいという、歓迎すべき人間も多く誕生する契機となっているのではないだろうか?
山上遊園地化により自然破壊やゴミが増加するのは私としてもご勘弁願いたいが、そうでなければ山の素晴らしさを一人でも多くの人に味わってもらいたいものだと思う。
自然破壊を行っているのは穿った見方をすれば、ベテランを吹聴するエセ登山者に時々見かけるのは私だけだろうか?こういった人間が「こんな良いところには登山者だけのものにしておきたい」と言うのは、暗く、そして醜いエゴそのものだ。



2004年7月4日(日)

(交通)
大阪駅から夜行急行で富山、そこから地鉄、ケーブ
ルカー、バスで室堂(8:00前着)

(コース)
室堂(8:00) ⇒ 一ノ越 ⇒ (10:30)雄山 ⇒ 大汝山往復
⇒ 往路を戻る

(標高差)
630m(累積)くらい。



私と会社のO君に「土日はメチャメチャ暇」な友達が増えた。近くの旅行会社のOさんである。これからは紛らわしいので、おーちゃん、おーさんと表記する。それに最近登山に興味を持ち始めた中国・大連出身のキョちゃん(六甲経験済み)も加わって、土曜日の夜行で立山に行くことにした。

おーちゃんとおーさんは、会社の私設山岳会「チームよしどん」が主催する、「北アルプス・表銀座コース」で槍ヶ岳に8月に出陣予定ということもあり、まずは北アルプスの素晴らしさの一端に触れてもらおうと、梅雨の合間の好天を縫って立山行きを強行した。また、3000m級の山と普通の山の違いも経験してもらいたかったのである。
*通常気温は100mで約0.6℃下がる。3000mで▲18℃。下界で気温30℃の場合、立山山頂では理論上12℃。これは冬の都市部の昼間の気温と等しい。

無論、RIKIの百名山の数稼ぎのためでもある。(非難ごうごう?)


大阪発夜行急行「きたぐに」 翌朝には快晴の室堂に立てる



大阪駅に全員集合、23時30分発の夜行急行「きたぐに」で一路・富山へ。そこからのんびりと室堂を目指す。7時半には室堂に到着、まわりの山をあれこれ説明しながら、8時に立山に向けて歩き始める。去年頑張った釼岳も異様な顔を覗かせる。
梅雨の最中でもあり、週間天気予報では今日はあまり良い予報ではなかったが、到着してみると快晴!相変わらずの晴れ男ぶりに自分でもあきれる。予想通り残雪も多い。予想通り標高2400m強の朝の室堂は肌寒い。


7月の雪を見て最初は皆よろこぶ。
雪合戦などをするありさまであった



「一ノ越まで走れば30分やで〜」 Mr.点線の御仁の声を思い出す。しかし、すべての沢に残る雪渓で足元を取られる。と言っても本気で走るつもり無いけどぉ。。見上げると逆光に黒く浮かび上がる立山がどんどん近づいてくる。雪渓のまぶしさと、空の青さが素晴らしいコントラストだ。雪渓はおよそ7,8ヶ所あり、高所ということもあって足を取られ息が切れる。程なく一ノ越に到着。


雪渓を横断。クリックで拡大します 傾斜はゆるやかだが息が切れる 一ノ越にて記念撮影


7月初旬にしか見られない(と思う)雪の造形美!



一ノ越に到着すると黒部側が一望だ。「わお〜!」北アルプスの役者が勢ぞろいだ!遠く槍・穂高連峰も、ひときわ高い姿を誇らしげに見せている。大休止しながら、これから取り付く雄山への急斜を見上げる。平均斜度は30度近くありそうだ。みんなここからが正念場だぞ。


一ノ越からの急斜面。
上から見るとこんな。
ザレた急登を雄山に向けて登る。
なかなか近づかない雄山神社



高度を上げるたびに景色が変わってくる(当たり前だが)。雪と山肌が織りなす造形美がさらにあらわになってくる。斜面の厳しさと空気の希薄さもあり、一歩一歩が重い。水をたくさん詰めすぎザックを重くしたおーちゃんのペースが上がらない。景色を励みに皆がんばる。


遠くに薬師岳、黒部五郎。手前は龍王岳 室堂平を見下ろす。この素晴らしき造形美!



しかし暑いなあ〜、100mで0.6℃はどうなったんだよ〜〜。まるで梅雨明けしたようなギラついた太陽が容赦なく照りつける。ふうふう言いながら登り続け、10:30頃ようやく雄山に到着した。最高峰ではないが雄山には神社があり、一応ここが立山の頂上とされている。標高3000mを超えるには、お札を買って、下の写真にある岩峰の社殿(3003m)に登らなければならない。せっかくだから皆でお祓いを受けることにする。


3003mの雄山神社社殿。遠くに後立山連峰。 お祓い後の記念撮影。



腹減った〜、担ぎ上げた水でカップラーメンを作る。食べ終わって、おーさんの弁「これまで食べたカップラーメンで一番うまかった!」ついでにコーヒーも。それにしても暑いなぁ〜、登ってきた人はみんな社殿の陰でメシを食っている。

さあ、腹ごしらえは終了。せっかくだから立山最高峰の大汝山(3015m)に行くこととする。片道20分ほどなので、ザックはここにデポする。さあ、めったに経験できない3000m稜線の雲上漫歩だ!(といっても雲はない)


ザレた道を一度大きく下って、再度少し登り返すと岩頭の大汝山に到着する。

左:大汝山、右:最高点で皆くつろぐ



くつろぐ皆の横でひそかに興奮するRIKI。そう北アルプスの大スターたちが360度展開しているのだ。目の前に針ノ木岳のするどい山容、その下には黒部ダムが!!
爺ヶ岳・鹿島槍・五竜・白馬etcの後立山連峰、目を右に移すと遠くには水晶岳、槍・穂高、もっと遠くには乗鞍の姿も確認できる。Oh〜ファンタスティック!




そして最後に無体力トレッカーが指差す山は!(車掌か、俺は)


昨年9月に登らせて頂いた、「雪と岩の殿堂」・釼岳が相変わらずその異様な姿を、誇らしげに現していた。
釼岳の記録は⇒コチラ



すぐにまた雄山に戻り、軽くなったザックをピックアップして、ザレた急斜面を恐る恐る一ノ越まで下る。雪渓を何度も越えて室堂に戻り、それからまたバス・ケーブルカー、電車を乗り継いで富山駅へ(時間がかかり、かったるい)。銭湯に入り、特急サンダーバード内でビールとブリ寿司で夕食、心地よい眠りにzzzzz。(キョちゃんは「顔が、顔が!!!日焼け!日焼け!」と最後まで大騒ぎ。)

皆、北アルプスの素晴らしさ、3000m級の山の素晴らしさを十分堪能してくれただろうか?(天気良すぎて、ちょっと勘違いしたかも)ぜひ、おーさんとおーちゃんには表銀座を楽しんできてもらいたい。

特急が大阪駅に滑り込んだのは夜も11時を過ぎていた。明日からまた仕事やと言うのに、ようやるわ。でも良かった!


おわり


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