那須通信 11
無体力トレッカーの雪山登山
2002年3月4日(月)
登山家は言う「冬山こそ究極の山岳美」と・・・でも素人にはなかなか冬山は難しい。那須も冬は厳しく、この時期単独で山頂を目指すには高気圧が日本を覆うドピーカンの日じゃないとダメ。というのは季節風が少しでもふくと、清水平付近でガスに巻かれ方向が全くわからなくなるためだ。かつ前の晩はしんしんと冷え込めば雪も締まり歩きやすい。虎視眈々とその日を狙っていたが、ようやく4日にそのチャンスが来た。気温もスキー場で前夜マイナス10度まで下がった。
朝、簡単に仕事を済ませ、10時半にMt.JEANSスキー場のゴンドラに乗車。ゴンドラを降りてから中の大倉尾根の登山道までシロヤシオツツジ(=那須の五葉ツツジ、内親王愛子様の御印)の群生地を突破する。積雪1m。
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中の大倉尾根は積雪でどこ歩いてOK状態。はっきりした尾根なので あまり迷わないだろうと思ったが、やっぱり一回迷ってしまった。 |
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無雪期の尾根の登山道は「えぐれて」いるらしいが、今は全部雪の下。雪も締まっていてラッセルも無く歩きやすい。アイゼンもストックも不要。
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視界の上半分は青、下半分は白、朝日岳の鋭鋒、ヨーロッパアルプスの山岳写真集のような世界に酔いしれる。こんな美しいものホント見ちゃってもいいの?左手に純白の茶臼岳や朝日岳。水蒸気が凍るため茶臼岳の噴煙は冬は特に迫力がある。
並び立つ両雄。クリックで拡大 |
スダレ山まで這い上がり、後ろを振り返ると登ってきた尾根が良く見える。山スキーヤーには最高のゲレンデだ。遠くに猪苗代湖、磐梯山、安達太良山も見える最高の日。ちなみにこのスダレ山や隣の前岳は三本槍とよく間違えられる山。みんな気づいたときにガッカリするらしい。
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清水平到着。雪の上にハイマツがチョロチョロ顔を出している。積雪3mほどだろうか?夏の時とは全く印象が違う感動的な白い平原に変わっている。湿原もハイマツも登山道もみーんな雪の下で、その上を自由に歩きまわれると思うとなんとなく愉快だ。360度究極の山岳美。
清水平。無雪期とは別世界だ。右の山が那須の最高峰・三本槍岳 |
ただし、ここは一回ガスに巻かれると全く方向がわからなくなる、ということがよーく実感できる場所だ。8年前に死亡事故もおきている。等圧線が少しでも混んでいる日は絶対に入り込まないこと。
左の鋭鋒は朝日岳、その向こうに茶臼岳。中央のピラミッドは熊見曽根。 |
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さすがに下りはアイゼンを装着、時々シリセードを楽しみ、同じ道をスキー場まで戻る。ゴンドラの駅舎には15:30に到着した。
おわり