マシンのパワーを計る
このページは作者が思ったり感じたりした事を書いております。

真似をして出来なかったり事故等になっても責任は取れません。
この事を理解された方のみお読みください。

ある日知り合いからパワー測定結果の紙を見せられました。
測定結果は速度と馬力のグラフでした。
遠くまで行って計測して来たらしいです。
でも、何の為に測定したんでしょうか?。レースの為でも無いみたいだし.....。

馬力の測定なら他にも有るのに.....と思ったので.....。

馬力の測定方法

1 エンジンテスト台での測定
2 シャーシーダイナモでの測定
3 マシンの実タイム測定からの計算



解 説

1 エンジンテスト台での測定
  そのまんまですがエンジンに負荷をかけてトルク
  を測定しその時の回転数から計算して出てくるの
  が馬力。


2 シャーシーダイナモによる測定
  最近はこの方法がメジャーです。
  負荷の掛かったローラーを実際の車が駆動して測
  定する方法です。


3 加速タイムから計算で算出
  車の車重を測って、その車が加速する時間から馬
  力を計算する方法です。
  実際の車を加速させるのでシャーシーダイナモで
  の測定よりは低くでてしまいます。





パワーとトルク

    
パワー(PS) =  2Π × 回転数 × トルク    
            60   ×   75

         = 回転数(rpm) ×  トルク    
                     716

つまり、パワーはトルクとその時の回転数に比例して大きくなります。

車の加速度は
 
加速度 = 余裕駆動力 × 重力加速度 ÷ ( 重量 + 慣性相当重量)

で求められます。

ここでの重量は
乾燥重量+ガソリン重量+ドライバーの体重 =1256Kg

の時、3速ギヤの慣性相当重量は車重の20%とすると、
1256 × 0.20Kg = 251Kg
となる。
その時の加速度は

                         
加速度=330.5(Kg) ×9.8(
m/s)÷(1256 + 251) = 2.15 /S
である。

つまり 3秒後には 2.15 + 2.15 +2.15 =6.45
/S
まで加速する事になります。

その時のGは

  G = 2.15 / 9.8 = 0.219

となります。

と、色んな数値が計算で求められるのが分かったと思います。



パワーを求める為の運動エネルギー


                                        2
運動エネルギー = 1/2 × 車重 ÷ 重力加速度 × (速度)

で求められるので、129Km/h = 35.8 
/s の運動エネルギーは

                      2
1/2 ×1256 ÷ 9.8 × 35.8 = 82129のKg.m


その5秒前の90Km/h=25m/s の運動エネルギーは

                     2
1/2 × 1256 ÷ 9.8 × 25  = 40051Kg.m

運動エネルギーの増加の割合は

    82129 − 40051 = 42078Kg・m

である。

これは5秒間でのエネルギーなので

    42078 ÷ 5 = 8416Kg・m/S

である。

  1馬力= 75Kg.m/Sであるから

    8416 ÷ 75 = 112Ps

つまり、90Km/hから129Km/hまで5秒間で加速する為には

    112Ps が必要と計算できます。




実際にパワーを測定するには

車重を出来るだけ正確に測定します。
この時ドライバーもガソリンも測定しておくと良いでしょう。

平坦な道路を探して走り出します。

40Km/hあたりからアクセル全開で加速します。

1秒後の速度、2秒後の速度と計測して行き計算しき入れて馬力を求めます。

速度を秒速にします。

時速 (Km/h) 40 50 60 70 80 90 100
秒速 (m/s) 11.1111 13.88888889 16.66666667 19.44444444 22.22222222 25 27.77777778



車重が1500kgの場合のエネルギー

秒速 11.11111111 13.88888889 16.66666667 19.44444444 22.22222222 25 27.77777778
運動エネルギー 9448.223734 14762.84958 21258.5034 28935.18519 37792.89494 47831.63265 59051.39834

上の換算表を参考にして下さい。

エネルギーの増加分をその時の時間(秒)で割るだけです。



実際には出てきた数字に走行抵抗分を足したものが馬力になります。




走行抵抗

タイヤの転がり抵抗、空気抵抗などが大きい抵抗です。

計算で求めるのはかなり大変ですが、測定するのは簡単です。
加速の逆、つまり測定した速度でクラッチを踏んで、落ちた速度と
時間を測定してエネルギーを算出します。
それをパワーに足せばエンジンのパワーになります。
でも、抵抗が大きいのは別の問題かもしれません。





これらの計算を利用した測定器が販売もされているようです。



因みに、計算して気が付いたと思いますが、パワー
を上げても、重量を軽くしても同じ結果が出るんで
すよ。
パワー
アップより軽量の方が安いかも知れませんねぇ