それは週末の福岡発羽田行きのB747-400がフライトプランを順調に消化し、夕闇の中を房総半島に差し掛かろうとしていたときであった。機内は週末を家族ですごそうとする単身赴任のサラリーマンと見られるスーツ姿で満席である。機内は一週間の疲れから目を閉じている人の方が多かったかも知れない。
機長からの機内アナウンスが流れたのはまさにそんなときであった。
「ポーン」
「えーーー 機長の●●です。えーーー本日は全日空をご利用いただき えーーーー真にありがとうございます。
当機、房総半島上空で えーーーまもなく羽田空港に最終進入を えーーーー
しようとしていますが えーーー この時間 えーーーー 羽田への着陸する えーーー 飛行機が多く、しばらく えーーー時間が かかると思われます
えーーー 到着時刻を10分、もしくは えーーー15分 過ぎていますが着陸予定時刻は えーーー 後15分後の えーーー9時30分頃になるかと思われます。
お忙しい中 えーーー 大変 申しわけありませんが えーーー
・・・・・ えーーー ・・・・ ・・・ご理解を えーーーお願いいたします。
えーーー本日は全日空をご利用いただき えーーーー真にありがとうございます。」
この間、約5分!そのたどたどしいというか、のんびりとした歯切れのものすごく悪いアナウンスを聞いた乗客の多くは到着遅れを気にするより、この機長で大丈夫なのか?という想いに駆られたのでは無いだろうか?私は思いっきり駆られた!こんな調子でゴーアラウンドなんかされた日には
「えーーー 君・・・ えーーーー ゴーアーー えーーー ラウンドだ・・・」
なんて事になって、ゴーアラウンドモードに入れた頃にはランディングしてるよ、きっと!
止せばいいのにこのキャプテン、英語でのアナウンスもやってくれたのですが日本語にも増してのたどたどしさ、ついでに日本語では説明した具体的な到着時間を言わずに羽田の天候でお茶をにごした!キャビンアテンダントにまかせればいいのにねえ・・・
機長さんの名誉のために言えば、34Lへのランディングはきわめてスムーズでした。(もっとも機長さんのランディングではなかったかも知れませんが)