旅行記 イギリス(2000年春)編 その3


乗り物に乗ろう!
イギリスでは鉄道の乗り方が日本と全然違います。地下鉄、バス、国鉄(長距離)のそれぞれで乗り方を見てみましょう。
 

地下鉄(Tube)

まず切符を買います(当然ですね)

自動販売機で切符を買えるのは日本と同じですが、お札は使えません。窓口でどうぞ。ちなみに、通常の切符は定期券サイズです。

ロンドン中心地から同心円上にゾーン分けがされていて、”自分が行きたいところは何ゾーン先か”と云う買い方をします。

市内観光をしたい場合は、”One day toravel card”と云うものを買うとお得です。指定したゾーン内なら1日乗り降り自由、しかもバスでも使えます。日本人的な考えで、どれだけ乗れば元を取れるかと云うと、往復とバス1回です。ねっ、お得でしょ!

そうそう、イギリスでは乗り越し精算と云う概念がありません。行きたい先まできちんと買いましょう。さもないとキセル扱いとなります。

さて、ホームに向かいましょう。

改札は自動です。自動改札機の扉は日本とは違い、胸の高さにあります。切符を入れると・・・開かない。?? あれ?切符を入れたところのすぐ上に切符が出てきてます。?? 取り敢えず抜いてみましょう。扉が開きました。そう、扉は入口・出口の2カ所では無く1つだけです。日本みたいに入れて歩いていって出口で取る、と云うスタイルでは無いのです。なので背が高いです。

改札を入ると人の流れに従って歩きましょう。ロンドン地下鉄の駅は一方通行です。お忘れなく!ホーム上も基本的には一方通行ですので込んでいるときは逆行しないように!そして、エレベーターも一方通行です。乗り方を紹介しましょう。

入り口が開きます
乗ります
そのまま奥に入ります。何故か奥も扉が開いてます
入り口と奥の扉が閉まってエレベーターが動き、そして止まります
奥の扉が開きます
奥の扉から出ます

そう、ところてん方式で乗り降りするわけです。乗ったときに開いていた奥の扉は出口だったのです。早く降りたいからと入り口付近でぐずぐずしていると邪魔になるだけではなく一番最後に降りる羽目になります。そう、一方通行です。地下鉄ホーム

ホームに向うに際しての注意事項。
日本と違い、”どこそこ方面”と云う表示は有りません。”東西南北(英語で)bound”と云う表示になっていますので路線図を見て判断します。

やっとホームに出ました。

地下鉄時刻表ホームに出ると、日本と似たような”行き先表示板”があります。しかしよく見ると到着時刻ではなく”あと何分”と出ています。合理的です。多少遅れようが運休が有ろうが完全対応です。時刻表にも日中は”何分間隔しか”と書いていません。
電車が到着しました。線によってはドア脇の”OPEN”と書いたボタンを押さないとドアが開かない場合もあります(これは降りるときも同じ)。慌てずにボタンを探しましょう。また、押しても開かない場合があります(故障ですね・・・)。そう云う時は隣のドアに行くか、中から開けてもらいましょう。実際Rhymeも一度経験しました。

乗ってみると意外に小さい車両であることが分かります。角を落としているので、ドアの脇に立つと頭がつっかえます。これは開通当初、トンネルを掘る技術が今ほど進んでいなかったので小さいトンネルしか掘れなかったことから、車両を丸くしたところに端を発しているそうです。がたいがでかいお兄ちゃんたちが首を曲げて乗っているのを見るとなんとなく笑ってしまいます。

地下鉄車内座席は日本と同じようなスタイルで、通勤型配置がメインです。時々ボックスのものも有ります。そして、通勤型の座席には、1人分ずつ肘掛けが付いていて、日本みたいにでかい態度をして幅広く使うことが出来なくなっています。
 
さぁ、動き出しました、駅を出ました、次の駅に着きました。何か違和感が・・・車内アナウンスが無いのです。なので、今どこの駅なのか、自分の行き先までに何という駅があるのかしっかり把握していないと乗り過ごして、場合によってはキセルで捕まってしまいますのでご注意を!(車内アナウンスは無いですが、駅のアナウンスで駅名を言ってますのでそれを聞くか、駅名表示プレートを見てくださいね)降りる時は乗るときと逆なだけです。くれぐれも一方通行には気を付けて(”Way out”と云う表示に従って)ください。

地下鉄エスカレーターそう云えば、ロンドンの地下鉄の駅は非常に深い位置に有るようで、エレベーターか、とてつもなく長いエスカレーター(歩く気が起きないくらい)をよく見かけました。
 

バス

バスはバス停で乗ります(人をバカにするなって?まぁまぁ、そう怒らずに)。バス停は2種類あって、

白地に赤でメトロマーク:全てのバスが停まります
赤字に白でメトロマーク:目的のバス(路線番号で見分けましょう)が来たら、手を挙げて停まってもらいます

となります。なので、ぼっ〜っとしてるといつまで経っても乗れません。と云うのがバス停での乗り方です。もう一つは”自己責任に於いて行われているようですが”、古いタイプのバスには、後部デッキにドアが無く、速度が落ちでいる時には飛び乗ることが可能です(新しいタイプのバスにはデッキそのものがありません)。危険なので、運動神経に自信がない方や、よほど急いでいる場合でない限りは自己責任と言えどもやめた方が良いでしょう。何かあっても誰も同情してくれませんし、補償もありません。

乗るとさっさと席に付きましょう。2階の方が景色が良いので2階がお勧めです。また、1階よりも席数が多いですし、結構高い確率で一番前の特等席に座れます。Rhymeも結構一番前に座れました。席に付くと車掌さんが運賃を取りに来ますので、One day travel ticketを見せるか運賃を支払います(地方のバスでは、前乗りで運転手さんからチケットを買います)。

バス停さて、ここからが難しいです。バスも車内アナウンスは有りません。そして、バス停のバス停名を書いた部分も”2階席の窓の位置”と云う高い位置に有るので1階からでは見えません。また、地方のバスでは、路線図のバス停名が1個しかないのにバス停が一杯あったりします(路線図では町の中心地を”・・・・central”としか書いてませんが、実は細かくバス停があったりする)ので行きたい場所かどうかじっくり見極めてください。そして、2階席の場合は、早めに1階に降りましょう。

 
国鉄

ロンドンには”ロンドン駅”と云うものは有りません。行き先の地方毎に”ロンドン・・・”と複数の駅がありますので、自分が乗る列車はどの駅から出るかちゃんと確認してから出かけましょう。

今回Rhymeが乗った列車は”London Euston”と云う駅から出発です。根城のホテルがあるEarl's courtから地下鉄で行きます。今回は切符は旅行代理店で取ってもらったので買い方が分かりません。ごめんなさい。

国鉄電光表示板駅に着くと気になるのが、もう乗れるのか?何番線から出るのか?では無いでしょうか。Eustonを例に取って乗るまでを説明しましょう。
まず、大きな電光掲示板で、自分が乗る列車の行き先を探します。出ていなければしばし待ちましょう。途中の駅で降りるときは、あちらこちらにある小さいディスプレイに詳細が出ているのでこれを見て行き先を確認しましょう。
国鉄ディスプレイ1出てきた出てきた、と何番線か書いていません。そう、何番線から出るかは直前まで分からないのです。表示されるのは出発の10〜5分前です。表示されたら何番線の何(同じホームでも前後で違う列車が停まっていることがあるので、1A・3Bと表示されます)かを確認して・・・急がなきゃぁ!冗談抜きで急ぎましょう、それくらい直前まで出ませんし、ホームが端の方だった場合、結構遠いですよ。ホームに近づくと・・・あれ?改札口が無い。そう、無いのです。なので一気にホームに出て列車に乗りましょう。
国鉄ディスプレイ2そうそう、ホームに出る直前に小さいディスプレイがあるので、正しいホームか念の為に確認しましょう。
乗ったら席に付きます。席の番号は、背もたれの上に付いている紙札を見ます。この紙札は大事なのでちゃんと付けておいてください。
席に付くと、列車はそろそろと動き出します。アナウンスもホームのベルも何も無しです。動き始めたのに気が付かない位静かです。

国鉄車内席は4人ボックスタイプと2人掛けの2種類で、向きは変わりません。なので、2人掛けでもずっと後ろ向きと云う事も有ります。また、ボックスタイプには奥行き60センチくらいのテーブルがあり、仕事をしている人、パソコンを広げる人、レストランを開く人様々ですし、2人掛けでも日本のとは比べものにならないくらい大きな折り畳みテーブルが付いています。

列車が動き始めると車掌さんが検札に来ますのでちゃんと切符を見せましょう。
国鉄車両Rhymeが乗った列車は100マイル特急と云うジャンルのもので時速160キロで疾走します。でも揺れないし、機関車が引っ張るタイプなので静かです。
そうこうしているうちに、列車はロンドンを離れのどかな牧草地帯に入ります。今回の目的地・湖水地方方面はOxenholmeLakeまでずぅっと牧草地帯。最初は美しさにうっとりしていたのですが、そのうち飽きてきました。なら、売店に行ってお菓子とジュースを買ってきましょう。買ってきたら大きなテーブルに広げておいしく頂きましょう!

国鉄ドアさて、列車は何のアナウンスもないまま目的地に着きそうです。ホームに滑り込み始めたらシートの後ろの紙札を取ってからドアまで行きましょう。停まりました、ドアが開きません。そう、開けるのは手動と云う場合が多いそうです。しかも、中からは開けられません!!どうやって開けるでしょう?窓を開けて、手を出して、外のドアノブを押し下げます。これは、昔は外から駅員なり迎えの人が開けていたと云う伝統が今も残っているからかのだそうです。昔は列車に乗る人は高貴な人が中心だったからなのでしょう。
国鉄予約用紙ここで紙札の説明をしなければなりません。この紙札に書かれている内容は、”どこからどこまで予約済み”と云う事が書いてあります。つまり、この区間以外は誰が座っても良いのです。予約している人が来たら他の席に移るだけです。なので、予約していない人は、次はどの席に移るか事前に当たりを付けておくと良いでしょう。

さて、列車を降りると、案の定改札はありませんのでそのまま外に出ます。

はぁ、何にしても日本と違うスタイルにとまどうことばかりですが、慣れれば結構楽です。なんと言っても静かですから・・・日本に帰ってきて暫くは車内アナウンスが五月蠅かったです。

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