番外編 ハイテク登山の奨めの補足版2 SUUNTO X9,X6


SUUNTO X9
2月11日、とうとうSUUNTO X9 を買ってしまいました。
Web上をGoogleで”SUUNTO”、”X9”で検索した限りでの初の日本語版によるX9のユーザレポートをここに掲載!(2005年2-10月時点)
まだまだ仕様のご認識や使い込めていない部分があること、また取り留めない部分が有る事をご容赦下さい。

地図の作成
カシミール3Dのマップカッターで、SuuntoTreckManager(以後STM)用の地図を切り出します。デフォルトではビットマップ名は”New”となっているので地域名等に変えておくとSTMでの管理上も分かりやすいでしょう。また、キャリブレーション情報も作成されます。この二つは拡張子以外のファイル名が一致していなければなりません。
地図の追加で、マップカッターで切り出したビットマップを読み込みます。キャリブレーション情報も自動的に読み込まれます。ただし、マップカッターで作成されるキャリブレーション情報はSTM1.1.0以降で無いとそのままでは読めません(STM1.0.8以前のバグか?STM1.0.9は試してません)。そのままでは、と書いたのは訳があります。キャリブレーション情報はカンマ区切りのCSV形式になっているのですが、STM1.0.8以前では固定長、STM1.1.0では自由長となっているのです。そして、マップカッターで作成されるキャリブレーション情報は自由長となっています。つまり、STM1.0.8で読み込ませるには固定長に編集し直す必要があるのです。使い勝手的にもSTM1.1.0から日本語ローカライズが行われているので(SUUNTOのダウンロードサイトには書かれていませんが...STM1.0.9にはちゃんとイタリア語、ドイツ語・・・に対応って書いてるのに)、無条件でSTM1.1.0以降を使った方が良いでしょう。
 
運用で必要なものの作成
ルートの作成
カシミール3Dを持っているのならこちらでやったほうが楽でしょう。また、地図のキャリブレーションで誤差が出ることも十分考えられるます。よって、STMではまだ作っていません。カシミール3Dを持っている場合はカシミール3Dでやったほうが得策かと思います。
1.1ルート50ポイント以内で作成します。今までの運用で漢字(他の2バイト文字含む)を使ってきている人は、後で簡単に修正できるので漢字を使ってもOKです。
2.STM形式で保存を行います。
3.STM形式のファイルをテキストエディタで開きます。漢字部分を一括置き換え等を駆使して半角英数に置き換えます。文字数は10文字まで。同時に、ファイル先頭のルート名も半角英数にしておきます。
※このステップはルート名やポイントの全角文字を使っている人のみ対象です。
4.STMで、”テキストファイル”からインポートを実行します。
5.読み込んだルートをダブルクリックすると画面にルートや詳細等が表示されます。左上に表示される小さいウィンドウでチェックボックスをオン・オフすることで表示・非表示を変えられます。当然のことながら、地図が表示されていればその上に表示されます。

MyPoints(WayPoint)の作成
カシミール3DのWaypointから取り込む場合は、ルートと同様の手順で行えます。取り込みたいWaypointを選択してSTM形式で保存してインポートします。
取り込んだWaypointは、Mempointの形式となってしまいますが、X9に転送するとMyPointsとして保存されます。接近アラームのレンジ設定は、X9上で行うか、再度X9から取り込んで(警告ポイントで取り込まれます)からプロパティで編集を行います。

Mempoint Group の編集
MarkMemPで登録する際、名称を選ぶことが出来ますが、その名称はX9に転送したMempoint Groupから行います(初期値は”Hiking”と同じ)。よって、デフォルトの”Hiking”に不満がある時は新しくMempoint Groupを作りX9に転送しておきます。X9での表示上の最大文字数は8文字です。

転送しよう!
STMで、転送したいものをX9の枠にドラッグ&ドロップするだけです。アップロードかキャンセルかを聞いてくるのでアップロードを選びましょう!
 
山での運用(詳しい操作はマニュアルを!)
Navigation画面でナビしたいルートを決めます。
GPSをオンにします。
Position画面で位置と高度が安定するのを持ちます。
更新間隔を1分にします(短時間であれば1秒のままでも良いでしょう)
Activityログの記録を開始します。
行動開始!!
高度データだけ記録したいときはGPSをマニュアルにしてActivityログを取ればOKです。ただし、更新は1分間隔となります。
 
帰ってきてから
ActivityログをSTMに転送します。X9への転送手順とは逆で、X9からLocal Dataの保存したいフォルダにドラッグ&ドロップするだけです。
転送したActivityログを地図に重ねたり、3D表示で表示してぐりぐり回したり。
3D表示に関して、不思議な点が。高度0から出ている灰色の線と測定された高度で出ている赤色の線の2本が出ているのです。赤色はいいとして、灰色の線は何なんだろう?STMのヘルプにも出ていないし...
スケールや大きさも変えられるのでいろいろ試してください。
Activityログを選択するとグラフエリアに高度と速度が表示されます。横軸は時間か距離が選べます。測位できていなくても高度だけはちゃんと記録されています。
テキストファイルにエクスポートしてカシミール3Dに取り込むことも出来ます。
気圧、温度の変化は、Local Dataの”Weather”をクリックするとグラフエリアに表示されます。データのダウンロードはX9に接続に行ったタイミングで自動的に行われています。が、このデータを保存することは出来ないようです...
 
STMのお約束
デフォルトのMempoint Group(四角が3個重なったアイコン)”Hiking”はいじらすに、新規のMempoint Groupを作成する事をお勧めします。いじってしまうとデフォルトに戻せません。
アンインストールは、コンパネのプログラム(アプリケーション)の追加と削除から行うと綺麗に消えません。そして、再インストールも出来なくなります。なので、インストーラーからRemoveを行います。
接続でエラーとなる場合は、持続間隔を”ロング”にするとうまくいくかも?わたしの環境(WinXP SP2、NotePC、PCMCIAタイプのシリアルポート増設カード)では、STM起動後1回目の接続は失敗しますが2回目以降はうまくいきます。これは、PCMCIAタイプのシリアルポート増設カードの挙動によるものと思います。
X6と同様、USB<->シリアル変換ケーブルを使うと接続できなかったので、Note PCの場合はPCMCIAタイプのシリアルポート、シリアル端子があるPCの場合はシリアル端子の使用をお勧めします。
プロパティでルートのポイントや警告ポイントを編集する場合、値を変更後、他のポイントの編集可能な項目を必ず選んでください。そうしないと反映されません。

カシミール3Dとの直接通信(2006/01/25追記)

2005年10月8日にカシミール3Dの新機能としてSUUNTOプラグインVer 0.1.0がリリースされましたので、SUUNTOプラグインに関する捕捉を追記します。

SUUNTOプラグインVer 0.1.0では、
Routeのアップ・ダウンロード
MyPointsのダウンロード
Activityのダウンロード
が可能となり、STMを経由する必要が一部を除き不要となりました。

細かいちょっとした気になるところ(メッセージの表示系)が数点ある以外は問題も無く、非常に便利です。
(カシミール3Dの作者、DANさんにレポートを上げてあるので、次版で可能なものは対応していただけるとの事)
http://www.kashmir3d.com/bbs/userboard/boardresult.cgi?9284

SUUNTOプラグインでできない事は
SUUNTO提供のSDKの制限より
・AlarmPoints の連携
・Mempoint Group の連携
・X9側データの消去
・通信の待ち時間の設定
・気圧データの保存(GPS とは関係無し)
SUUNTO提供のSDKのバグより
・MyPoints のアップロード
位でしょうか。

これ以外で気になっているところは
X9の設定で、TimeZone をUTC+ or -n(nは国際協定時との時差:日本では+9)としていて、カシミールのGPSデータの編集->設定 で ローカル時刻を使用 をオンにいているとX9で設定した時差に更に9時間プラスされることになることですが、ま、回避可能(カシミールでデータの一括編集で-32400(編集での設定値は秒単位)する)なので良いでしょう。

STM経由での連携と大きく異なって来るのは、アップロード時の2バイト文字の変換ですが、通信画面で変更するのが一番良さそうです。
MyPoints:直打ち(SUUNTO提供のSDKのバグにより Ver 0.1.0 ではアップロード不可)
Route名:直打ち
Route内のPoints名:通番を使った置き換え機能での一括置き換え、ものによっては直打ち
で対応できそうです。

X9、STM 関連情報のお勧めサイト

多摩の岳夫さんのサイト、Bird's ViewSUUNTO X9 けっこう使えそう をどうぞ!わたしが”マニュアル見てね”としている部分もきちんと解説されていて、しかも画面入りなので分かり易いです(なら分かり易くしろ!ぁぁぁ...)。また、Gekoとの勝負など突っ込んだ話題もありますので是非ご参照を!
(って言うか、多分、多摩の岳夫さんのところからここに来ている人の方がダントツで多いですよね(^^))

山で使ってみた感じ
移動後、GPSをオンにしてから位置特定・安定までは1秒毎の更新でも5分以上かかっています。電池を保たせるためには位置特定後1分更新にした方が良いのですがActivityの記録は位置が1分、高度が20秒間隔に(1秒毎の更新では位置、高度とも10秒)なってしまいます。
感度に関しては、開けたところであれば腕に着けていても受信は出来ます。ただし、全ての服の上に着けましょう。袖の中に入れてしまうと感度が一気に落ちます。なんで延長ストラップが標準装備なのかこれで納得。また、当然の事ながら、上しか開けていないところで腕に着けていると、腕の位置から見れば上は開けていないわけですから感度はほとんどなくなります。
測位できていなくても高度はちゃんと記録されていました。
精度に関しては...eTrexと比較してそれほど良いわけでは無さそうです。特に、1分毎の更新の場合、安定していない状態で記録される様でばらつきが目立ちます。また、腕につけていると必然、拾える衛星の偏りが出ますからそれだけ精度は落ちることになります。今後も比較実験をしていかないといけないですね。

と云う事でフィールド実験です。(2005/03/02追記)

実験結果
ロケーション:北アルプスは西穂独標
コース:西穂口〜西穂独標往復
GPSフィックス間隔1分(初期測位時のみ1秒)
総計測時間:1時間46分+6時間8分
使用環境:
 気温:−6〜−17度C
 設置位置:ザックのショルダーストラップの胸元少し上

1.電池の保ち
9時間弱の計測を行って、インジケータでの残り容量は目盛り3つ。計測時間のほとんどが−15度C以下であったことを考えると、常温で12時間(GPSフィックス1分間隔)はあながち外れた数値ではないかと思われる。

2.ルートナビ
eTrexシリーズであれば、通過ポイントを越えたと判断された場合次のポイントへのナビに自動的に切り替わる。が、X9ではどうやらほぼ真上を通過しない限りポイントを越えたと判断されないようである。その為、いつまでたっても過ぎてきたポイントへを指し示しており、目的地へのナビが行えない。
これは、ルートの途中からナビを始めた時も同様で、いつまで経っても出発地点を指し示している。ここら辺の仕様や使用方法に関してはアメアスポーツに問い合わせる予定。
(2005/10/13追記)
自動復帰機能は無いとの事で、次に進みたいポイントを、ルート選択時に”有効なポイント”として指定すると良いとの回答をアメアスポーツから貰いました。
次のポイントをちゃんと示している場合は、進行方向や残り距離表示など小さい画面であるにも関わらず非常にすっきりしていて見やすいものです。

3.精度
今回はeTrex Venture-JとVista-J も同時使用(取り付け位置は若干上)し比較対象とした。
添付のデータを見ていただくと分かるとおり、eTrexでは綺麗に軌跡が描かれているのに対しX9は非常に飛びまくります。
2005年2月26・27日の西穂でのルートとトラックのGPSデータ(カシミール3DのGPSファイル=GDB形式とSUUNTO TreckManager用ファイル=SDF形式)
また、受信できていない(測位できない?)状態が非常に多々発生しています(1分間隔更新であるにも関わらず、更新間隔がばらばら)。
GPSフィックスが1分間隔なので、一度信号をロストすると再測位が必要なのかどうかは判然としませんが、ここまで飛んでいるとトラックバックには使えないです。また、腕に着けているとどうなることやら...
次回はGPSフィックスを1秒間隔にして試してみるつもりです。

いろいろメモ
GPSをオンにすると、Alti/Baro が BaroモードであってもAltiモードとして動作します。ただし、表示上はBaroモードのままです。
Activity機能では高度は気圧計のものが使用されます。GPS高度はPosition画面でのみ使用されるようです。

(2005/03/02追記)
充電中のバッテリーインジケータの動きは
1.充電中(ローレベル)
 バッテリーインジケータ目盛りで(恐らく)5段目より下まで使っている場合、下図の1から2まで伸びて行き、1に戻る、を繰り返す
2.充電中(ハイレベル)
 充電の最終段階になると、下図の2から3まで伸びて行き、3に戻る、を繰り返す。
 バッテリーインジケータの目盛りを1つ越えているのは...不明です。
3.充電完了
 充電が完了すると、目盛りの一番上に達した状態(4)で固定される(はず)。


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ただ、フル充電のはずなのに、すぐに目盛り1つ欠けたところまで落ちることが...お店で放置状態だったからバッテリーが活性化されきっていないのか...


X9本体の使用感
手首との比較実際に腕に着けてみて、正直言って、でかいです、重いです、派手です...
でかい:X6よりも縦横厚さ全てふた周りでかいです。手首が細い(X6で内側から3つ目の穴)わたしにとっては時計と云うよりもブレスレットです。
魚眼レンズで撮った訳じゃないですよ(^_^)
ここまで隙間が開く内側から4つ目のスリットで手首の裏表に対してはちょうど良いのですが幅に対してはぶかぶか...3つ目のスリットにすると幅に対しては良いのですが裏表に対してはきついです。そして、ベルトの幅が太くなってきているので、金具の中にちゃんと納まりません...ちゃんと収まるのは6番目のスリットからです。
写真の赤丸部分の隙間、分かります??
サイズはメーカーや輸入代理店発表値で
  縦 幅 厚み (単位:mm)
X9 55 53 14(実測18位)
X6 45 46 14


写真からでかさが分かるかと思います...(左:X9、右:X6)

重い:時計の域を超えてます...リストップコンピュータですから時計じゃないんですよね...X6も決して軽くないですがX9はGPSですから(^^)
参考までに重さを
X9 76g
X6 54g

しかし、CasioのGPS腕時計、サテライトナビよりはましかなぁ、と。電池の保ちも良いですし。
初代:PRT-1GPJ 66 × 65 × 29/138g
2代目:PRT-2GPJ 51.5 ×58.5 ×21.0/84g
派手:文字盤の周りを取り囲む銀色にキラキラ輝くチェック模様。うぅむ、なんなのだこれは。

ボタン操作ですが、ボタンはラバー加工で本体と一体になるように作られているのですが、押した感じが非常に重いです。ボタンの押し心地はX6の方がダントツで上です。(2005/04/13追記)ラバー部分と本体との間に隙間(0.5mm程度)が開いて来たのですが...なんだかなぁ...
(2005/10/13追記)隙間は特に問題無いそうです。防水にも問題は無いとの事で、気になる場合は調整に応じてくれるそうです。

各機能へのアクセスや設定方法は好く考えられていると思います。X6を使っている方であれば違和感は然程無いと思います。が、ProTrekを使っている方には違和感ありまくりでしょう。実際、私もX6に変えた時はそうでしたから。しかし、使えば使うほど考えられたシステムだと感じてきます。MarkMemPでの名称入力に至っては、ボタンが5個しかないのだから入力なんてとても出来ない、ならSTMから一覧を送っておいてそれを使えば良いじゃないか!と云う割り切り方も考えたものです。
ただ1つだけ、おいおい、と思ってしまうことが...
充電器兼通信IFドックで、9Vの角型積層乾電池を使うことで外でも充電できるのは良いのですが...シリアルケーブルを挿す口が電話のモジュラージャックと同じ形なのはなんで...?
(2005/10/13追記)角型積層乾電池1本で、1回のフル充電が可能との事。

これから買おうか悩んでいる方へのRhyme的私見
(アメアスポーツの方が見たら営業妨害に見えますね、多分)
正直言います、X6とX9どっちを買おうか悩んでいる方はX6を買った方が良いと思います。GPSは差額でGarminのeTrex Ventureが買えます(こっちの方が操作性も機能も良いです。まぁ、100g強の重量増ですが)。と云うのは...
個人的には記録系に大きな違いを感じていて、それゆえに山で必要な情報の記録に関してはX6に分があると思うからです。
X9はGPSが売りなだけに、記録系はGPSに依存します。高度だけ取りたくてもGPSをマニュアルにしてActivityログを取る必要があります。しかも間隔は1分だけ。今の高度を記録したくてもMarkMemPを行うとGPSでの測位が始まり数分待たされます。それに対して、X6は気圧・高度計が売りなので、ハイキングログやストップウォッチ(クロノログ)と連動して高度が記録され、ハイキングモードかクロノモードにすればボタンひとつで記録できますし、クロノモードであれば10秒か1分間隔で高度を取得できます。高度グラフがX6本体で見られるのも魅力です。
また、気圧(Altiモードであれば一定なので意味無いですが)と気温もSuunto Active Manager(SAM)に保存できますが、STMでは保存できません。<-間違い訂正(2005/4/13)STMに繋いだタイミングで1週間分取り込まれ、累積のログとして保存されていました。X9には1週間分しか保存されていないので、1週間以内に取り込まなければならないと云う問題が有りますが...表示上では、期間指定もできるのでなかなか便利です。
まぁ、その場で見るだけならどっちでも出来るので、記録・保存なんてどうでも良い!と云う方はX9でも良いかと思いますが...

SUUNTO X6(2006/2/15追記)
X6を使い始める前のお約束
高度計の更正
正確な高度を知るためには必ず行ってください。高度は気圧を元に計算されますが、気圧は刻々と変わります。家を出る前に合わせても、登山口に来ることには気圧配置の変化と移動により気圧は変わっていますので、最低でも登山口で1回、可能であれば、明確に高度が分かるポイント(山頂や導標、小屋など)でも更正を行うようにしてください(行動中も気圧配置の変化と移動により気圧は刻々と変わります)。※GPSでも、気圧計測型の高度計を使っている機種は同様です(機種によっては、GPSで計測した高度から自動更正してくれるものもありますが、あくまでも計測した高度ですので誤差はあります)。
alti/baro モードの切り替え
行動中、高度を計測する場合は必ず”気圧変化を高度の変化によるものとする alti Mode”に切り替えてください。そうしないと高度は一定となってしまいます。同様に、気圧変化を計測する場合は必ず”一定高度にいて、気圧変化は純粋に気圧配置の変化によるもととする baro Mode”に切り替えてください。そうしないと気圧は一定となってしまいます。

設定方法は
WeatherMode
HikingMode ->Suunto->USE->alti/baro を選択 ChronoMode
です。
磁北偏差の調整
日本国内ではコンパスが指す”北”(磁北)は地図での”北”(真北)より、西に5〜9度程度ずれています(しかも、10年で0.1から0.5度移動する...)。

なぜか?小学生の頃、「地球は北極がN極で南極がS極になっているから方位磁石で方向が測れるんだよ!」と習ったかと思います。そして多くの人が北極点・南極点がN極と南極がS極になっていると思っているかと思いますが、違います、微妙にずれています。ここは物理の部屋ではないので興味がある方は独自に調べていただきたい(地磁気極、磁極、国際標準地球磁場 や IGRF がキーワードです)のですが、地磁気極や磁極、地球磁場の相互作用により方位磁石が指す方向(これを元とする方位は磁針方位といいます)が決まってくるのです。

磁北偏差を設定する場合に必要な磁北偏差は”山の地図”に出ています。地図には必ず、地図の方向(これを元とする方位は真方位といいます)を現す図が描かれいますが、その付近に磁北偏差が記載されていますのでこれを参考にして下さい(古い地図では記載が無い場合もあります)。
設定方法は CompassMode で
Suunto->COMPASS->DECLIN->UP/DOWNキーでWESTを選びSuunto->UP/DOWNキー値設定です。

※GPSでも、電子コンパス内臓の機種は同様です(機種によっては、現在位置から自動的に計算してくれもものもあります)。※紙の地図と通常のコンパスを使ってのナビゲーションや位置特定を行う際、磁北偏差を意識しないと距離があるほど誤差距離が大きくなる(偏差7度として、100m先で12mのずれ)ことにご注意下さい。

どうでも良いおまけ(2006/01/25追記)
SUUNTO X6 2003年迄モデルと2004以降モデルの違い

ちょっとした手違いで、最初に買った2003年迄のモデル(初期型:イワタニ−プリムスが正規輸入代理店で、オレンジ色と緑色があった時代)と2004年以降モデル(現行型:SUUNTO本体ともいえるアメアスポーツ扱いとなり、黒一色になった)の両方を持つことになってしまったのですが、外観だけでなく、内部にも何箇所か違いがあることに気付きました。
なので違いをまとめておきます。
※X6のプラスティックボディのみの話です。HR、金属ボディ(T、M) は部分的に該当しているとは思いますが未確認です。

外観

ベゼルリング
初期型:有り。ディスプレイのガラス部分のプロテクタにもなっている。岩登りの時にはめていてもガラス部分を傷つけたことは1回しか無い(本体は傷だらけ)ので、数ミリの出っ張りであってもガラス部分への直撃を避ける役に立っている。また、斜度を図る際の照準器にもなる。
現行型:無い。よって、何かにぶつけた時はガラスに直撃することになる。

液晶のベース色
初期型:緑系。
現行型:橙系。透過率が悪いのか、文字とベースのコントラストが低く視認性が悪い。また、バックライトも暗い(透過率が低いからか?)。夜間に見比べてみれば一目瞭然だが、日中室内でも実感できる。初期型は点いていることが分かるが、現行型は点いていることが分からない(買ってきて直ぐの動作確認時に故障かと思った位)。

内部的なもの

alti Mode 時のインジケータの変更
WeatherMode
HikingMode ->Suunto->USE->alti を選択
ChronoMode

すると、気圧変化を高度の変化によるものとする alti Modeになるのは変わらないが
初期型:インジケーター(円弧のマーク)がWeatherModeのアイコンの横に点きalti Modeであることを明示
現行型:何も点かない。液晶の故障と云う事態も考えられなく無いのだから何か点いて欲しい(もっと信用してあげないといけない?そうですねぇ)。
baro Mode (一定高度にいて、気圧変化は純粋に気圧配置の変化によるものとする)の時はHikingModeのアイコンの横にインジケータが点く事は変更無し。

気圧計の更正機能
WatchMode->Suunto->GENERAL->SENCER が現行型に追加されていて、0.1hPa単位で気圧計の更正ができるようになった。が、更正に使う”正しい”気圧はどうやって知ればいいのか?と考えると余り意味が無い機能。

クロノログの表示
ChronoMode->MEMORY-> と選んだ後の画面遷移が変更されている
初期型:
List  ->日時のリストから選択->VIEW alti->ログの内容表示
                ERASE  ->ERASE?->消去される
INTERVAL->省略


現行型:
VIEW alti->日時のリストから選択->ログの内容表示
ERASE  ->日時のリストから選択->ERASE?->消去される
INTERVAL ->省略

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