山行記 2008年まとめてどん

北アルプス 劔・早月尾根から
さらりと、記録だけ

メンバー:大森さん以下、いっぱい (^^;

1日目:馬場島−早月小屋(旧伝蔵小屋)

いやぁ、早月は本当に疲れる・・・ひたすら高度を稼ぐだけの1日。夕食はハンバーグカレーにおでん。多過ぎ(^^;

2日目:剱本峰往復

6時出発。残りの早月尾根をひたすら高度を稼ぐ。本峰手前の悪場の連続も難なくクリア、って当然か・・・ここら辺から天気が悪くなり出す。

山頂に着いた頃には完全にガスってしまったが、ガスの切れ間からは時々遠方も見える。悪くは無い。

下山途中で小雨が降り出す。悪場の一箇所は懸垂を行い、13時40分頃小雨の中小屋着。

さて、このまま馬場島まで一気に下山するか?なんかみんなダレモードなと、天気が更に悪化しそうなのでもう一泊。

夕食はハヤシライスにおでん。だから多過ぎだって(^^;
3日目:ひたすら下山。体調悪のとこ持ってきて、右太股の筋がおかしくなり速度が出せない。しかし、みんなに遅れつつも無事に下山。

北アルプス・剱を満喫する夏休み1週間

入山
1日目:扇沢−室道−剱御前小屋−一服剱−剱山荘

チンネ
2日目:−剱−北方稜線−天場
3日目:−池ノ谷乗越−池ノ谷ガリー−三ノ窓−チンネ−池ノ谷ガリー池ノ谷乗越−天場
4日目:−北方稜線−剱−剱山荘

仙人池
5日目:−剱沢雪渓−真砂沢ロッジ−梯子谷乗越途中まで(東面スラブ偵察)−三俣−千人池ヒュッテ
6日目:−三俣−真砂沢ロッジ−剱沢雪渓−剱山荘

源次郎尾根
7日目:−剱沢雪渓−源次郎尾根−剱−剱山荘
8日目:−剱御前小屋−室道−扇沢


チンネ (軌跡を電子国土で表示)

天場へ
昨日の雨がまだ残っている。本当なら、昨日のうちに北方稜線を越えて天場に行く予定だったのだが、夜から雨の予報に剱山荘泊まりに変更していたのだ。高山病っぽくて朝食も殆ど食べられなかった。11時、やっと小雨になったので出発、剱を越えて北方稜線を辿り、天場へ。天場整備班に設営を頼み、毒茸さんとおいらで池ノ谷乗越まで雪を取りに行く。
夜は案の定宴会となるが、調子が良くないので先に寝る・・・

チンネ登頂
調子はまだ戻らない。三ノ窓まで来ても何故かだるくて高揚感が無い。大森さんに”リードするか?”と聞かれて、”調子悪いんで遠慮します”と答えると”もう暫く来ないぞ、後悔しても知らんぞ!途中で駄目でも交代できるんだから”と言われ、なら、だめもとでやってみるか、と・・・
三ノ窓雪渓をさっさと駆け下り、チンネ取り付きへ。登攀準備を整え1ピッチ目。

オーダー
 おいら班:大森さん、スーさん
 毒茸さん班:Wooopくん、夏子

何となく湿っぽい岩を、何となく気だるい感じで登り始める。今一信頼感が無いホールドの中から一番信用できそうなものを選んで登る。

2ピッチ目:中途半端な位置で切ってしまい、”低すぎ、もっと伸ばす!”と指摘・・・

3ピッチ目:”途中のルンゼは入らないでその手前の凹角を登るんだ”と言われたものの、あっけなく間違えてしまい、一度スーさんと大森さんに上がってきてもらい仕切りなおし。4ピッチ目は3ピッチ目との相の子になってしまう。この凹角も湿っていて非常にいやらしく、途中からカンテに出る。抜けた後は這い松帯をひたすらロープを引っ張り引っ張り、いっぱいまで伸ばし切って這い松でフォロービレー。ちょっと広いテラスになっているので、後続の毒茸さん班を待つ。

4ピッチ目:がんがん伸ばす。去年は、ここら辺に合流したんだね。

5ピッチ目:ピナクルを左右に避けながら進むが、あっけなく引っ掛けてしまい片方のロープが引けなくなる。”引っかかったぁ!どうしよう?!”、”リーダーが決める!!”、”赤(引ける方)に二人つないで、同時に来てください!”・・・去年の”引っかからないようにロープを回すのが腕の見せ所”と大森さんが言っていたのが良く分かるピッチでした・・・

6ピッチ目:核心の取り付きまでまたピナクルを避けながら引っ張る。

7ピッチ目:核心。核心の越え方をおさらいして、終了点は”とにかく上まで引っ張れば連打したハーケンが見つかるから”と。正面から取り付き、右のカンテへ、ここで一回目のテンションでのレスト。ハングを左に回りこして一手トラバース、いやらしい乗越しは残置のスリングをふっとホールドにありがたく使わせてもらう。よし、これで技術的な核心はこえた、ここからは精神的・体力的な核心、凹角からリッジへとひたすら伸ばす。途中、A0レストを入れて3連ハーケンでフォロービレー。

8ピッチ目〜チンネ:リッジを超え、ピナクル避け、またぎ、どんどん伸ばす、ひたすら伸ばす。そして、チンネ到着!スーさんと大森さんをフォローして合流。失敗はあったけど、兎に角、リードしきった。ここまでずっと引きずっていた気だるさが一気に消えていくのを感じる。思わずスーさんにハグ!ビレーありがと!安心して登れました!!

登攀装備をハーネスと懸垂に必要なもの以外解除し、後続の毒茸さん班を待つ間に食事。合流後、下降開始。去年と同じルートで池ノ谷ガリーの途中に出て、乗越で雪渓から雪を取り・・・ここでなんと雨!げげ!!はっきり言って、ここからの登り返しが一番の核心だったかも??天場に戻る頃には雨も上がり、祝杯を上げて就寝。

剱山荘へ戻る

高山病が尾を引いて、全く進まない・・・前剱までは一緒だったが、前剱からは完全においていかれる。ま、どうって事無い道なのでどうでも良いのだが、余りにも遅れてしまうのは癪。
一服剱で合流して、夏子とおいら以外はここで黒百合のコル経由で下山、大森さんは、明後日、源次郎尾根班と一緒に戻ってくる。
剱山荘に降り、汚れ物を軽く水洗いし外に干しながらシャワーにデポ準備にと余念は無い。まだ体調は万全では無いが、衛星電話を借り、仙人池ヒュッテに予約を入れる。こうしておけば、否が応でも明日は出発するだろう・・・


この日の夕方、剱山頂の祠立替のために剱山荘に移っていたご本尊様を、新しい祠に移ってもらうために剱山荘から引き取る儀式が行われました。
立山神社から行者様一行が来て、この日泊まっていた人や小屋の方等の立会いの下、厳かに儀式が執り行なわれました。

仙人池 (軌跡を電子国土で表示)

久しぶりにのんびりと辿る山。”折角時間があるのだから、仙人池の方に回って、裏剱含めて剱全容を見て回って来ること!”tの宿題に、仙人池までのんびり往復して観光がてらに偵察行を。

剱山荘にクライミング&テント装備をデポさせてもらい、食料以外は日帰り装備と変わらない装備で、のんびりと出発。体調は万全!朝食もきっちりといただきました!

剱沢雪渓を駆け下り(荷物軽いと速いわ!)、真砂沢ロッジでコーヒーを頂き、東面スラブの事をロッジオーナーの佐伯さんに色々と教えてもらう。来年の大森さん計画に、東面スラブから八峰全山縦走があるので、東面スラブのお勉強。

”だったら、良く見えるところがあるから寄り道していけば良いじゃない”の佐伯さんの提案に乗って寄り道してから仙人池に参りましょう。

ロッジから降りて、三俣はまっすぐですが、真砂沢を渡り右岸の尾根に入っていきます。うっそうとした樹林帯の中を梯子谷乗越に向かう道を辿ります。途中から足元を小さな水の流れが出てきて、”飲めそうな水が出てそう!”と思っていたら、”水場”の小さな看板。美味しく頂きます。もう少し辿ると、中腹のちょっと手前で突然視界が開けます。振り返ると正面に東面スラブが”どぉ〜ん”と姿を現します。うぅん、確かにきれいなスラブですが、300m?かなりあります。地図と付き合わせながら山座同定をしてみます。あぁ、見る方向が変わるとこんなに違った形に見えるんですねぇ。

ひとしきり景色を堪能して、仙人池に向かって出発!道の状態は非常に良く、迂回は全く必要なく順調に進みます。三俣で美味しい水を飲んで、補給して、さて、急登にかかります。樹林帯の急登はいつも嫌なもので、水分の消費が激しくなります。ペースはかなり良いのでコースタイムからは半分に切れそう、などともくろんで一気に駆け上がります。時間的中間のベンチで一休み、景色がやっときれいに見えてきました。

急登が終わったところで、反対側の景色もきれいに見えてきて、ブルーベリー(クロマメノキ:ちゃんとブルーベリーです)をつみながら食べながら景色を堪能します。

仙人池ヒュッテに着いて、受付を済ませます。”お風呂は空いてる時間にどうぞ!”、”え?!お風呂あるですか?”、いやいや、剱山域ってお風呂・シャワー有りが多いんですねぇ。”あのぁ、仙人池ってどこですか?”、お風呂含めて、ルート以外の下調べは何もやっていないことの証です・・・

部屋は”八ッ峰”。窓からは”八ッ峰”が窓枠を額にしたようにきれいに見えます。絶景の部屋です。荷物を置いて、仙人池を見に行きます。うぁ、ただただ絶景です。お風呂入ってビール飲んで、また仙人池見に行って、と小屋についているのにいそがしいそがしです。夕食もこれまた小屋の食事としては豪勢で、またおいしんですよ、これが。たっぷり食べて飲んで、摘んできたブルーベリーも食べて、また仙人池見に行って・・・

夕食に


朝食

翌日、朝食前からまた仙人池行って、朝食(これまた豪勢)を食べて、出発前にまた仙人池行って、大森さんと合流すべく剱山荘に向けて出発です。順調に道を辿り、一昨年みたいな低血糖になる事も無く、真砂沢ロッジ。暫くまったりして、ロッジの水を引いている元の場所を教えてもらい出発。源次郎尾根取り付きを確認しつつ雪渓をのんびり登り、先の水場で美味しい水を頂き、剱山荘に着いたら、大森さんたち、もう着いてました。はや!


蛇足

行動食と軽量化

実は、ここで持ち込んだ行動食のうち、パン類は全て使い切った。。
というのは、今回は、装備の軽量化を図り、現地調達できるものは極力現地調達としたから。てゆうか、8日分もの行動食+予備を持って上がる気がしない・・・

現地調達したものは、
・剱御前小屋:カップラーメン、缶詰のフルーツポンチ
・剱山荘:カレー、生ビール、モツ煮、行動食としてのソイジョイやパン各種

現地調達しなかったもの
・粉末のポカリスウェット
・グミ、チョコレート
・天泊時の夕食・朝食

当然、行動食は使い切る前に補充する事が大事で、予備は常にある状態にしておくことは必須。

軽量化の一環として他に取り入れたのが、シュラフを持たない事。今までの経験から、手持ちの3シーズン用シュラフでは暑いので、インナーシュラフとシュラフカバーのみにした。もし寒ければ、レインウェアや防寒具を着込めば良いのだから問題は無いはずで、実際その通りだった。

着替え

流石に、8日間山に入ると着替えがしたくなるもの。しかも、小屋に泊まれば(剱周辺であれば)シャワーなりお風呂があるのだから・・・とは言え、着替えを大量に持ち込むと装備が重くなるので、Tシャツだけは表で水を流している剱山荘で水洗いをさせてもらうことで解決。当然、洗剤は使えないので完全にきれいになるわけでは無いが、着たきり・放置よりはまし。その他のものは・・・ま、ズボンの予備以外は持っているという事で。


源次郎尾根 (軌跡を電子国土で表示)

朝食はお弁当にして、早々に出発。
また剱沢雪渓を下り、平蔵谷末端から源次郎尾根に取り付きます。

オーダー
 大森さん班:りんこさん、夏子、おいら
 飯島さん班:ハリーさん

いきなりの核心!なんて事は無い丸い2mも無い大岩、大森さんともあろう人が支点を取っている・・・?いやぁ、悪いです。きりきり来ます。核心でした!

その後は尾根をひたすら辿り、朝食のお弁当を食べ、
 りんこさんを追いたて、
軽い岩稜を二つ超え懸垂。また尾根を辿り
 りんこさんを追い立てると、
そこは剱山頂直下の雪田、お昼過ぎに山頂へ。今年4回目の山頂通過。

ご本尊様に、今年の山行の成功の御礼と、残りの無事をお願いして下山開始。

今日は調子が良いので、くだりも軽やかです。前剱からもとんとん!っと下り、一服剱からは駆け下りて剱山荘です。シャワー渋滞に3ローテーションの夕食、の後就寝・・・

ちなみに・・・
 1泊目:夕食2ローテ、朝食1ローテ強
 2泊目:夕食1ローテ、朝食1ローテでがらがら・・・
 3泊目:夕食3ローテ、朝食1ローテ半
と、週末となった1泊目は多いとして、2泊目は中日でがらがら、3泊目はお盆と重なり始めて混んでいた、といった状態ですが、半分方の人が朝食をお弁当にしてるんですね・・・剱登ってそのまま帰る位の勢いなのでしょうか?剱山荘に戻ってくるなら朝食食べてからでも十分に往復できると思うんですが・・・

1泊目夕食/2泊目夕食

3泊目夕食/共通の朝食

夏休みをフルフルに使いきった、剱漫遊&満喫の山行でした。

一ノ倉 衝立岩 中央稜
Rhymeの本ちゃんリードデビューの中央稜、今回はトップで登れるところまで行ってみよう!な登攀です。

オーダー
Rhyme班:大森さん、夏子
二等兵さん班:すーさん、はりーさん

前回も参照!ということで・・・

テールリッジ
回を重ねるごとに楽に短時間で抜けられるようになってきたテールリッジ。足元もどんどんグレードを下げていきます。

1P
出だしは快調!なれど、最後の最後でやっぱり詰まる。湿ってるしホールド無いし、ハーケンも脆いし・・・なんとかかんとか乗り越えて乙

2P
いったん左に下がり気味トラバースの後、一気に直上・・・しかし、湿っていてガバっぽいホールドも実は脆かったりしてなかなかすんなりとは登らせてくれない。

3P
2Pと似たり寄ったり?湿っぽさが無い分少しはまし。右に左にラインを変えつつへいこらせ。

4P
えぇ、核心です。乾いていてホールドもしっかりしていて登り易いのは前半だけ。後半は、右に左にルートを換えつつ、ロープが交差しない様にスリングで伸ばしの左右入れ替えの・・・頭使う方が大変。核心は最後のテラスへの乗り越し。微妙にハングっぽい感じで、ハーケンも脆そうなので冒険的な動きも絶対に出来ないし。核心直下は比較的安定しているので、あーでもない、こーでもないとぐだぐだ悩んで数分。行くしか無いので一気に参りましょう!

写真:ほぼ中間点・・・ロープは交差して無い!やった!!
5P
2P並みに湿った嫌な登り。脆いことを除けば(って、これが一番重要)、ホールドは豊富。
今日はここで引き返すので、行きたいところまで登ってそこを終了にして引き返すことに。後発の二等兵さんとも示し合わせて終了!

Dガリー奥壁
今回は、いきなり取り付きから始まる。なぜなら、ここまではいつもと変わらないから・・・

オーダー
 きむにぃ班:大森さん、ちはるちゃん、ハリーさん
 おいら版:Wooopくん、夏子

Dガリー沢:きむにぃを先頭に、いつもどおりスタートしていくも・・・残り2ピッチのところで敢え無くルートミスで落石の雨霰を受ける後続のおいら班・・・ま、いっか。

1ピッチ目:そう、いきなりの核心。下のハングは余裕で超える。3連ハングの1段目、これは余裕。2段目も余裕。ここでビレーヤの写真を撮ってみたりなんかする。3段目、核心・・・なかなか越えれない。後続のためのお助けスリングをかけながら、おいら自身はこれを使わずになんとか越えようと苦心惨憺。ほんと、すごくいやらしい甘いホールドしかないんですよね、これが・・・核心を越えたらスラブ面をクラックを駆使して辿り、中間でフォロー。

2ピッチ目:城砦に向かってスラブを登る。意外と怖い。右手がつって来た・・・フォロー中も右手がつってままならない。

3ピッチ目:たまらず、大森さんにお助けを出してもらう。城砦を潜り抜け、お助け解除。またもスラブを登り、フォロー。

4ピッチ目:枯れ木テラスに回りこみ、あとは楽勝!60mロープをフルに使いきり、一気に広場へ。

広場:4尾根主稜を登ってきた人たちと和気藹々、Wooopくんが”昨日の呑み会で食べようと思っていた生八橋がここに?!”とザックから生八橋が(^^; みんなで美味しくいただきました。

さて、ここからは一気に下山。途中から高山症(最近、一気に高度を下げると頭が痛くなる事が多いのですよ・・・)でばてばて。なれど、最終バスに間に合わないと!なので進みます。
初秋の3連休、快適な登攀でした。

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