山行記 2006年夏休み長期ロード編
剱/チンネ、涸沢/屏風岩 雲稜ルート、北岳/バットレス dガリー奥壁


前段余談
夏遠征に備えての準備のために行きつけ山道具屋に行った折、大森さん、どこ撮Bさん、なおこさんと一緒になった。これが運命の分かれ目。dガリー奥壁は、チンネ・屏風に休みを合わせられなかったてっちゃん・なおこさん夫婦向けで、土曜〜月曜の3日行程だったのだが...なおこさんから是非みんなで行こう!とお誘い(勧誘・強制とも言う)があり、行程を綿密に検討しなおすとなんとか2日でいけそうだ。であれば、2日目に下るメンバーと残る夫妻でなんとかなりそうだ、となり、その場にいたおいら、どこ撮Bさんは参加組にされ、自動的にかみさん、どこ食Sさんも欠席裁判で参加組にされてしまった。足掛け2週間の死のロードが決行される事になったのだ。

またしても辿り付けなかった剱/チンネ(8月6日〜9日)
昨年は体力不足により途中断念した剱はチンネに今年も挑戦。
昨年よりは全員体力が付いた筈なので真砂沢ロッジからでも行けそうだが、より確実性を増す為に、長次郎谷の熊の岩に幕営する事で高度を稼ぐ方針を取った。結果的には別要素が原因で今回もチンネに達する事は出来なかった。
相変わらず遠いチンネ...

メンバー
大森さん
どこでも撮影班Bさん
毒茸(ドクターK)さん
毒茸Jrくん
雨男認定Mさん
かみさん
Rhyme

Day0:快晴
信濃大町は”山岳旅館いとう”さんに集合。
食べて飲んで..

Day1:快晴
信濃大町−アルペンルート−室道−別山乗越−剱沢−雪渓−長次郎雪渓−熊の岩
立山黒部アルペンルートを乗り継ぎ立山へ。水を補給し一路別山乗越へ!ザックには幕営装備一式が入っているのでかなり重い。雷鳥平からの登りがかなり辛い。
別山乗越で暫し休息を取り剱沢小屋前を経由しアイゼン装着の上剱沢雪渓を下り、長次郎雪渓を登り返し熊の岩へ...
ザックが重い、喘ぎ喘ぎ登る。今回新調した(試し履きはしたものの本格使用は初めて)スカルパのグランシャルモは”この時点”では良い感じ。

熊の岩は停滞している大学山岳会のテントで混雑していて、隙間を縫うように2張り、上部雪渓に2張り展開。夕食摂りながら飲みながらのいつもの夜は更けていく...が、どこでも食事班Sさんがいないためどことなくわびしい食事...

Day2:快晴
熊の岩−長次郎谷左俣−北峰稜線−三ノ窓−北峰稜線−長次郎谷左俣−長次郎谷−真砂沢ロッジ
先日、剱沢小屋の派出所で仕入れた情報によると長次郎谷右俣はシュルンド・クレバスが大きく口を開けており通行はほぼ不可能、三ノ窓は通行可能。ならば左俣から北峰稜線を辿り右俣へ抜ける。帰りに右股が使えるか否かシュルンド越えを試すがシュルンドは乗り越せても次のクレバスが越えられないため選択肢から除外。

<- 長次郎谷左俣から剱北峰稜線への取り付き

池ノ谷ガリーを下り三ノ窓に辿り付くもチンネをやっていると帰路に支障をきたしかねない時間、残念ながらタイムアップ、往路を辿り、天場を撤収し長次郎谷を下り真砂沢ロッジへ。三ノ窓でチンネ登攀中のメンバーが下りてくるのを待っている人がいたので、どこから来たか確認すると三ノ窓雪渓から、との事、よし、使えるぞ!三ノ窓!!
長次郎谷の下りでグランシャルモを履きなれていないためか、いつもの重登山靴のホールドの安定感が無いためか異常なまでに足に負担が来る。ソフトブーツは足首の動きが非常に良い分、装備が重い時は足に来るようだ。Bさんもこの下りで1日目に痛めた足が限界に来ているようだ。

チンネ見えてるのに・・・ ->

真砂沢ロッジでは美味しく夕食を頂きながら又いつもの展開へ...


Day3:快晴
真砂沢ロッジ−三ノ窓雪渓−三ノ窓−三ノ窓雪渓−真砂沢ロッジ
Mさんが日程の都合で泣く泣く1人下山へ。Bさんも本職のドクターである毒茸さんの治療の甲斐なく足の調子が戻らないため、行けるところまで行ってから引き返す事で出発。
再チャレンジは三ノ窓雪渓を詰めチンネ取り付きに向うルートを取る。例年であれば雪渓の状態がひどいため通れたものでは無いはずの三ノ窓雪渓が先冬季の大雪で安定した状態になっているとの情報を信じてみる。大雪のため長次郎谷右俣が通れないのだから剱周辺の雪渓として差し引き0という事か?

初めて見る三ノ窓雪渓、でかい!勇壮たる景色とはこいうものを言うのだろ、とにかく圧倒される。幕営装備も真砂沢ロッジにデポしてあるので荷も軽くそこそこのペースで進む。チンネが大きく見え始めたところでBさん離脱、先に進むみんなを見送ってから引き返す、との事。じゃ、行ってくるね!!
と意気揚揚進み始めた。。。が!チンネ取り付きまで虎視の間まで迫った時、そこにあったのは飛び越える事も難しいクレバス!なんてこった...昨晩のうちに切れたようだ。右の草付き帯を辿れそうなので少し引き返す。かみさんはとても行けそうに無い、とここで断念、まだ見送ってくれていたBさんに合流すべく退避。大森さん、毒茸親子、おいらの4人でアタックをかける。
ルートファインディングで大森さんが単身アタックをかけるがかろうじて進める程度の難しさ、チンネアタック後夕闇をヘッデンで下るにはかなりの困難を極めそうなので敢え無く断念...下山してくる2人組みがかなり前から見えていたがこの時点でも見えない、という事は先もかなり手ごわいという事だろ、無理は禁物、来年もある、チンネはいつでもそこにある(はず)だからまた来れば良いじゃないか。
Bさん、かみさんに手信号で戻る事とそこで待つように指示して撤退へ

体力的、精神的に追い込まれた下りはかなり辛い。足に来る...昨日は再チャレンジの希望を持っていたが今は敗退、撤収のみ、とは言え、三ノ窓を殆ど上まで登れた事は稀有な事でありいい経験とも言える、そう言い聞かせて三ノ窓雪渓を下り真砂沢ロッジへの帰路に着く。途中、野猿の群れにガンを飛ばされたのは...

疲れが溜まっているところにカロリー計算のミスをして、最後の30分の行程でおいらだけ徐々に遅れ始め、最後の登りの真下でとうとう停止してしまう。ロッジでのみんなの会話が聞こえているしアンテナも見えているので最悪這ってでも行けるだろう、といったんザックを下ろして休憩しようと、ザックを下ろしたとたん、手と口の周りに痺れを感じ...しまった、低血糖!?(毒茸さん、現職の看護学校助教授Sさんに聞いたらやはり低血糖だったようだ)慌ててザックこじ開けドライフルーツを取り出し数個一気に口に放り込む(杏の種を思いっきり噛んでしまったのはご愛嬌)。数分後には一気に体力は回復しさっさとロッジへ。

疲れきった体に真砂沢ロッジのお風呂は良く染み込み、疲れが一気に取れる。敗退したとは言え、また来年もあるさ、と来年のリベンジプランを立てながらの夕食といつもながらの展開に暮れていく懲りない面々は宴に酔いしれていくのであった。

Day4:快晴
真砂沢ロッジ−雪渓−剱沢−別山乗越−室道−アルペンルート−信濃大町
本当はもう一発リベンジしたいところだが、明日には上高地に移動していなければならないので泣く泣く下山へ...足取りは決して軽くは無いがそれでもかなりのペースで1000mの高度を稼ぎ別山乗越へ。ここで往きにあったオスプレーザックでペアルックを決めた若夫婦(カップル?)に再会。話を聞くと6峰、源次郎尾根は快適に登れたとの事、こっちも敗退の経緯を話、お互いに良い山行だった事を確認しあう。そう、やっぱり良い山行だったのだ。

山の閑静さを一気に忘れさせてくれるアルペンルートを乗り継ぎ扇沢、信濃大町へと戻る。
アルペンルートの乗り場の注意書き・以下のものは載せないで下さい:不潔なもの、異臭を放つもの...山に3日もいればこれに該当するんだけど...

移動の日:快晴
毒茸号、ちゃたろう号に分乗し、信濃大町から松本へ出る。松本で買出しを行い、ついでに寄った古本屋で、探していたフリゾン・ロッシュの「青春の氷河」、「山へ還る」を見つけ衝動買いしてしまう。
松本から沢渡に出てタクシーに乗り換え上高地へ。酔人さん、Hさんと合流。明神を越え徳沢へと入る。
徳沢にてBCを設営し早速お決まりのお楽しみモードへ。そうこうしていると、どこ食Sさん到着。なんでもボーイスカウトかなにかに着いてきたらかなりのハイペースだったらしく大汗をかいている。到着ごの一言、「ここだけ異様だよ、妙に黒いよ」。そりゃそうよ、みんな剱でこんがり焦げてきたんだから...
そんなこんなで夜は更けていく。

まだまだ技量不足・穂高/屏風岩 雲稜ルート(8月11日)
チンネの欲求不満を抱えつつ転進した先は、屏風岩 雲稜ルート。
とにかく岩に触りたい、その一心で望んだ屏風岩。体力はいい具合に復活している、さて行けるか?!

メンバー
大森さん
山想酔人さん
どこでも食事班S女史
どこでも撮影班Bさん
毒茸(ドクターK)さん
毒茸Jr
物理教師H女史
Rhyme

オーダーは
大森班:どこ撮Bさん、毒茸Jr
毒茸班:どこ食Sさん
山想酔人班:Hさん、おいら

the Day:快晴
夜明けと同時に出発、5時。横尾から涸沢へ道に入り途中から梓川徒渉を行いT4への沢に入る。徒渉は岩を飛んでいく者、裸足になってジャブジャブわたる者それぞれ。梓川は冷たかった...
沢を詰めあがるとそこには雪渓があり、T4取り付き、8時20分着。登攀準備を整え、酔人班が最後から出発、最後尾のおいらは9時35分取り付き。
T4尾根
1P:V
いきなり良い感じのフェース。快適に登る。

2P:V-
そこそこ快適なフェース。

3、4P:III
浮石がある斜面を登る。登攀ではない。
比較的大きなT4テラスに出る。
屏風岩 雲稜ルート
T4テラスから眺める屏風岩は、今まで見慣れた種類の壁では無い。
登っておいで!とは決して語っていない、登れるものなら登って来い!といった感じだ。今まで感じた事が無い緊張感を覚える。
1P:V
いきなりの凹角、ハング越え。
先陣をきった大森さんもかなり苦戦している。ハング下にアブミをセットしているが、かなりきつそうだ。フリーの選手である毒茸Jrはアルパインでのテンションの掛け方に馴染めないらしく、大森さんのテンション指示に適切にテンションがかけられない。上からは「もっと張れ!」の指示が飛ぶ。
毒茸さんはリード、フリーで超え高らかにVサイン。やっぱパワフル。そんなみんなの苦労を尻目に、おいらは落石に気を付けつつ観察しつつまったりモード。
酔人さんのリードが終わり、フォロービレー準備完了によりHさん、おいらのスタート。凹角はかなり高度感があるがホールドはしっかりしている。変なところを取らない限りは大丈夫だがかなり腕力を使う。ハングは...あっさりとアブミにA0して取り付き、A1で乗り越える。が、乗り越えた後のアブミ回収の方が大変...
かなり狭い(2人がやっと)のバンドに4人、Hさん以外はハンギング。状態。
毒茸さんがどこ食Sさんのビレーをしているが、ロープが全く動かない。かなり心配になってくる。声をかけても反応無し、しかしセンチ単位でたまにズルズルと動くところを見ると進んではいるようだ(後で確認すると、アブミを使いながら進んでいたらしい)。かなりの待機の後、酔人さん出発、おいらがビレーする。
2P:V+
酔人さんは速い、ロープの出が滞ることなく我々のスタートとなる。Hさんがてこずる事は分かっていたのでかなり間隔を空けてスタート。が、ピナクルに出る直前で追い付いてしまいかなり無理な姿勢で待機する。Hさんがピナクルの向こう側に出たのでおいらもスタート...戻ってくる!!再度待機。戻ってく来れるのは大したものだと思いつつ進んでくれなければおいらの腕力は消耗されていく。アドバイスしたいがここからでは何も見えない、がんばってくれ!!程なく、Hさんがピナクルからリッジを回りこんで行ったのでおいらもピナクル越えにかかる。本当は上を越えれば良いのだが、ロープが下になってしまうのでピナクルをトラバースするように越える。すごい高度感と不安定な足場。おいらの任務の一つは全てのガチャを回収してくること。ロープがかかっている・いないに関わらず全ての支点に目を凝らすと...ボルトにかかっているワイヤー、しめしめ、これは別のグループが忘れていったのだろ、拾った!ラッキー!!と回収。ピナクルを越え、リッジを回り込むみ凹角へ。上から大森さんの「ワイヤー回収した?してなかったら戻って回収!!」の声、さっきのワイヤーは忘れ物じゃなかったのか・・・「回収したに決まってるでしょ!」と凹角を登るとそこは...テラスとは名ばかりの扇岩テラス。壁と岩に挟まれた狭い割れ目...
3P以降は時間が押していたのでキャンセル。毒茸さんが人工の練習で登りTRにしてフリーでJrがチャレンジするが離陸すらできず。さすがの選手も外岩は勝手が違うようだ。

懸垂3PでT4テラスへ。休まずにいそいそとT4の下降に取り掛かる。

T4取り付きで登攀装備解除。下山へ、18時40分。かなり時間が押しているのでさっさと下る。梓川徒渉直前で日没、ヘッデンを頼りに徒渉。今度は靴のまま岩伝いに進む。
一般道に出たところで、宴会用ビール購入と受付のために毒茸親子が先行する事になった。残りはそれでも速いペースで横尾、徳沢と天場へ向かう。21時10分徳沢着。

疲れているはずなのに夜のお楽しみはちゃんと楽しんでから就寝。

Day+1:曇り
まったりと起き、まったりとBC撤収し、まったりと出発。いそいそと上高地を目指しタクシーで沢渡へ。各車に乗り換え帰路へ。

休息の週
バットレスには一つの壁が立ちはだかる。それは、広河原17時30分の最終バスに間に合わなければならない事だ。仕事をしていてもつい思い出してしまう時間の壁。登攀開始は日の出=5時30分:明るくなり始めるのは5時、下山に使用する時間は4時間はほぼ決め打ちなので、登攀にかけられる時間は7時間。B沢ガリー、下部フランケ、dガリー奥壁それぞれに・・・頭が痛い。

久々の改心の一撃・北岳/バットレス dガリー奥壁(8月19日〜20日)
メンバー
大森さん
どこでも食事班S女史
てっちゃん、なおこさん夫婦
かみさん
Rhyme
剱で痛めた足で屏風岩をやったどこ撮Bさんはやはり無理がたたり欠席

Day1:快晴
てっちゃん・なおこさん夫婦の車に便乗して芦安へ。芦安でどこ食Sさんと合流し手配してあったタクシーで広河原へ向い、大森さんと合流。食事をしてアイゼンをデポし御池小屋へと向う。
大森さんは何故かかなりのハイペースで飛ばし、どこ食Sさんが心拍数上がりすぎ、これだと無酸素運動になる!とかなり理論的な指摘を飛ばす。おいらもHRmaxにかなり近いなぁ、とひそかにペースダウンを意識する。まぁ、とにかく昨年とは比べ物にならないペースですっ飛ばし白根御池小屋に到着。
新築された御池小屋は本当に快適で、なんと、トイレは完全水洗式!これでお風呂かシャワーがあれば完璧なのに...いやいやそんな贅沢は言ってられない。夕食前からジョッキで生ビールを頂きながら、のいつものモードに突入したのは言うまでも無い。それでもいつもよりはみんな早く寝たみたい(おいらとSさんが一番早くダウンした)。

Day2:晴れ
深夜1時30分起床。最終パッキングを行い2時10分、御池小屋出発。ヘッデンを頼りに進む。二股を越えバットレス沢に入った辺りで振り返ると風の谷と相模労山のヘッデンの列が見える。取り敢えずは我々達が先頭を切っているようだ。昨晩の話では2グループとも四尾根という事なので取り付きでビバークしている人がいない限りdガリーは我々の借り切りになりそうだ。

取り付き4時25分着、小屋の朝食弁当を食べながら登攀準備、夜明けを待つ。5時、計算通り薄明が射す。

オーダーは
大森班:なおこさん、かみさん のレディースチーム
Sさん班:てっちゃん、Rhyme のセバスチャンズ

5時15分・・・・さぁ!出るぞ!!!
5尾根支稜:3級
1P:III
取り付きから左に大きくトラバース、足元が嫌な感じ。
2P:III
快適なフェース、昨年右にトラバースをかけた地点まで到着

3、4、5、6、7、8P
ゴーロ帯をひたすら...あれ?下部フランケ通り過ぎちゃった(^^; dガリーを一気に登破してしまいました。
気が付いたらdガリー奥壁取り付き、8時5分着。後になって考えると、下部フランケパスによりバスに間に合ったとも言える。

9時半、セバスチャンズ、1P目を開始する。
dガリー奥壁
1P:V+
4段ハング、クラック、スラブ
のっけからハングである。なおこさんは持ち前の根性でオールフリーで越える。かみさんは一段目でつまずきどうやっても超えられない。Sさんがリードで取り付きがてら(取り付きを間違えると登りにくいようで2度ほどやり直していた)お助け設置とホールドの指示をしてくれるがそれでも登れない。かなりの時間を費やして1段目を越えSさんもリード再開。
2段目以降は右端によっていく。ホールドとなるクラックは左にしかなく正対では取り付けない。アンダーでカムをセットし、テンションテンションでおいらも右引き左引き右緩めて・・・の変則ビレーを行う。3段目を越え左のフェースを乗り越したところで、Sさん水分補給。かなり疲れたのね・・・
フォロー準備完了後セバスチャンズスタート。てっちゃんが先に行く。
1段目、手足共にかなりワイドに開き安定はするものの力が入らない、左足に乗り込むようにずりっ、と上がり右にトラバース。
2段目、こいつは正面からがっつり越える。
3段目、アンダーを取り左手をハング上に、右足を強引に上げ体を左に振って乗りあがる。
4段目、2段目と同様に越える。
ここまではちょっとしたバランスがあれば乗り越えられるが、この上はホールドの無いスラブ。てっちゃんは背が高いのでかなり上にあったホールド見つけたようだがおいらには無理。クラックで強引に体を引き付け左面上の残置に手を伸ば、いや伸ばしたいがてっちゃんが使った際に上に持ち上げられていて手が届かない...もう一歩上がりA0。もう少しがんばればフリーだった??
ハングを超えるとクラック・スラブ・草付き...とにかく正対で攻める。クラックにねじ込んだつま先が痛い。
四尾根を見ると、風の谷と相模労山のパーティーが見える。
2P:V
クラック・スラブ・草付き...
とにかく安定しない。特に上部のスラブは非常に滑りやすい。四尾根から見るとちょうど赤い岩が繋がっている部分だ。安定感が求められ、3P含めスラブの核心と言える。
3P:VI
ひたすらスラブ...登り詰めるとそこは城塞下部。
4P:VI
オフウィドスの下半身チムニー
体をねじ込むようにそして、上に抜ける...チムニー内のホールドはあるにはあるが今一不安。とにかく体をねじ上げるしか無い。上に抜けるとしっかりしたスラブを辿り城塞の取り付きへ。
5P:III
城塞チムニー
ルートは2つある。城塞を右にトラバ−スし四尾根の枯れ木テラスへ合流する方法と、チムニーをくぐり一気に上に抜ける方法。てっちゃんはチムニーを行きたい様子。
リードSさんは右にトラバースを選択。おいらに繋がるロープだけをかけて行く。これでおいらはチムニー突破は出来なくなったわけだが、元々行く気が無い...どうやら、チムニー突破よりもグレードは高かったようだ。
枯れ木テラスから回り込んでチムニー上部に出たSさんがてっちゃん用にチムニー内にお助けスリングをかけて行く。フォロー準備完了後セバスチャンズスタート。てっちゃんはチムニーに突撃しおいらはそろりそろりとトラバース。枯れ木テラスから城塞脇を登る。
城塞上部に登り詰めるとちょうどチムニーからてっちゃんが出てきた。スリングは使わずに登れたらしい。ここからは幅も十分にあるので2人で平行して登る。ちょうど、先だって放送されていたHNKの氷壁で2人が平行して登った穂高屏風岩(実際には三ッ峠屏風岩で屏風岩違い)のシーンを再現、ちょっと感動。
昨年同様、最終終了点にはロープが足りず途中でビレー中のSさんを越え終了点のお花畑へ。

11時45分!ゆとりを持って下山できる時間だ。登攀用具を解除し軽く食事をして、12時30分、下山開始。

一度稜線に抜け、八本歯のコルを経由しひたすら下る。ただひたすら下り、二股で1本、またひたすら下る。4時10分、無事広河原へ。少し休憩してジャンボタクシーで芦安へ。Sさんバスに乗り換え、夏休みに入るてっちゃん・なおこさん夫婦と別れる。

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