山行記 槍ヶ岳・鹿島槍ヶ岳(2006年4月29〜5月5日)編


槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳:GW二つの槍目指して リターン
今年もやってきた、GWの長期ロード。
例によって例のごとく、前半は槍(個人)、後半は鹿島槍(OfficeAlpine)の2本立て。

準備
今年のGWの計画は非常に困難を極めた。理由は、昨年からの天候不良による積雪の多さとGWまでの気温の低さである。このままの天候がそのまま続くのであれば、さして危険は無いはずなのだが、気温が上がると大規模雪崩発生の危険性が伴う。
さてどうするか...

そもそも、年始からの計画では、後半は鹿島槍では無く北穂南稜か前穂北尾根だったのだが、先述の様な雪の状態ではアプローチすら困難を極めるし、わざわざ雪崩の巣に突っ込んでいく馬鹿もいない、という事であっさりと予定変更、鹿島槍をアプローチ時点での最良のルートで登る(東尾根除く)事となった。

前半に備えての調査・準備は今まで以上に多岐に及んだ。主は槍沢の状況確認だが...
槍ヶ岳山荘のHPとブログに、小屋空けから写真付で現状の報告が載せられており非常に参考になるが、一番は小屋の人の生の声。直前に確認しても、”小規模雪崩は起きているが、例年であれば落ちきっているはずの雪がまだ稜線上に残っているため、引き続き雪崩の危険性大、積雪量も例年よりも多いので要注意”との事。
他にも長野県警への問い合わせや長野・富山・岐阜県警のHPも参考にし、大森さんにも意見を聞いた。
雪が多いのは特に問題では無いのだが、やはり雪崩は困る...さて、どうする?
結論:取り合えず上高地まで入り、その先は状況を見ながら判断しよう、判断できるはず...保険として槍ヶ岳山荘に予約を入れておく。もし大規模雪崩等の重大問題に巻き込まれても、槍沢ロッジの宿泊者名簿と入山届を付き合わせれば我々が巻き込まれたか否か判断してもらえて、それにより何らかの救助・捜査をしてもらえるだろ事を期待して。

上高地<->槍沢<->槍ヶ岳(4月29日〜5月1日)

4月29日(晴れ) 家〜上高地〜槍沢ロッジ
雪が多いとの事で、普段よりも足が遅くなることを想定し早目に取り付くことにした。
鹿島槍用の天泊装備も ちゃたろうに詰め込んで沢渡に乗り込み、そこからシャトルバス。釜トンを出るとそこは一面の雪景色。美しさへの溜息と同時に、予想以上の積雪から来る足鈍りへの溜息...朝食はバス内で済ませ、上高地では入山届提出のみとしさっさと出発。8時30分なので思惑通りの早出となった。
GW時期は、登山道上の雪は徳沢を出るまでは殆ど無いのだが、今年は除雪されてはいるが上高地からずっと雪が付いている。

明神、徳沢はさっさと通過し、途中から梓川の河原(川の上??)を歩き、横尾にて昼食。長野県警の山岳救助隊の方がいたので雪の状況を確認すると、事前確認の状況から変化無し(ちなみに、涸沢では積雪14mとか)。とにかく雪崩だけは十分に注意して欲しいとのことで、それはこちらも重々承知、怖ければ引き返してくるつもり。県警の方が言うには、
・ここ暫くの雪崩騒動で、大分出足が悪い
・そのような状況でもここに来ている人は2種類の人
 1.危険性を十分承知
 2.何も分かっていない
1の人は、各自での対処するだろうから特に心配していないが、2の方は非常に心配
・引き返せるか?引き返すことが一番困難であることを意識して欲しい
との事。引き返すのは確かに難しい。せっかくここまで来たのだから、と思ってしまうと絶対に引き返せない。”引き返す勇気、山は逃げない”、今回は一層心に刻み付ける。
横尾山荘の前で積雪は1.5〜2m程度。道標の看板部分のみ掘り出してあるだけに過ぎない。完全に積雪期モード突入。

晴れて気温が高いため、雪が腐り、踏み抜きが激しくなかなか足が進まない。予想はしていたので焦る事も無い、ただワカンなりスノーシューがあれば快適なのに、と思わないでもない。トレースを見ると先行は数人(10人はいないはず)、どうやらMSRのスノーシューも2人いるようだ。足は確かに遅いが確実に進み追い越されることも無く、途中2組のパーティーと出会いながら、15時槍沢ロッジ着。15時30分からお風呂、宿泊客が殆どいないのにお風呂の準備をしてくれたスタッフの皆さんに感謝感謝!
ここで出会った単独行のSさん、Kさん率いる5人パーティー(上高地から要所要所で出会い、情報交換等をさせていただいてました)、写真中心の若手2人組み、ゆっくりスノーシューの初老の夫婦、他、合計20数人(これだけしか槍沢ロッジまで入っていない)がこれから先の同行者だ。

4月30日(晴れ後雪一時晴れ後暴風雪) 槍沢ロッジ〜槍肩〜槍アタック
朝食後、ザックを背負って即出発、6時30分。晴れ間は見えているが、天候悪化の気配濃厚。ババ平を越え大曲を越えいよいよ槍沢へ。ババ平での積雪量は岩小屋がすっぽり隠れる程度なので2m強か?
槍沢上は小規模なデブリが出ている。しかもその殆どが真っ白、すなわち新しいのだ、恐らく昨日のものだろう。ルートを示すポールは絶妙にデブリにかからない位置に付いている。さすが槍ヶ岳山荘のスタッフ、いつもながら頭が下がる。

雪は締まっていて歩き易いが、いつもながらの足行き低下が起こる。それでも他のパーティーと同程度なので良いとしよう。天候が少しずつ悪くなる中、つぼ足で一気に高度を上げグリーンバンドでクランポン装着、シングルストックをアイスバイルに換える。ここから徐々に傾斜がきつくなり天候も益々悪化する。槍穂先はおろか、最接近点でも発電機の音は聞こえるものの殺生ヒュッテも全く見えない。最後の急登直前でKさんのパーティーに追いついたが、そのまま後に付かせてもらう。抜かせてもらえたのだが、先行しきる自信が無かった。

ラッセルの必要も無く、槍ヶ岳山荘、11時40分着。山荘前ではスタッフの方が重機を掘り出していた。なんでも”昨日掘り出したばっかりなのに...”との事。やはり降雪・吹き溜まりが多いようだ。下では天気が良すぎて暑かった(X6での計測で最高17度)のに、肩では雪だったようだ。
受付を済ませ部屋に入り(2人で4人部屋独占!)、キッチン槍で昼食にカレーをいただく。昨年のおねえさんから”毎度どうも!”と声がかかる、完全に顔覚えられている(^^;
土間には、”雪が多く梯子・鎖が使えないためアイゼン、ピッケルワークが確実にできない人は穂先に行かない様に”と張り紙(^^; 逆に登攀意欲に駆られるが無理だけはしないようにしないと。

天候は悪化の一路を辿り、ここで運命を分ける決断に迫られる。すなわち、
 穂先登頂は明日早朝に期待しアルコールを摂取する

 往復可能限界時間まで粘るためにアルコールをガマンする
か...もともとアルコールに弱いので当然後者を取るが、周りはほぼ半々の結果となった。

何をするでも無くキッチン槍でみんなと話をしていたら、”見えたぞ!”と大声。外を見ると槍穂先がキレイに見える、上空も晴れ渡っている。手元に置いていたカメラを引っ掴み外へ、周囲の天候と雲行き、穂先の雪の具合を観察しつつ数カット撮影。この晴天は一時的なものであり天候好転の兆しでは無いものの1時間強ならば十分に行動可能、穂先も雪の状態も付いている所が多いもののプロフィールがよく分かっている部分なのでこれも突破可能と判断、即座に登頂準備へと取り掛かる。キッチン槍からは”しまったぁ、呑んじゃったよぉ”と悲鳴、一応、行ってきますと声を掛けておく。Kさんのパーティーはロープも持っていくようだ。

オーバーヤッケのポケットに非常食を詰め、クランポン(ペツル ナザックFL)装着、手にはアイスバイル(グリベル エアテック EVO ハンマー)を持ち(スリングとカラビナで簡易肩下げ式&使わない時のフォルダーにする)取り付く、14時10分。先行は5名。

穂先付け根をトラバース気味に進み雪混じりに岩場を直上、リッジの裏に出てアイゼン登攀で第1梯子に向かう。梯子を越え雪が詰まったホールドを掃除しつつ進むと20m程度の雪面。一部凍結もあったのでシングルアックスでの登攀とダガーポジション(=ロウダガーポジション、ピオレパンヌ)、を使い分けスピード突破。第2梯子は登りルート側のスラブが気に入らないので、全員下り側を使う。梯子直下の数十センチだけ鎖が出ているので有効活用。そこから先はアイゼン登攀で最終梯子、一気に登りきる。取り付いてから15分、夏もあわせて最短時間。いや、本来空いていればこの程度の時間で登れるのだ。
穂先でみんなで写真を撮り合う。すでに雲がかぶっているので景色は良くないが、それでもたまに雲の切れ間から景色が見える。天候が悪化してきているから長居しても条件が悪くなるだけなので、全員登ってきたのを確認してから順次下山にかかる。
前向き、時には後ろ向きで慎重にルートを選びながら大きな雪面まで下る。雪面はダガーポジションでフロントポインティング効かせつつ慎重に突破。第1梯子は本来登りルートのものだが、取り付いている人数が非常に少ないので、わざわざ下りルートの嫌な雪面を下ることも無い、全員これを使って下ることにする。ちょうど第1梯子にかかったところで、Kさんパーティが第1梯子の登りに取り付くところだったので、待つことにし後続にも安全なところで待機するように伝える。先頭を行くKさんから先の状況を聞かれたので状況を説明しすれ違う。ちょっと遅いのでは?30分以上取り付きが遅い...5人全員登りきってから直ぐに第1梯子を下り、リッジを越え、本来はそのまま下るところを雪面を左にトラバース後雪面を下る。実は登りの時に目を付けていたのだが、予想通り雪が締まっていて歩き易く、さくさくと下り(かみさんは怖かったらしいが...)無事下山、15時15分。みんなで健闘と無事下山を祝してから槍ヶ岳山荘へ、全工程1時間5分。あの時の晴れ間は影も無くすでに荒天へ。風も強くなり始めている...Kさんパーティーが心配だが...

キッチン槍にいるアルコールメンバーに無事戻ったことを伝え、件のおねえさんから穂先の状況を聞かれたのでレポートしてから部屋に戻るとSさんがお隣の部屋に入るところ。これで安心して呑めるぞ!とビールをキッチン槍に持ち込み宴会モード。Sさんも合流して盛り上がる。
昨日からの沈殿組から洋ナシの蒸留酒をいただいたりなんだかんだでそろそろ夕食の時間17時。あれ?スノーシューのご夫婦がいないのでは?Sさんからスノーシューのご夫婦をグリーンバンドで抜いた聞いていたが、まだ着いていないのは遅いのでは?天候も暴風雪に近い状態になりつつあり、昨年29日の老人の件もある...忙しいところ申し訳ないと思いつつ、件のおねえさんに状況を説明し気に留めておいてほしい旨をお願いした。
夕食時に用意されている食事を数えると24人、沈殿メンバーは自炊なのでこの3人を加えても27人、豪勢に槍ヶ岳山荘を独占(^-^) とここで誰とは無くKさんたちがいないんじゃない?と...そう言えば戻った気配も無いし...スタッフの方も把握しているだろうし、Kさんなら大丈夫であろう、何にもましてこの天気と殆どみんな呑んでいるので何もできない、待つしかないでしょう...

食事が終わると、おねえさんから、ご夫婦は”ペースが遅いので肩に着けない”と自発的に槍沢ロッジに引き返していた、との連絡を貰いました、良かったぁ(^^) 同時に、連絡を取っていただきありがとうございました<m(__)m>

となるとKさんたち、どうしたのだろ...と思っていると全員無事下山。その後、談話室でも何があったか話したくない、と云う雰囲気だったので特には聞かなかったので状況は分かりませんが、とにかく無事で良かったです。

食後はまた談話室でまったりした時間を過ごしつつ、壁のボルダリングウォールでボルダリングの真似事をしつつ、天気図を確認しつつ(あまり天候変化は無さそうだけど、下界では今も晴れているそうな...)消灯、おやすみなさい。

5月1日(暴風雪後曇り) 槍肩〜上高地
昨夜からどんどん悪くなる一方で、山荘の周りの吹き溜まりは80cmを越えようとしている(昨日掘り出した重機、また掘り出さないといけないですねぇ、スタッフの皆さんお疲れ様です)。ドアを開けると雪がサッシに詰まり閉められなくなる、とその隙間から雪が舞い込んでくる始末...迂闊に開けてしまうとスコップでの掻き出し必須!出発は遅れそうだ。5時30分、朝食を摂りつつ話をすると、少なくとも山荘から20m下までの風がもう少し弱くなるまでは待とう、と云うのがやはりみんなの見解。さて、いつまで待機やら...スタッフの方に聞くと、瞬間ながら風速50m/sを越えていたとの事、凄過ぎる...(槍ヶ岳山荘のホームページによると、平均風速は5時時点で13.2m/s、6時時点で10.8m/sとのこと、2日は日中から更に激しい風だったようだ)

土間ではいつでも出発できるように数組が待機中、我々もいつでも出発できるように準備を整えておく。スタッフの方は悪天の中、玄関前の除雪を終えており感謝感謝。
6時30分、風が納まってきたので山荘の中が慌しくなる。外の状況を確認すると出れそうな気配、即座に出発準備にかかり外でクランポン装着、出発する、6時50分。も、やはり風は強い。20m下れば、と分かってはいるものの数度の耐風姿勢に一瞬不安がよぎる。
視界10m以下の中を下り、予想通り20mくだらないうちに急に風が止み視界もグンと開け始める。播隆上人の岩小屋辺りまで見える位まで視界が回復してから、さて、ここからは新兵器・簡易ソリの登場!山荘でも似たようなソリを持っている人を見かけていたのでシュプールを探すと...有った(^^) こっちはそのシュプールと反対のトレースの右側に大きく出てからソリをセット(カラビナでザックのウェストベルトに付け、両手が使えるようにしてアイスバイルでの制御ができるようにしておく)し、尻セードならぬソリセード開始!雪が湿っていて、事前練習時よりは速度は遅いが確実に速度が上がり快適!これだとオーバーパンツも傷めないのでより快適!!但し、速度が出るので要注意。
グリーンバンド手前辺りから速度が出なくなり、先のシュプールに乗り換えると...速度復活!が、それも天狗原への分岐の下辺りまで...先行者の方とシュプール作りを交代しながら悪あがきを続けたが断念、ここからは歩き。
雪は腐り始めていてずぼずぼはまる...大曲手前でクランポンを外し、先の若手パーティーと休憩を取りつつ、雪崩に注意しながら槍沢ロッジへ、8時30分。
先の雪の状況も悪いので早目に出ることにし、気温が低いので一昨昨日よりはまだましな状況の中、横尾へ。横尾で軽く食事を摂ってから梓川の上を歩きつつ、徳沢へ。徳沢で例のごとく山菜蕎麦をいただいてから明神、上高地へ。
登山道上の雪は融け切りいたる所に池ができていたので部分部分は道を外れて雪の上へ...ズックや革靴で歩く観光客を尻目に速度を上げ上高地着、15時。

今日のお宿、西糸屋さんでお風呂で疲れを取り、備え付けのコインランドリーで洗濯し(鹿島槍に向けての準備...)、いつもながらのおいしい夕食をいただき、今年から登場の共用PCを借りてメールチェック&掲示板への下山報告カキコをし、ニュースで針ノ木雪渓での雪崩を知り、なんだかんだしている内に眠くなってきたのでお休みなさい...
西糸屋さんの新サービス
共用PC:基本的にはIEとWMPしか起動できない作りになっていますが、殆どの種類のメディアカードに対応したリーダー(xDカードもOK!)にカードを挿すとメディアの中のファイルが見えるので写真も見れるしペイントにも切り替え可能。また、ロビー付近なら無線LANも使えるそうなので、行きしなにノートPCをデポしておくのも手かも?
喫茶室でのフリードリンク:宿泊者のみコーヒー、紅茶他がセルフサービスで飲み放題!情報交換の場としても有効活用を!!

移動の日:(雨のち曇り)リエゾン 上高地〜大町山岳博物館〜大谷原駐車場
昨晩からの雨は止んでおらず、喫茶室で暫しの沈殿。他の方と話をしていると、昨日は涸沢は入山禁止措置が取られたとか。当然、下山側も禁止との事。
雨は降ったり止んだりなので、いい加減なところで出発を決意、バスターミナルからバスで沢渡、お留守番していた ちゃたろうに乗り換えいざ信濃大町へ!
大町で山岳博物館に立ち寄り、明日からの鹿島槍に備えての食料他と夜食の買出しをし、夕食を摂ってから大谷原の駐車場へ。テントを張るのが面倒だったので ちゃたろうの中で寝ることに。夜1時過ぎ、外がガサガサと騒がしいので起きると大森さんたちが到着しどうやら呑む気配、夜食を持ってお相伴に。後半戦は合計9人、そこそこの大所帯。

大谷原<->赤岩尾根<->高千穂平<->冷乗越<->鹿島槍(5月2日〜5月5日)
さてさて、後半戦開始。

5月3日(快晴) 大谷原〜高千穂平手前
共同装備分配と朝食後、駐車場から林道の入り口まで車で移動し林道をダラダラ歩き始める、8時20分。荷物が重い...前半戦のザック、マムート アイス35lからミレー キャプサン45−55lに換えているが2重の口は中のしか閉められず雨蓋で押さえつけるようになっているにも関わらずクランポンが入らない...フライ、ポール、シュラフ、テントマット、エアーマットと食料が増えただけなのに...まぁ、林道と天場までだけだから何とかなるか、と云うかするしかない。
林道を抜けると、赤岩尾根は突然急登から始まる。参る...しかし、この急登は夏は来たくないなぁ...
予定では高千穂平まで行く予定だったが、高千穂平はそれほど広くないのでテント4張り張れるか分からないので130mほど下の所で雪を均して急ごしらえの天場を作り、そこをBCとすることにした(BC14時30分着)。明日は30分ほど早く出れば辻褄は合うはず。その分、重い荷物を担ぐ時間を短くして体力温存と同時に行動時間の合計時間の短縮を図るわけだ、が、天場作るのとどっちが楽だろ?と思うまもなく壁・トイレ付きの素敵なBCができた。
今回はテントが飛ばされないようにしっかりと固定&全テント結束を行う。
振り返ると、昨年登った鹿島槍東尾根がきれいに見えている。
BCができたら各テント毎で水作りに励み(我々夫婦は二日分、6l作った)、同時に夕食を摂る。食後は少しアルコールを摂ってから明日に備え18時過ぎには就寝。

5月4日(快晴) BC〜高千穂平〜冷乗越〜鹿島槍ピストン5月4日

5時30分出発予定に備え、4時起床、朝食とピストン用荷物への換装を大急ぎで行うも出発は5時45分。
相変わらずの急登を踏みしめ高千穂平を越え(ショートロープ使用開始)冷乗越手前のトラバースへ。なぜかここら辺から気分が悪くなり止まると意識が朦朧としてくる。休もうにも休める所ではないので冷乗越で、と思うがここでも回復の兆し無し。どうやら軽い高山病の様だがいつもと違い頭痛は無い。あとで聞くとS女史も調子が悪かったらしい。高山病持ちとしてはつらい時間帯だった。
冷池山荘はそのまま通過し、先の稜線上で休む。少し横になると気分爽快に復活!ここから先は登山道は殆ど雪は無いが稜線の東側は雪庇が大きく張り出している。雪と土まだらの登山道よりは雪の方が歩き易かろうと暫くは稜線ぎりぎりの雪の上を歩く。布引山の先からクランポンを外し鹿島槍南峰の付け根辺りから再度クランポンを装着、殆ど休む事無く頂上へ。
頂上までの稜線上は左に剣、左後に槍、右には鹿島槍東尾根がきれいに見えておりまさに絶景!しかも暑い...頂上からの景色は尚絶景!久しぶりに景色を堪能。


鹿島槍南峰より 北峰・奥に向けて東尾根

帰りは往きと全く逆のパターンを辿る。布引山の手前で雷鳥の夫婦(と云うか雄1羽にメス2羽の群れ)と出会う。結構近くまで寄っても逃げない。どうやら雪虫を食べているようだ。冷池山荘でビールの買出しをしてずんずんと下る。高千穂平からBCを確認すると、ちゃんとテントはあります(^-^)
16時BC帰着後、夕食準備、夕食、アルコールと進み19時頃就寝

5月5日(快晴) BC〜大谷原〜家
6時出発に向け4時起床。朝食を済ませテント撤収。
ショートロープで6時10分出発!雪の状態は良いとは言えず、たまに踏み抜く人有りながらも、ズンズン下る。登りの時は脇を通ったクラックもど真ん中突破と状況はどんどん悪くなっていっている。あれだけ時間をかけて登ったところをあっと言う間に下りきり、取り付きで休んでから大谷原へ。大谷原8時40分着。共同装備回収他をしてからみんなで温泉へ。
温泉で汗と疲れを落としてから解散!
われわれ夫婦は温泉の向かいにあった劇団四季資料館に立ち寄ることに。

その後は ちゃたろうで一路家路へ!短い渋滞に巻き込まれつつ昼食も摂れずに家まで...おなかすいた...

ルートとトラックのGPSデータ(カシミール3DのGPSファイル=GDB形式)

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