山行記番外編 2005年総括的なもの


冒険の扉を示そう
そこには、あらゆる困難が待ち受けているだろう
扉を開けるのは君だ
望むなら連れて行こう
 
 パリ・ダカールラリーの創始者であるティエリー・サビーヌによるパリ・ダカの理念

2月からゲレンデでの練習を真剣に始め、5月には初アルパインの鹿島槍東尾根、7月の北岳バットレス、マチガ沢東尾根、8月は錫状、八ッ峰、10月には一ノ倉衝立岩、昨年までの自分なら只眺めるだけの岳に取り付いている自分がここにいる...そして、たくさんの仲間がいる。

2005年は本当に山三昧の1年だったし、恐らく来年もそうだろうと思う(今、きちんと覚えないと何も身に着かない様な気がするので、体が覚えるまではみっちりとやっていきたい)。
個人的なものは5回に満たないが、逆に大森さんのところでのクライミング講習やバリエーションルート等のトレーニング的なものは行かない週末は月に1回有るか無いかと云う位に、多分にアルパインを意識したものとなった。
今になって、昨年までのクライミングに関する自分の山行記を見直してみても、正直笑ってしまうくらいである。何を笑うのか?
あの時の自分なりに必死に登りそして考えていたことが、今ではあまりにも当然に登れ、そして考える事無く動ける事。そして、何よりも、あれで満足していたと云う事。あの時は全くアルパインを意識していなかったのであの程度で良かったのだろう。しかし、アルパインを意識しだした今となっては、正直恥ずかしいくらい。逆に、初心に帰ることも必要だから、たまに読み返してみようと思う。

なぜここまで変わったか?それは大森さんと出合てしまったからだろう。今までは”自分には縁の無い世界”と思っていたアルパインの世界の扉を開けてしまったからだ。大森さんは自分にとってはティエリー・サビーヌみたいなものだ。そしてたくさんの仲間とも知り合えた。今まで、特に仲間と一緒に山行を行った事の無い自分にとっては、アルパインの世界と同時に新たな境地となった。いや、仲間がいるからこそアルパインも出来るのだから本当の山の世界に入り込みつつあると云う事なのだろうか?

堅苦しい話はここまでにして、2005年フラッシュバック!

ゲレンデ
三ッ峠
去年登れなかった”さあてこれから”のレッドポイント(RP)を始め、目いっぱいで登っていたところは安定して登れるようになり、そして新たな課題”草溝”、”ガイドルート”が出現。初めてクライミングをしたところなので、自分にとっては成長の物差しみたいなところ。

小川山
まだまだスラブが苦手である事を突きつけてくれた”左岸スラブ”、TRながら10台初の一撃を果たした”トムといっしょ(5.9との噂も...)”。なかなか行く機会が無いのが残念。

湯河原幕岩
回数としては一番行っている。それ故に残している課題も多い。”アリババ”、”ヘイ・ジュード”、”シャックシャイン(まだまだオーバーグレード)”、”帰還兵”他多数...しかし、半年での成果が分かるものもあり、”ポニーテール”6月には歯が立たなかった(3回挑戦して、1回だけかろうじて登れた)ものの、10月には問題なくTRでRPできリードにも挑戦できそうだし、アナザーガールも安定してTRでRPできるようになった(1回目:敗退、2回目:登れたり登れなかったり、3回目:敗退、4回目:4回連続TRながらRP)。

城山
ここも自分の成果が分かったところ。去年は歯が立たなかった”ブルースカイ”、””があっけなくTRながらRP。何度もテンションがかかったものの、10台が始めて登れたのもここ。

丹沢広沢寺
5.7と簡単ながらも、初リードをした岩場。

アヨロの岩場
初めてかみさんと夫婦2人だけでゲレンデに挑戦した岩場。頼る人がいない精神的な難しさを堪能(?)。

ほんちゃん
鹿島槍東尾根
なんといっても始めてのアルパイン、そして数々の試練...テントが無いに始まり、夜間行動、初めてのビバーク。やれば出来るという自信が付いたのも事実です。

チンネ
たどり着けなかっただけに、来年は絶対に行ってみせる!としか言えない...

北岳バットレス
初めての無雪期バリエーション。アルパインの過酷さを思い知らされる事になったが、次はもっと落ち着いて楽に行けるだろ。そんな思いがある。

一ノ倉衝立岩中央稜
行っちゃったよぉ!としか言えない一ノ倉。アプローチのテールリッジだけでごちそうさま、と言いたくなるくらいで、どんどんと逃げ場をなくしていく自分を感じる。ほんちゃんでの初リードもここで果たし、そして、本当の過酷さと難しさを叩き付けられた。

仲間
全員を紹介することは出来ませんが、今年1年で本当にたくさんの素敵な仲間と知り合えました。
いえ、仲間がいたからこそ1年続けられたのでしょうし、これからも続けられるのでしょう。

2006年の目標は
ゲレンデ:5.10のリード、5.9のフラッシュ
ほんちゃん:どこでも良いので夫婦二人だけでの踏破
あれ?2004年総括で書いたのと変わっていない?いえいえ、確実にステップを辿っていると云う事ですね。

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