山行記 北海道 登別 アヨロの岩場(2005年12月31日)編


北海道 登別 アヨロの岩場:2人っきりでの初のゲレンデ
初めてかみさんと2人っきりでのゲレンデ挑戦!しかも初めて行くゲレンデで。

事の始まり
ロクスノ19号を眺めていると...”北海道で唯一、冬でも登れる岩場”として登別は室蘭漁港脇にあるアヨロの岩場というゲレンデが紹介されていました。
スラブのボルダリングがメインですが、数本TRプロブレムがあり、内1本は5.7とRhymeでもオンサイトフラッシュできそうなルートがあるではないですか。正月帰省ついで(実家は登別市の隣の隣の伊達市なので車で1時間ほど)に1本やるか、と野望が芽生えます。
トポ図上、ピンの明記も終了点の明記もありません。情報を集めるものの全く無し、困った...でも5.7だから何とかなるだろう。師匠大森さんに相談し、終了点工作の徹底レクチャも受け夫婦2人だけでの挑戦に許可をもらい、以後のゲレンデではリードを意識した練習にシフト(リードを積極的にやる、TRでもヌンチャクを掛ける、ストーンマジックで2人だけでリードをやる&落ちてみる)し、年末に備える。もちろんマイロープ(マムートのシングル50m)も購入!

行ってみた
日本中が大寒波に襲われている年末、胆振地方で天候が良くなりそうなのは大晦日と元日の2日のみと非常に限られた時間での挑戦となる。大晦日にアヨロ、元日は室蘭岳というスケジュールにし、アヨロに挑戦!

朝10時、実家の初代ヴィッツ4WDにロクスノ、ロープ、ハーネス、ガチャ一式、オーバーヤッケ・ズボン他防寒装備を積み込み出発!久しぶりに高速に乗ってみたけど、がらがら...しかも路面凍結で50km規制。下道を行っても大して変わらない?高速を下りて、登別駅前を左折、ニクス城直前で右折で踏み切りを越え通りに出たら左折で直ぐに右折で登別漁港に侵入。倉庫通りに左折で侵入し道なりに進むと小屋の前に到着。ヴィッツはここでお留守番。積雪は20cmくらい。オーバーヤッケ・ズボンを着込み装備を持っていざ岩場へ!
ヴィッツを停めたところからすでに岩場は始まっていますがゲレンデはちょい先からの様です。一筋の踏み跡が残る雪の上を進みます(人の気配は全く無し・実際、帰るまでまで誰とも会わなかった)。ロクスノのトポ図を見ながら上を見ながら進みますが、インディアンサマーが見つかりません。終了点1つ(残地スリングが見える)とハーケンが打たれたルートらしきものが数本有りますが、ルート・インディアンサマーかどうか分かりません。
気がついたら奥の浜に...前の浜にあるはずなので戻りますがそれでも特定がなかなかできず...どうやら、終了点があるルートが要NPのルートの一番左のルートようです。他のルートは終了点が見当たりませんし、木もありません。ここが分かればインディアンサマーはと...
愕然としました。ピンはハーケンで2ピン。下のピンはなんとか使えそうですが、2本目は錆び過ぎで下から見る限り一番薄いところで5mm程、錆が表面だけであれば耐えられそうですが、海辺であることから中までさびていると見た方がいいでしょう。そうすると...怖くて使う気になりません。また、チョークの跡を辿るとカンテ沿いに行くようですが、頂上は笹薮でとてもピンがあるようには見えません。
”マジかよぉ...”と思いつつも準備開始。ちなみに、下からそんなに見えるのか?という疑問がある方もいるかと思いますが、Rhymeの視力は裸眼で両目とも1.5ですので、カモフラージュでもしていない限り15mやそこらならペツルでもRCCボルトでもハーケンでも見つけられますよ、という事で。
インディアンサマー取り付きからもろスラブ。フリクションも甘くハンドホールドも無し、所々に付着物か腐食跡みたいなものがあるもののエッヂがきつく脆い為、指に食い込んだ挙句に剥がれる始末。何度か取り付き位置を変えつつ慎重に進み1ピン目へクリップ。
正規のルートと思われるリッジはここから左だが2ピン目は上記の通りなので使いたくないのでそのまま直上をかける。傾斜は少しゆるくなるものの相変わらずのスラブ(湯幕のアナザーガールのスラブに近い?)。クラックが通っているものの中には土と雪が詰まっていて草も生えている始末で使い物にならない。完全にグランドフォールするランナウトとなりながら頂上へ(実際にはそこから上もあるものの笹薮)。

見回してみても終了点のピンは無く工作できそうな木も無し。正規ルートの終了点付近にもピンがある気配なし。残置スリングも見えないし、残置スリングが無いならリングが有るはずだがそれもある気配無し。終了点直上から笹薮&雪が積もっているのでこの中にあるのかも知れないがここからも見えない。
仕方が無いので右にトラバースしたところ、先述の要NPのルートの終了点が見えるので慎重にそこまで移動。雪が積もった部分もある笹薮なのでクライミングシューズでは不安...

セルフを取って要NPのルートの終了点からこのルートを見下ろしてみるが、TRでもちょっと登るのはいやな感じで、ここにTRを張るのはやめて下りることにする。

ここの終了点は、特大のホッチキスの針を打ち付けた様な形のものが2つで、そこに如何にも古そうな残置スリング(硬化してゴワゴワ)が1本でこれも使いたいと思わない。ので、ホッチキスの針にロープを通し直してロワーダウン。丁度、1ピン目に向かう様な斜面になっているので、所々の積もった雪で滑らないように慎重に下りる。ヌンチャクを回収し、右に振ってから再度ロワーダウン、ロープを回収し終了。

要NPのルートを見に行く。TRなら何とか登れそうだったが、先のトライでモチベーションが下がりきっていてトライする気になれない。来年はカムを使えるように練習して再チャレンジ?

このまま帰るのは癪なので、ボルダリングの真似事をしてみます。特にルートを決めるわけでは無く、登れるところを落ちても怪我しなさそうなところまでです。ボルダリングの安全確保は全く実績が無いので無理はしません。
また、奥の浜の偵察もしてみます。こっちはルーフあり鏡のようなスラブ・垂直スラブありワイドクラックありとフェース以外は何でもありそうです。TRプロブレムにしたら面白そうなルートもあり、大森さんを連れてきてルート工作したら面白そうかな、とも思う次第。

結局、Rhymeはモチベーションが下がったまま特に何かにトライするでも無く、かみさんはボルダリングの真似事に徹してから13時頃引き揚げることにしました。

今回の成果と言うと...まぁ、自分たちだけでも何とか工夫しながら登ることができることが分かった、って事位で実りあるものでは無かった感じです。実際のところ取り付く前から、ピンの錆と終了点が見つからなかった事、後述のゴミの件でモチベーションが低下し始めていたので後味は悪いです。

追記
前の浜のTRプロブレム周辺ですが、ここら辺だけ岩の取り付きから2mほど雪がありません。なので、人が集まりやすいのか何なのか、非常にゴミが多かったです。空き・飲みかけのペットボトル、空き瓶、ビンの破片(此処までは新旧問わず)、BBQ用(?)コンロの残骸、他。空き瓶・ペットボトルだけなら漂着物の可能性もありますが口が開いているものが漂着するとは思えず、飲みかけの物もあったくらいですから意図的に投棄されたものかと思います(コンロなんて特にそうですよねぇ)。クライマーの物なのか、他の地元の方の物なのかは計り知れませんが、正直、”なんだ此処?”って感じでした。量が少なければ、岩場へのお礼で回収したでしょうけど余りの多さに何もやる気がおきませんでした。自分たちが登るのに危険は物(取り付き付近のビンの破片等)は寄せましたが、それ以外は...今まで行ったことのあるゲレンデがキレイ過ぎるのかここが異常なのか、(クライマーか他の人か不明ながら)マナーが悪い人が出入りするところなのだなぁ、と実感しました。

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