山行記 裏妙義・丁須ノ頭(2004年8月26日)編


裏妙義・丁須ノ頭:やっぱり鎖場を求めて!

国民宿舎裏妙義<->丁須ノ頭
北アルプスを敗退し、あまった夏休みを利用して裏妙義は丁須ノ頭に行って来ました。
このコースはICIの越谷さんに勧めて頂きました。

国民宿舎 裏妙義 7:06-7:30
駐車場に車を停めさせてもらう事を受付に届け出て、朝食を摂って、入山届けを出して出発!
天気は良好とは言えないが、雨が降る気配も無い。

”力無き者、ここで去れ”とパリダカのモーリタニア砂漠並みの看板が入り口に鎮座している、この先にも同じ看板がもう1個。ちょっとわくわく。

沢ともなんともつかない沢筋を登る事になる。ルートファインディングはそれほど難しくは無いが、しっかりとリボンまたはペイントを追わないとルートを外すことは必至。要注意。
途中、スズメバチの来襲、ヒルの来襲(かみさんが餌食に)、蛙の来襲(?)もありで、イベント盛りだくさん。
また、長い鎖場が連続する箇所があり、技術的なものは勿論、鎖をゴボウで使う場合は腕の持久力が必要なので体力的にも自信が無い人は避けたほうが無難かも。クライミングができる人は、鎖を使わないのも一興かと。Rhymeは、極力鎖無しで登ってみました。
ということで、今回のネタは鎖場の解説を後半部分にまとめたいので、記録としては一気に丁須ノ頭へ飛びます。
丁須ノ頭 10:25-10:55
ここまで来る間、誰とも会わなかった。こんな静かな山は2002年春の奥多摩は本仁多山以来かも。
思ってたよりも小さい丁須ノ頭(鎖は付いているものの、登る気にならないくらい険しい)、もっと小さいテラス。
奇岩が並ぶ稜線を見て、先に進むことを断念。思っていたよりも険しそうで、しかも、ガスが濃くなってきたのと、誰もいない中進む決心が付かなかった、はっきり言うとびびってしまいました。後日再調査したところ、それほど難しくなさそうだったので、時期を見計らって再挑戦予定。
雄大な景色を眺めつつ、コーヒーを飲みながら軽くお昼。

下りでやっと人と出会う。しかし、1人だけ。平日だからなのか、もともと静かなのか、シーズンを外しているのか...お互いの健闘を祈りつつ、立ち話をして別れる。
国民宿舎 裏妙義 13:31-15:30
下りでもスズメバチの来襲を受けつつ、ルートも1度ならず失いかけ(ルートファインディングに手間取っただけで、誤ってはいませんが)、無事に下山。途中、綺麗なトンボがたくさんいてつい見とれてしまいました。
お風呂を頂いて家路に。

さてさて、鎖場のRhyme的説明編です。登場順は、国民宿舎 裏妙義から丁須ノ頭に向かってです。
技術レベルは、鎖場の通過の仕方はちゃんとわかっているけど、クライミングはやっていない人、を前提としているつもりです。
※あくまでRhymeの主観なので、実際の山行では自分の技術に応じて安全な越え方を検討してください。
鎖A
大したことは無いので、さっさと通過しましょう。
固定ロープ(スリング)
1つ目の鎖を越えると、丸太を使ってのトラバースになります。この丸太から下りる時(下山時は登る時)に使うのですが、これが無いとなかなか超え辛い、ありがたいロープです。この手前で大穴が開いているのはちょっと驚きですが。

注)2004年11月6日に再度訪れた際、このロープ(スリング)は外れていました。
鎖B
長いと言えなくも無いですが、上り下り共に鎖無しでも何とかなるレベルです。さっさと越えましょう。
河原(?)から一気にそそり立っているので、高度感はそれなりに感じるかもしれません。
鎖C
ロングです。3段に中継されています。足元もしっかりしているので上り下り共に補助的に使うのが良いでしょう。
鎖D
写真が有りませんが、鎖Eと似た感じの鎖です。ホールドがありそうな感じですが、もろいので鎖を有効活用します。
鎖E
ロングです。2段に中継されています。斜面も緩やかなので鎖無しでもいけますが、足元が滑りやすいので注意です。
鎖F
トラバース用です。3段に中継も取られている位長い長いです。そして、たるみも大きいので、頼りすぎるとバランスを崩しますが足元もそれほど良いとは言えず、微妙な鎖です。最上部は足元がV字型に切れ込んでいて狭いです。
鎖G
きく3パートに分かれています。
1パート目と2パート目はオーバーラップするように付いています。乗り換えのタイミングを図りましょう。
3パート目はトラバース用です。
この写真のように途中で写真を撮る、などという行為は危険ですので慎みましょう(って、Rhymeは準備をちゃんとした上で自己責任で行っています)。丁度、オーバーラップした辺りで撮ったもので、足元に鎖が2本見えます。
鎖H
テラスへ上がるための鎖です。長いです。鎖を補助的に使うと良いでしょう。

左上に見えるのが丁須ノ頭。
登場しない鎖
丁須ノ頭から屏風岩方面に抜ける場合、7つ目の鎖の直下から尾根筋に行けそうなのですが、ちょっと足元が不安な切れ間があります。行き易いルートは、6つ目の鎖を越えたところにあるロープを使って沢側に少し下り、そこから出ている鎖を使って尾根筋に出る、と云う事のようです。この鎖は、上記の足元が不安なところの直下に出てきます。

総じて
鎖場の連続で、ゴボウで登るには相当の腕力と持久力が必要となるでしょう。クライミングの技術を身に付けて極力鎖を使わない事が体力温存に繋がりそうです。”力無き者”の看板が示すとおり、ハイキング気分で行くことは絶対に避けるべきだと思います。技術があればそれほど苦しむことは無いでしょう。
※クライミングの基礎技術が無いのに鎖を使わない、鎖を使う技術が無い、鎖を使えても腕の持久力が無い、と云った方は行かないほうが無難と云うものです。表・裏妙義で落ちる人はこういう人が殆どらしいです。
にしても、これだけの鎖場が続くとは恐れ入りました。表妙義も相当の鎖場があるとの事ですが、取り敢えずは、裏妙義を踏破してから表妙義を踏破したいと思います。表妙義の”ビビリ岩”や”三方境”など興味津々です。

ルートとトラックのGPSデータ(カシミール3DのGPSファイル=GDB形式)

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