山行記 乾徳山 (2004年7月18日)編


乾徳山:鎖場を求めて!

丹沢の行者岳以外の練習場を探す為に、鎖場を求めて乾徳山に行ってきました。妙義山にも鎖場があるとの事ですが、とりあえず乾徳山から。
今回の鎖場で試したいことは、それは鎖場を登りながらの写真撮影。北アルプスのキレットから穂高縦走でどこまでの写真が撮れそうか試してみたいのです。
ステップに立っている時は勿論、鎖をゴボウしながら撮れるかも試したいわけで。結果は本文を!って、危ないので真似しないで下さいね、って、説得力無いですね...あと、ルートが混んでいる時は、先に行ってもらって空くのを待つ、写真は諦めてさくさくと通過する等、邪魔にならないよう十分に注意しましょう。

3:30 出発
家を出る時、なんか天気が悪い。雨が降りそう、と思っていたら小雨が...それでも行くだけは行ってみようとちゃたろう君で出発。
公共機関を使っていくと、6時前に家を出て、中央線の塩山からバス、それでも9:30を過ぎてしまいます。しかも、上高地に行く松本電鉄のバスとは桁外れに小さいバスで座れる保証も無ければ乗り切れる保証も無しで、且つ帰りは16:20しか無いと云う不便さ。タクシーなら予約をしておかないといけない、と云う事で、今回は(も?)ちゃたろう君で行くことにしました。駐車場に停められないといけないので早目に出発です。
関越道を花園インターに向けて走っていると大雨に...目的地方向は降っていない感じ。新潟方向には一際大きな雨雲。新潟の一部に水害をもたらした雨雲だろうか?兎にも角にも登山口までは行ってみようと(今後の為の偵察にもなるだろう)、ひたすら走り、花園に着く頃には雨は止みました。花園からは長瀞を越えて大滝村、荒川村を越えて行きます。雲取山の入山に使っている三峰神社に行く途中から雁坂トンネル方面に進路を変えます。雁坂トンネルを越えると登山口のある徳和はすぐそこです。

6:20 登山口近くの駐車場着
大きくは無い駐車場ですでに7割ほど埋まってます。天気も晴れていて、絶好の登山日和!

6:42 駐車場発
住宅街(?)を抜け、林道を通り登山道に向かいます。

7:10−7:12 登山口
入山届けを出すところが無い...初めての無届登山となってしまった...参ったなぁ...
とりあえず、一つ目の休憩ポイント、銀晶水まで行ってみよう。
ん?看板に”熊多し、注意せよ!”、って、まじ?

林道を何回か越えながら樹林帯をひたひたと登ります。天気が良い事も手伝って暑いです。

7:37−7:43 銀晶水
小さな水場です。ちょろちょろとしか流れていないので、給水には向かないかも。しかし、美味しい水ですので味わってみる価値大!

(丸印が水の出ている所→)

ここから先も樹林帯の中をひたすら高度を稼ぎます。うっそうとしているのでGPSも受信感度が悪く軌跡が飛びまくりです。しかも、途中から受信しなくなり、次の休憩ポイントの錦晶水までデータ無しと云う事態に...そうそう、新たにVistaを購入したので、Ventureはかみさんの元に、そして今回は2台体勢で臨んでいたのですがVentureはちゃんとデータを拾っていました。何か違いが有るのか??

8:29−8:47 錦晶水
銀晶水よりは大き目の水場なれど、決して水量は豊富とは言えない水場です。けど、ここの水も美味しいです。

(←錦晶水)

そういえば、今日はスズメバチが多い気がする。偵察飛行しているのと何回か遭遇し、只ひたすら飛び去ってくれるのを待つのみ。でかい方のスズメバチなので非常に恐怖です。

さて、次は何所まで進もうか。

8:54 国師ヶ原付近
下山道や太平方面への分岐があるのですが、この付近でごみの山を発見。瓶・缶が殆どなのですが、朽ち果て方から見ると相当前に捨てられて感じ。とにかく大量なので拾う気も起きず無視を決め込む。しかし、何で??と考え込んでしまうほど大量のごみだった。

小休止をはさみつつ、月見岩まで高度を稼ぐ。月見岩の手前で草原に出る。風が心地良い。

9:21−9:40 月見岩
大きな岩があり、岩の根元に荷物を置いて休憩。なんとなく登ってみたくなる岩なのでふざけてボルダリング。上に上ってみると、反対側は殆ど高さが無い。うぅむ、急斜面に埋もれているのね、この岩は。てっぺんから振り返ると富士山が見える、進む方向には乾徳山(らしき山)が見える。絶景である。
9:45−9:48 扇平
小休止を取るほど歩いていないけど、折角なので景色を見ながら小休止。ちょっと雲行きが怪しいかな?

再度樹林帯に突入。ここから岩場が出てきて楽しくなってくるはず...
10:22 1つ目の鎖場
乾徳山扇平側には、大小あわせて4つの鎖場があります。そのうちの小1つ目です。2m位?
特に鎖を使いたくなるような所では無いので、ボルダリング風で挑戦してみました、が...妙に滑るのです。嫌味な位。何気なく取り付いた1回目は足が滑り落ちてそのまま着地、あれ?気を取り直して真剣に挑戦。腕力中心でクリア。

(←鎖場を上から)

鎖を越えると右に細い足場をトラバース気味に進みます。あまり良くない足場に岩場を進むと、V字の岩場の切れ間に1本の丸太が出現します。これの先には...


10:28 嫌な梯子
岩にはさまれた梯子があります。それほど長くは無いのですが慎重に下りましょう。

(梯子の途中にて→)


10:31 2つ目の鎖場
梯子を越えてすぐに2つ目の鎖場。10mほどでしょうか。しかし、傾斜があるので鎖を使わずとも越えられる範囲内なので鎖は使わずに進みます。しかし、乾徳山の岩は磨かれたようにツルツルで滑りやすいので十分に注意しましょう。

中段のステップから下を撮った写真です。ちゃんとしたステップがあるので安心して立てます。

(1600X1200 434kb)


10:33 3つ目の鎖場
息つく間も無く3つ目の鎖場です。15mくらいでしょうか。上下2段になっていて、下の段は鎖を使ったほうが無難な感じなので、下段だけは鎖をゴボウで上ります。上段は鎖が2本有り、右の方が登りやすそう。

中段のステップから下を撮った写真です。ちゃんとしたステップがあるので安心して立てます。

(1200X1600 458kb→)

ここからしばらくは鎖はお休みです。樹林帯の中を進みます。

11:00 4つ目の鎖場
この鎖場が正念場です。25mあるそうです。ちょっと休んでから挑戦です。
ここも上下2段になっていますが、鎖は1本、中間支点無し。つまり、一人しか取り付けません。なので、必ず声をかけてから上り下りしましょう。
この岩も妙に滑る岩で、下段はクラックを使えば鎖無しで行けそうなのですが、安全の為に鎖をゴボウで使うことにします。

上段は慎重に行けば鎖無しで行けそうなので、鎖無しで行きました。
ごぼうしながら足元を撮ってみました。ソールをべったりと岩に貼り付けていますが、これでもちょっと気を抜くと滑るのです。参りました。
終了点から下を見ると...いやぁ、結構な高度感ですねぇ。

(←1600X1200 438kb)

11:10−12:44 乾徳山山頂

ガイドブックなどでは狭いと書かれていますが、決して狭くないです。ただ、岩がごつごつしているので落ち着ける所は少ないだけです。なんとか場所を確保して昼ご飯にします。今回はスパイシーパスタなんぞを用意してみました。ホエーブスも順調に燃えています。良かった良かった。いつも通りコーヒーも飲みます。ちょっと上の岩場にいた老夫婦が、出発される時、”下りてきたら良い香りがするわねえ”って、”声をかけてくれたらお分けしたのにぃ、今度見かけたらコーヒー頂戴って言ってくださいねぇ”と冗談を良い交わしました。そういえば、最近はバーナーを持っている人もあまり見かけないですねぇ。中高年の方が多いので、体力的にも軽量化の一端としてバーナーを持たないのでしょうか。
山頂からの景色ですが、少しガスがかかって来て富士山は見えませんでしたが、切れ間から見える景色から推測するに、晴れたら絶景でしょうね。

1時間半もまったりしてからいざ下山です。下山は下山道を使います。往きとは逆側に出るとすぐに鎖が現れます。その直下には梯子が。梯子までの落差が大きいのでこのロープを使って一気に足を下ろしなさい、と云う事です。しかも、その梯子はアルミ製で4段あるのですが最後の1段が折れて使い物にならないとこもってきて、下から2段目も折れかけでステップの下にボルトを通して支えている、と云う、なんともスリル満点です。
12:55 下山新道分岐
ちょっと痩せた岩尾根を抜け高度を下げると樹林帯に入ります。すぐに、分岐が現れます。地図ではピークを一つ越えてから下山道に入るのですが、どうやらショートカットする新道ができたようです。近道ならこれを使ってみましょう。
いやぁ、この道は登りたくないです。急ですし浮石だらけで、しかも滑るし...難儀する道です。

13:42 旧(?)下山道との合流点
1時間かからずに旧(?)下山道と合流します。

合流して少し行くと小さな鎖場がありますが、鎖を使うほどでは無いでしょう。

14:10−14:16 国師ヶ原ヒュッテ
だらだら下ること国師ヶ原ヒュッテに出ます。もともとは営業小屋だったのですが、現在では無人となっており非難小屋として利用できるようです。結構きれいな小屋で、無人にしておくのは勿体無いです。ヒュッテの前は天場になっており、10張り程度は張れそうです。
ここで、ちょっと前に追い越したおじちゃん・おばちゃんの団体さんに追いつかれました。”何所から来たのぉ?”、”埼玉から”、”あら一緒だわ”と会話が盛り上がりました。初めて乾徳山に来られたとの事ですが、なかなかのコースタイムです。いや、我々がまったりしすぎなのですが(^^ゞ

14:18 国師ヶ原の分岐
再び 国師ヶ原分岐点に戻ってきました。ここからは往きと同じ道を引き返します。
景色を見ていたら先程の団体さんが追いついてきました。”きれいねぇ”、”本当、きれいですねぇ”とまた会話が弾みます。が、足そのものは我々の方が早いので先に行きます。


(↑国師ヶ原の分岐から乾徳山 2888X1160 1555kb)

14:28−14:49 錦晶水
高度を下げるにつれ暑くなってきます。水浴びがてら大休止と参りましょう!水分補給&家でのコーヒー用の水を汲んで、まったりします。
ここで、先程の初老のご夫婦に追いつきました。丁度出発されるところで、”今度はコーヒーご馳走してねぇ!”、”いいですよぉ、声かけて下さいねぇ”と名残を惜しみました。
そうそう、またもスズメバチ来襲!行って戻ってと2回やってきましたが、じっとしてやり過ごします。
スズメバチをやり過ごしてまったりしていると、先程の団体さんが追いついてきました。何所まで下りるか話をしていると、何か噛み合わないところが...どうも、太平方面でタクシーを予約しているらしいのですが、分岐点で進む方向を間違えたようです。本当は直進(ちょっとオフセットされていて、少し左(月見岩方向)にずれている)しないといけないところを右に曲がってしまったようです。曲がり方をリーダーの方に説明していたら、”引き返すのぉ?”、”やだぁ、”、”タクシー予約してんだから戻らないといけないのよ”と言いつつも、”いやぁ、おかげで助かったわぁ”と、休憩をしてから引き返していきました。こういう道間違いって精神的に疲れるんですよねぇ、うんうん。

さて、あまりまったりもしてられません。樹林帯の中、一気に高度を下げ、気温を上げます...

15:13−15:20 銀晶水
泣いても笑っても最後の水場、水分補給と参ります。

15:39 登山口
無事下山!

駐車場に戻るとあれだけいた車はほとんどいません。いかに我々がまったりしているかの証明です。
駐車場近くのお店でカキ氷をいただいて家路につきます。

今回は”笛吹きの湯”と云う村営温泉で汗を落とします。温泉を使った銭湯+、といったところでしょうか。売店が無いので風呂上りの牛乳が飲めません...
夕食は、近くの”清水”と云うお店で”イノブタ鍋”を頂きました。”美味しんぼ”でも紹介されているお店です。”イノブタ”というのはオスの猪とメスの豚を掛け合わせたものとの事ですが、1世代限りとの事。味のほうはあっさりした猪肉、といったところでしょうか。美味しいですよ。

総じて
久し振りに困ったさんと会わない山でした、いえ、昔経験した、知らない人との他愛ない会話を楽しめて久し振りの山らしい山でした。恐らく、丹沢(塔ノ岳周辺)と違って、それなりに経験がある人が多いからかもしれません。アクセスが不便ですから相当山が好きか、アクセスに便が良い所に住んでいるか、どちらかなのでしょう。本当に久し振りにほのぼのとした山行を楽しんできました。

ルートとトラックのGPSデータ(カシミール3DのGPSファイル=GDB形式)

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