(昭和二十三年三月三十一日)
(政令第七十四号 )
改正 平成一〇年一一月二六日同 第三七二号
児童福祉法施行令をここに公布する。
児童福祉法施行令
目次
第一章 総則(第一条−第八条)
第二章 福祉の措置及び保障(第八条の二−第九条の十一)
第三章 児童福祉施設(第十条−第十三条)
第四章 費用(第十四条−第十八条の二)
第五章 大都市等の特例(第十八条の三)
附則
第一条 児童福祉法(以下「法」という。)第六条の二第六項に規定する放課後児童健全育成事業は、これを利用する児童の健全な育成が図られるよう、衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施されなければならない。
第二条 児童福祉審議会の委員の任期は、二年とする。
A 前項の委員に欠員を生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第三条 児童福祉審議会の委員長は、会務を総理する。委員長に事故があるときは、副委員長が、その職務を代理する。
第四条 児童福祉審議会は、委員長が必要と認めるとき又は委員の総数の四分の一以上の請求があるときに、委員長が、これを招集する。
第五条 児童福祉審議会は、委員の総数の二分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決をすることができない。
A 児童福祉審議会の議事は、出席委員の過半数でこれを決する。可否同数のときは、委員長の決するところによる。
第六条 中央児童福祉審議会に幹事八人以内、都道府県児童福祉審議会及び市町村児童福祉審議会(特別区の置く児童福祉審議会を含む。以下同じ。)に夫々幹事六人以内を置く。
A 中央児童福祉審議会、都道府県児童福祉審議会又は市町村児童福祉審議会の幹事は、厚生大臣、都道府県知事又は市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が、夫々これを任命する。
B 幹事は、委員長の指揮を受け、庶務を整理する。
第七条 中央児童福祉審議会に書記六人以内、都道府県児童福祉審議会及び市町村児童福祉審議会に夫々書記四人以内を置く。
A 中央児童福祉審議会、都道府県児童福祉審議会又は市町村児童福祉審議会の書記は、厚生大臣、都道府県知事又は市町村長が、夫々これを任命する。
B 書記は、上司の指揮を受け、庶務に従事する。
第七条の二 児童福祉審議会の委員、臨時委員、幹事及び書記は、非常勤とする。
第七条の三 法第十一条第一項の規定により置かれる児童福祉司の担当区域は、法による保護を要する児童の数、交通事情等を考慮し、人口おおむね十万から十三万までを標準として定めるものとする。
第八条 都道府県が児童相談所を設置し、又はその設備の規模及び構造等を変更したときは、都道府県知事は、厚生省令の定めるところにより、厚生大臣に報告しなければならない。
第八条の二 法第二十一条の三第三項(法第二十一条の九第八項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める医療に関する審査機関は、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める特別審査委員会及び国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第四十五条第六項に規定する厚生大臣が指定する法人に設置される診療報酬の審査に関する組織とする。
第九条 法第二十一条の九第五項に規定する政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 結核にかかつている児童のみを収容する一又は一区画にまとまつた二以上の病室を有し、かつ、その病室の収容定員がおおむね二十人以上であること。
二 結核の診療に相当の経験を有する医師を置き、かつ、結核の診療のために必要な設備を有すること。
三 結核にかかつている児童の療養生活の指導を担当する保育士その他の職員を置き、かつ、図書、遊具等その療養生活の指導に必要な設備を有すること。
四 結核にかかつている児童のために、第一号に規定する病室に近接する場所に学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第七十一条に規定する養護学校(小学部及び中学部が置かれているものに限る。)が設置されているか、又は当該病院に入院中の結核にかかつている児童のために、同法第七十五条第二項に規定する義務教育に係る特殊学級の設置若しくは教員の派遣が行われ、若しくは行われるべきことが明らかであること。
第九条の二 法第二十一条の十第一項の措置は、当該児童が居宅において日常生活を営むことができるよう、当該児童の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切な同項に規定する便宜を供与し、又は当該便宜を供与することを委託して行うものとする。
A 法第二十一条の十第二項の措置は、当該児童が日常生活における基本的動作を習得し、及び集団生活に適応することができるよう、当該児童の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切な同項に規定する便宜を供与することができる施設を選定して行うものとする。
B 法第二十一条の十第三項の措置は、当該児童の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切に保護することができる施設を選定して行うものとする。
第九条の三 法第二十四条第一項の規定による保育の実施は、児童の保護者のいずれもが次の各号のいずれかに該当することにより当該児童を保育することができないと認められる場合であつて、かつ、同居の親族その他の者が当該児童を保育することができないと認められる場合に行うものとする。
一 昼間労働することを常態としていること。
二 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
三 疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障害を有していること。
四 同居の親族を常時介護していること。
五 震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たつていること。
六 前各号に類する状態にあること。
第九条の四 市町村長又は都道府県知事は、法第二十二条、第二十三条本文若しくは第二十七条第一項第三号若しくは第二項の措置又は法第二十四条第一項本文の保育の実施を解除し、停止し、又は他の措置若しくは保育の実施に変更する場合においては、現にその保護に当たつている児童福祉施設の長又は法第二十七条に規定する指定国立療養所等の長の意見を参考としなければならない。法第三十一条第一項から第三項までに規定する児童について、これらの規定により、満二十歳に達するまで、又はその者が社会生活に順応することができるようになるまで、引き続きその者を児童福祉施設に在所させ、若しくは法第二十七条第二項の規定による委託を継続し、又はこれらの措置を相互に変更する措置を採る場合においても、同様とする。
第九条の五 都道府県知事は、法第二十七条第一項第三号の規定により里親又は保護受託者の認定をするには、都道府県児童福祉審議会(法第八条第二項ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会)の意見を聴かなければならない。
第九条の六 都道府県知事は、法第二十七条第一項第三号の規定により児童を里親又は保護受託者に委託する措置を採つた場合には、児童福祉司、知的障害者福祉司又は社会福祉主事のうち一人を指定して、里親又は保護受託者の家庭を訪問して、必要な指導をさせなければならない。
第九条の七 法第二十七条第二項の政令で定める医療機関は、国立高度専門医療センターとする。
第九条の八 都道府県知事は、法第二十七条第一項第一号から第三号までの措置(同条第三項の規定により採るもの及び法第二十八条第一項第一号又は第二号ただし書の規定により採るものを除く。)若しくは法第二十七条第二項の措置を採る場合、同条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の措置を解除し、停止し、若しくは他の措置に変更する場合又は同条第六項の措置を採る場合において、児童若しくはその保護者の意向が当該措置と一致しないとき、又は都道府県知事が必要と認めるときは、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、都道府県児童福祉審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
A 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その採つた措置について都道府県児童福祉審議会に報告しなければならない。
第九条の九 法第二十七条第九項に規定する政令で定める措置は、同条第一項第三号に規定する措置のうち児童を里親に委託する措置又は児童養護施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させる措置とする。
A 法第二十七条第九項に規定する政令で定める児童は、前項に規定する措置を解除された児童以外の児童であつて、都道府県知事が当該児童の自立のために同条第九項に規定する援助及び生活指導が必要と認めたものとする。
B 法第二十七条第九項の措置は、当該児童が自立した生活を営むことができるよう、当該児童の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切な同項に規定する援助及び生活指導を行い、又は当該援助及び生活指導を行うことを委託して行うものとする。
第九条の十 都道府県知事は、法第三十条第一項の規定により届出をした者が当該児童とともに他の都道府県の区域内に居住地を変更したときは、直ちに、その者の新居住地の都道府県知事に、その旨及びその者の指導につき必要な事項を通知しなければならない。
第九条の十一 この政令で定めるもののほか、福祉の措置及び保障に関し必要な事項は、厚生省令でこれを定める。
第十条 都道府県は、法第三十五条第二項の規定により、児童自立支援施設を設置しなければならない。
A 前項の児童自立支援施設における事務に従事する職員として、都道府県に児童自立支援専門員及び児童生活支援員を置く。
B 児童自立支援専門員は、児童の自立支援をつかさどる。
C 児童生活支援員は、児童の生活支援をつかさどる。
D 第一項の児童自立支援施設の長、児童自立支援専門員及び児童生活支援員は、当該都道府県の吏員をもつて、これに充てる。
第十一条 削除 (昭六二政四)
第十二条 国、都道府県又は市町村(特別区を含む。以下同じ。)の設置する児童福祉施設及び児童福祉施設の職員の養成施設は、法第四十九条の規定により、夫々厚生大臣、都道府県知事又は市町村長が、これを管理する。
第十二条の二 都道府県知事は、当該職員をして、おおむね六月に一回、国以外の者の設置する児童福祉施設が法第四十五条第一項の規定に基づき定められた最低基準を遵守しているかどうかを実地につき検査させなければならない。
第十三条 児童福祉施設において、児童の保育に従事する者を保育士といい、次の各号のいずれかに該当する者をもつてこれに充てる。
一 厚生大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設を卒業した者
二 保育士試験に合格した者
A 都道府県知事は、毎年少なくとも一回、保育士試験を行わなければならない。
B 都道府県知事は、保育士試験又はその科目の一部に合格した者に対し、その旨の証明書を交付しなければならない。
C 都道府県知事は、保育士試験の合格の決定その他保育士試験に関することをつかさどらしめるため、その管理に属する保育士試験委員を設けるものとする。
D 保育士試験委員は、委員十人以内でこれを組織する。
E 委員は、関係行政機関の官吏又は吏員四人以内及び児童の保護、保健その他福祉に関する事業に関し学識経験のある者の中から、都道府県知事が、これを命ずる。
F 保育士試験の試験科目、受験の手続その他保育士試験に関し必要な事項は、厚生大臣が、これを定める。
第十四条 都道府県又は市町村の支弁する費用に対する国庫又は都道府県の負担又は補助に関しては、法第五十条から第五十五条の二までに規定するもののほか、この章の定めるところによる。
第十五条 法第五十二条又は第五十四条の規定による国庫又は都道府県の負担は、各年度において、その用に供する建物の建築、買収又は改造について厚生大臣の承認を受けた児童相談所、児童福祉施設又は職員の養成施設に係る次に掲げる額の合計額について行う。
一 当該承認に係る建物の建築、買収又は改造を行おうとする時における建築費、買収費又は改造費を基準として厚生大臣が定める一平方メートル当たりの建築単価、買収単価又は改造単価に、厚生大臣が定める範囲内の当該建築、買収又は改造に係る延べ平方メートル数を乗じて得た額(その額が当該年度において現に当該建築、買収又は改造に要した費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)
二 厚生大臣が入所定員、規模等を考慮して定める基準によつて算定した当該承認に係る建物の建築、買収又は改造に伴い必要となる機械、器具その他の設備に要する費用の額(その額が当該年度において現に当該設備に要した費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)
A 前項の承認は、当該児童相談所、児童福祉施設又は職員の養成施設の用に供する建物の建築、買収又は改造が厚生大臣が定める児童相談所、児童福祉施設又は職員の養成施設の整備計画に適合する場合に行う。
第十六条 法第五十二条の規定により国庫が負担すべき割合は、第一号に掲げる施設に対しては二分の一、第二号に掲げる施設に対しては三分の一とし、法第五十四条の規定により都道府県が負担すべき割合は、第一号に掲げる施設に対しては四分の一、第二号に掲げる施設に対しては三分の一とする。
一 主として法第五十六条第二項又は第三項の規定により費用の全部を徴収する母子又は児童以外の母子又は児童を入所させる母子生活支援施設、保育所、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設
二 前号に該当しない母子生活支援施設、保育所、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設
第十七条 法第五十三条又は第五十五条の規定による国庫又は都道府県の負担は、各年度において、次に掲げる額について行う。
一 法第五十条第四号に掲げる費用については、厚生大臣が定める基準によつて算定した法第二十条第一項の規定による育成医療の給付(育成医療に要する費用の支給を含む。)に要する費用の額及び法第二十一条の六第一項の規定による補装具の交付又は修理(補装具の購入又は修理に要する費用の支給を含む。)に要する費用の額の合計額から厚生大臣が定める基準によつて算定した当該費用に係る法第五十六条第二項の規定による徴収金の額及び同条第四項の規定による支払命令額並びに当該費用のためのその他の収入の額の合計額を控除した額
二 法第五十条第五号に掲げる費用については、当該年度において現に法第二十一条の九第二項第一号の医療に係る給付に要した費用の額及び厚生大臣が定める基準によつて算定した同項第二号の物品の支給に要する費用の額の合計額(その額が当該年度において現に要した当該費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)から厚生大臣が定める基準によつて算定した当該費用に係る法第五十六条第二項の規定による徴収金の額を控除した額
三 法第五十条第六号から第七号まで又は第五十一条第一号の二若しくは第一号の三に掲げる費用(次号及び第五号の規定による費用を除く。)については、厚生大臣が児童福祉施設の種類、入所定員、所在地による地域差等を考慮して定める基準によつて算定した児童福祉施設の職員の給与費、入所者の日常生活費その他の経費の額(その額が当該年度において現に要した当該費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)から厚生大臣が定める基準によつて算定した当該費用に係る法第五十六条第二項又は第三項の規定による徴収金の額を控除した額
四 法第五十条第七号に掲げる費用のうち肢体不自由児施設若しくは重症心身障害児施設に係る費用又は同条第七号の二に掲げる費用については、法第二十七条第二項、第四十三条の三又は第四十三条の四の規定による治療に関し現に要した費用の額及び厚生大臣が定める基準によつて算定した知識技能を与え、又は日常生活の指導をするために必要な職員の給与費、入所者の日用品費その他の経費の額の合計額(その額が当該年度において現に要した当該費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)から厚生大臣が定める基準によつて算定した当該費用に係る法第五十六条第二項の規定による徴収金の額を控除した額
五 法第五十条第七号に掲げる費用のうち里親への委託の措置に係る費用については、厚生大臣が当該措置を受けた児童の年齢等を考慮して定める基準によつて算定した日常生活費その他の経費の額(その額が当該年度において現に要した当該費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)から厚生大臣が定める基準によつて算定した当該費用に係る法第五十六条第二項の規定による徴収金の額を控除した額
六 法第五十条第八号に掲げる費用については、厚生大臣が定める基準によつて算定した法第十七条の規定による施設の職員の給与費、一時保護を加えた児童の日常生活費その他の経費の額(その額が当該年度において現に要した当該費用の額(その費用のための収入があるときは、その収入の額を控除するものとする。)を超えるときは、当該費用の額とする。)
第十八条 法第五十二条、第五十三条、第五十四条及び第五十五条の規定により交付した国庫及び都道府県の負担金は、次に掲げる場合においては、その全部又は一部を返還させることができる。
一 児童福祉施設が、法第四十六条第四項の規定により、その事業の停止を命ぜられたとき。
二 児童福祉施設が、法第五十八条の規定により、その認可を取り消されたとき。
三 児童相談所、児童福祉施設又は児童福祉施設の職員の養成施設が、法若しくは法に基づいて発する命令又はこれらに基づいてなす処分に違反したとき。
四 児童相談所、児童福祉施設又は児童福祉施設の職員の養成施設が、その事業の全部若しくは一部を廃止し、又は当初予定した目的以外の用途に利用されるようになつたとき。
五 負担金交付の条件に違反したとき。
六 詐偽の手段で、負担金の交付を受けたとき。
第十八条の二 法第五十三条の二の規定による国庫の補助は、各年度において、厚生大臣が定める基準によつて算定した法第五十条第五号の二又は第五十一条第一号に掲げる費用の額から、その費用のための収入の額を控除した額について行う。
A 法第五十五条の二の規定による都道府県の補助は、各年度において、厚生大臣が定める基準によつて算定した法第五十一条第一号に掲げる費用の額から、その費用のための収入の額を控除した額について行う。
第十八条の三 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)において、法第五十九条の四第一項の規定により、指定都市が処理し、又は指定都市の市長その他の機関若しくは職員が行う事務については、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百七十四条の二十六第一項から第六項までに定めるところによる。
A 地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)において、法第五十九条の四第一項の規定により、中核市が処理し、又は中核市の市長その他の機関若しくは職員が行う事務については、地方自治法施行令第百七十四条の四十九の二に定めるところによる。