鍋三昧

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□□  98年12月26日

 年があらたまる前に、今年はどんなことがあったのかなあ、などと振り返るのも一興である。オリンピックの原田選手の涙にもらい泣きし、ゴン中山のワールドカップ初得点に興奮し、東京ガスFC熱烈応援イケイケ団に笑った。
 キャンプの回数はちょっと少なかったが、それでも、ええと12回か、ってことは大体平均して毎月1回というところ。それなりにいろいろ楽しかった。とくに今年は登山への復帰を図り、体力増強のためにジョギングも始めた。キャンプはソロ的傾向が強くなった。

 そういう思い出を振り返りつつ、おかあさんがたに感謝の気持ちを込めて、今年も良く遊んだ仲間と最後の仕上げのキャンプに出かけた。我が家はぼくとわが妻かおりさんと二人だけである。子供たちはそれぞれに理由があってこられなかった。まあ、そんなふうに子供がキャンプに一緒に来なくなったのが、なんといっても今年一番の我が家の変化だろうな。

 場所は御殿場市まるびキャンプ場。今年の4月以来だ。

 キャンプ場に到着するといつものメンバーはもう到着していた。町田のテール氏一家、八王子の渡部氏一家、相模原の了仁氏一家である。STを張って温室化。今回は町田のテール氏が全面ビニルの文字どおりビニルハウスを作った。ようするにSTの本体をはずしてしまって骨組みにビニルを張るわけですね。そうしますと中は日が照ればポカポカと堂ヶ島洋蘭センターみたいになってしまうわけですね。この威力はたいした物で、日が照っているあいだは日焼けしそうなほど。さらに炭の火や油の煙は天井のビニルの隙間から逃がせるわけでして、ティピーのような趣を感じさせるのでありました。

 そうして居を構え、ぼく達は本日の鍋三昧のための買い出しに出かけたのでありました。

 鍋三昧

 それはいってみればぼくらのごま擦りの証。これからもキャンプに行かせてね、それもオヤジだけでね、の隠された意味があります。しかし、そのような事は片鱗も見せず、おかあさんがたにサービスしておこうというわけであります。もちろん、今年一年遊んでくれてありがとうの意味もちゃんとこもっておりますので、そこのところは誤解無きようにしてもらいたいと思っております。

 では、その鍋三昧のなかみをここに紹介しましょう。

 まず第一の鍋。これは、町田のテール氏製作の「ねぎま鍋」。
 これは、マグロの赤身とこれでもかと入れた大量のネギのぶつ切りの味を楽しむ鍋であります。醤油ダシのツユで煮込んだネギの味が絶妙に甘く冷えても美味しい優雅な逸品です。

 第二の鍋。これは不肖わたくしmIKE作成の「キムチ鍋」。
 ブタのばら肉とアサリのダシを利かせたツユに辛いキムチをこれでもかとぶちこんだ鍋であります。キムチに酸味があればあるほどさっぱりとして、なおかつ口からお尻までホットになれる、人の心を解き放つ快感の作品です。

 そして、第三の鍋。これは八王子の渡部氏製作の「海鮮味噌鍋」。
 これは、イカ、タラ、ホタテ、はまぐり、などなどの海鮮に野菜を加えて白味噌で仕上げた元祖居酒屋風の豪快な鍋であります。白味噌に溶け出す海鮮のコクが重厚な絶品です。

 これらの鍋をモリモリ食べ、そしてグビグビ酒を飲み、浮世のことなど徹底的に忘れてしまおうというわけです。
 子供たち(テール家のヤスとマーの二人と渡部家のシゲル)も自分達の食べ物は自分達で作って食べる、ということにしてあります。だから子供といえど親に頼るわけには行かず、それぞれ真剣にキャンプに挑むことになるわけだ。だからといってこのメンバーには最初から緊張感などからきしもないのだけど。

 さて、日もすこし暮れかかってきたころから、俄然オヤジ達は忙しくなった。まずはお風呂である。このまるびキャンプ場の真ん前には御殿場市の御胎内温泉というところがある。露天風呂もある作りの良い温泉で、ちょいと料金は高いが、キャンプ場から歩いていけるのも魅力なのだ。
 子供たちを引き連れまずは身体を温めて、そしてサイトに戻り、つづいてお米の炊き出しなどをします。これはテール氏の釜と渡部炊飯奉行がいればまったくもって心配ない。まことにふっくらとしたご飯が即座に炊き上がるのであります。

 ご飯が炊き上がり、では宴会の始まり、というわけで全員そろってシャンパンで乾杯
 続いて、鍋の作成。でも、すでに我らは(特にぼくは)ここまでの間にワインなどを、チーズを肴に結構飲んでしまっているから、味のほうは心配な面がある。しかし、こうなりゃ勢いで作成する。ぼくは、キムチ鍋担当。ドシャドシャと白菜、大根、シラタキ、ネギ、豚肉、アサリ、キムチをぶち込み適当にかき回して出来上がり。他の二人も似たようなものだと推察するが、なかなかどうして立ち上る匂いはなかなかどれも食欲をそそるのでありました。

鍋ができて湯気ポカポカ

 鍋が出来上がり、まずはおかあさんがたに最初に盛り付けて進呈。据膳です。お味は?なかなか良いとの評価。それでは、というわけでぼくらも次々と平らげていった。
 ネギマ鍋は醤油味にネギがとても良く合い、ネギの甘さが実に良い。マグロから味がしみでてくるのだと思うが、そのだし汁を薄めて飲んでも良いようにおもえてしまう。
 次にキムチ鍋。辛さの中に甘さを封じ込めた渾身の一品であるだけに、これも美味かった。たぶんアサリを入れたのが良かったのではないかと分析する。
 そして海鮮味噌鍋。重厚な魚類の味が出ているのではあるが、思いのほかあっさりしており、これぞ味噌の醍醐味。

 鍋を一通り食べ終わると、スープがそれぞれ残ったので、ぼくは一気に雑炊を作ることにした。キムチ鍋残骸スープ雑炊と海鮮味噌鍋残骸スープ雑炊である。しかし、これはなかなか美味しく出来上がり、お釜に残ったご飯もすっかり消えてなくなり、鍋もすっかりきれいになくなり、すべて順調に食べ物は消化されたのであった。

 それから後はいつものようにとりとめもないことを話して飲んでの時間を過ごしていったのであります。

 翌朝。ぼくがテントから這い出していくと、すでに朝ご飯の用意が順調に進んでおり、ぼくらは、渡部氏のもってきた鮭の切り身の焼いたのと、納豆と味噌汁で朝食をとった。その後、そこいらにあるものを適当に肴にしてビールを飲んだ。
 それから、23日が誕生日のシゲルと、今日ここに顔を見せるはずで来なかった柏のめぐみさん、と26日が誕生日のテール氏の愛妻えっちゃんの誕生日を祝った。甘いケーキは酒を飲む身にはつらかった。

 ともあれ、こうして98年最後のキャンプが終わったのでありました。


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