5月18日から21日までツインメッセ静岡で開催された第45回静岡ホビーショー。特に週末は久々の好天に恵まれ大変な人出で賑わいました。そんな中、今年前半のニューカマーキットが満を持して各メーカーから発表になりましたが、今回も例によって艦船にこだわってご報告いたします！

---WLよりフルハルが元気？！シークレットはあの”名艦”

まずは、タミヤから 1/700ドイツ海軍駆逐艦Z級(Z37-39)バルバラ改修2艦セット が発表されました（5月27日頃発売予定、予価\840）。 既発売の同社Z級に対空兵装の追加パーツ（写真）をセットした 内容となっています。

次に、アオシマはWLではなくフルハルモデルの 1/700日本海軍潜水艦「伊400」と同「伊401」 （7月発売予定、予価\1,890）。船体は左右分割ですが喫水線の上下は 一体成型となっています。晴嵐の格納庫の床にあるリブまで細かく再現され、 非常にこだわりのある内容となっています。また「伊400」と「伊401」の違い を表現するパーツも予定されています。写真は金型製作用の原型モデルだそうです。 同社からは1/700日本海軍戦艦「扶桑」、同「山城」のリニューアルも 発表されました。年末のリリースを予定しており、 それぞれ1942年の状態と1944年の状態で製品化する予定。 現在、資料収集に力コブを入れているようで、こちらも期待できます。 （勿論、こちらはWLシリーズです）

今回はハセガワからは残念ながらWLの新製品の発表はなかったのですが、 会場発表のシークレットアイテムとして 1/350日本海軍甲型駆逐艦「雪風」昭和15年竣工時がついに 発表されました（5月30日発送予定、予価\4,410）。 会場にはテストショットが展示されていましたが、期待に違わぬ素晴らしい 出来栄えです。艦橋、砲塔、魚雷発射管覆いはスライド金型により複雑な形状を 一発抜きしており、技術力の高さがうかがえます（「雪風」も勿論 全て国内で金型を製作したそうです）。また、砲塔、魚雷発射管、方位盤は ポリキャップを使用し、完成後も旋回可能となています。船首楼舷側の丸み のついたガンネル（船べり）も大型キットならではの再現です。 スクリュー、飾り台支柱は金メッキが施されインテリアとしての高級感も 考慮されています。専用のエッチングパーツ（予価\2,100、写真）も同時発売予定。 専用クリアケースの発売も予定されています。 なお、竣工時のバージョンはスポット生産になる可能性が高い（後の状態が定番 となる予定とのこと）ので、竣工時の流麗な姿を再現したい方は、新発売の時期に 確実に入手されたほうが良いかもしれません。初版キットには 1/350 川西二式大型飛行艇12型(H8K2)が同梱されますが、こちらも 見事な出来です。

そしてもう一つの驚きは1/350 南極観測船「宗谷」第一次南極観測隊 も南極観測50周年式典が開催される今年11月8日をターゲットの鋭意開発中のこと。 こちらも楽しみです。ハセガワ65周年「日本に昂ぶる」は伊達じゃない？！

---いにしえの名作キットの近代化

フジミのシーウェイシリーズは 1/700 日本海軍駆逐艦「秋月」と同「霜月」デラックスバージョン がスポット生産される（5月30日発売予定）。 写真（上）のようなエッチングパーツによる マスト、電探、25ミリ単装機銃が同梱包されますが、 基本形の「スジ」は良かった往年の名キットだけに意外といい感じです。 しかもエッチングパーツ付きで\735（予価）はとても割安感があります。 ベテランはベテランなりにしっかり存在感をアピールしてますね。

同社からは1/350 アメリカ海軍潜水艦「バージニア」(SSN-774) （6月発売予定、予価\18,900）が塗装済み完成品として発売される。 数に限りがあるようなので、興味のある方は早めに購入したほうが良いかも しれません。

塗装済み完成品といえば日精・エフトイズ・プラッツ合同企画として 1/2000 日本海軍戦艦「大和」竣工時、同捷一号作戦時、同天一号作戦時、 日本海軍戦艦「武蔵」レイテ沖海戦時 （8月発売予定、それぞれ予価\1,575、ケース付）の4アイテムが 発表されていました。これは広島県、呉の「大和ミュージアム」 で販売されているオフィシャルモデルの原型を改修したものだそうなので、 正確さは期待できるかもしれません。

もう一つ「大和」ネタで、童友社は 俺っちの「大和」 （発売日未定、予価\2,079）を発表。全長10センチ程度にデフォルメされた 「大和」がラジコンで水上走行を楽しめます。

ニチモからは1/500 日本海軍航空母艦「翔鶴」、同「瑞鶴」 （発売日未定、予価\4,725）が飾り台付きで再販される。

買い逃すな！懐かしのレベル・・・

今年はレベル社創業50周年ということで、懐かしい、というか私が生まれる前に すでにこの世で販売されていたキット達が再販されます。船関係では 誘導ミサイル艦セット（7月発売予定、予価\7,980、写真左、1956年初版） 客船「オリアナ」（7月発売予定、予価\4,200、写真右、1961年初版） 1/56 スポーツフィッシングボート（7月発売予定、予価\3,150、1960年初版） ちなみに「誘導ミサイル艦セット」は「ノートン・サウンド」、「ボストン」、 「ノーチラス」が同梱されるゴージャスキット。古き良きアメリカであります、 まったく。無条件に欲しいのでありますが、きっと箱の大きさもアメリカン なんでありましょうなぁ（泣）。

ドラゴンも今回は艦船キットに注目。会場発表は 1/350 アメリカ海軍駆逐艦「ブキャナン」(DD-484)1942年時で 価格、発売時期とも未定ですが、ハセガワの「雪風」と同じタイミング、 同じ場所（ドラゴンはハセガワが輸入代理店なので同じブースにて展示） で会場発表とは因縁深いものがあります。他に 1/700 アメリカ海軍戦艦「アリゾナ」プレミアムエディション （近日発売予定、予価\2,835）や 1/700 アメリカ海軍航空母艦「インデペンデンス」 （発売日未定、価格未定）を発表。どちらも入手難になっていたキット だけにこのタイミングでの発売はありがたいです。後者は格納庫甲板などが エッチングパーツで再現される模様です。

展示はありませんでしたが･･･

今回は展示のなかったピットロードですが、会場にきていた同社の 社長さんにうかがったところではアメリカ海軍戦艦「ワシントン」、 同「ノース・カロライナ」（7月中旬発売予定、予価\3,990） はテストショットのチェックなど順調に進んでいるとのこと。 また海上保安庁巡視船としては（「宗谷」や海防艦を除けば） 初めての1/700スケールインジェクションキットとなる 海上保安庁救難強化型巡視船えりも型PL-07「さつま」 もどんな仕上がりになるのか楽しみです。（6月上旬発売予定、予価\1,890）

モデルアートからはフォーサイトとの共同企画で レジンキット1/700客船「橘丸」を発表。人気の高い 東海汽船の名船ですね。フォーサイト版は竣工時、陸軍病院船、昭和25年頃、 が製作可能。モデルアート版は昭和31年頃の状態が製作可能となっています。 6月中旬発売予定。予価\7,875。また、この企画と連動してモデルアートからは 「日本の客船シリーズ」を刊行。栄えある第1回配本は客船「橘丸」で、 こちらも6月中旬発売予定。予価\1,890。なかなかこの手のまとまった資料 がなかった分野だけに嬉しい展開だと思います。