母と子のアジス奮戦記

5、アジスの交通について<12月12日>

今回は、アジスの交通について書いてみます。

まず、私に運転をあきらめさせた、恐ろしく渋滞する交差点。
これは、市内の大きな道路が交差しているところにあるのですが、なんと、
信号がないのです。

どっちかの交通量が多いときは、そっちがぐんぐん走ってきて優勢になり、
またそれが一瞬途絶えたときをねらって、交差している方の道路にいる車
が発進する、という感じです。

交通量がそれほどでもないときはいいのですが、双方ともに車が多くなる
時間帯は大変。どっちもゆずらず、少しでも前につめようとするので、ひ
どいときは、しばらく交通がマヒしてしまいます。

強引な運転ができない、私のような人は、ここを横断するのに、多大なる
時間を費やすことでしょう。

だいたい、エチオピア人は、事務処理などになると大変のんびりしている
にもかかわらず、車の運転となると、1台でも抜こうとして、とても強引
な運転をするので、しばしば驚かされます。

道路が渋滞しても、待ってはいられません。舗装されていない、路肩にあ
たる部分や、ひどいときは歩行者用の道路になっている部分を突っ切って、
できる限り前まで行き、強引に割り込みます。

1台だけ抜くために、対向車線(といっても、センターラインなんて消え
ていて見えないのですが)に入り込んで、対向車を反対の路肩に追いやる
なんてことも、よく見られる光景です。

なんといっても恐ろしいのは、タクシーです。
上半分が白、下半分が青の車を見たら、細心の注意が必要です。

いつ突然止まり、いつ急に道の端からでてくるか、まったく予測もつかな
いほどです。しかも、屋根の上にトタンやら山羊やら、様々なものをのせ
ているのですが、これが突然、前あるいは後ろに滑り落ちることがありま
す。まったく、気が抜けません。

次に恐ろしいのが、トラック。
これがこんなに積んで、よく走っているなぁと感心してしまうくらいのせ
ていたりします。怖いのは、石や岩をたくさん山積みしていながら、全く
固定していない場合です。

友人の車も、対向車がそういった石積みトラックで、そのいくつかが落ち
てきて、傷つけられたそうです。

そのうえ、トラックはどこか故障しているんじゃないか、と危ぶんでしま
いたくなるような煙をもうもうとあげて走っている場合が多いのです。

私が普段乗る車は、クーラーがうまく効かないので、窓を開けて走ってい
ることがほとんどなのですが、このトラックの煙には参ります。

交差点に信号があるのではなくて、ラウンドアバウトになっているところ
がいくつかあるのですが、ここに、2台をつなげたばかでかいトラックが
入り込もうものなら、大変。

それでなくてもトラックは速度が遅いのに、この2台つなぎのトラックは
どなりたくなるくらい遅い。

にもかかわらず、先日、その後ろを走っていて激怒したのは、その2台の
前後のドライバーが、ラウンドアバウトのど真ん中で、急に車を止めて、
しゃべりだしたことです。お互いに、車の窓から顔を出して話すのですが、
まわりは結構車通りが多かったので、よく聞き取れないのか、なかなかそ
の話が終わらない。

これには、怒りを通り越して、あきれました。

またある時には、普通の信号のある交差点で、赤で止まっていた車と、左
折してきた車のドライバーが友人だったらしく、左折してきた車が、交差
点のまんなかで止まって、その、赤で止まっていた車のドライバーと話し
始めたこともありました。

車を自転車のように思っているのでしょうか。

さすがに信号が変わる前に発進していましたが、驚きました。

主人に話したところ、こんなことは日常茶飯事だそうです。

うーん、私もまだまだ甘いか・・・。

あとは、日本でも地域によっては見られることですが、山羊や牛の横断で
交通がストップすることは、結構多いです。

空港から街の中心までを結んでいる道路は、さすがにほとんどそういう動
物もいませんが、私の住んでいる家の付近は、街なかから離れているので、
車が通っているすぐ脇の歩行者道で、黙々と草を食べている山羊や牛や羊
が頻繁に見受けられます。

日本の整然とした道路で、オートマチック車を運転していても、それほど
運転のうまくない私が、こんな交通事情で、しかもマニュアル車を運転で
きるはずもなく、かわいそうなうちのドライバーは、平日のみならず、土・
日までこきつかわれるはめになるのでした・・・。



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