考えるかめいし



15、教育についての2、3のこと(07,06,98)



1、6月30日付け日経の「サイエンスアイ」と言うコラムを読んで思ったこと。
  これをかいた方の趣旨とは違うのは明白ですが。
  コラムの枕である高校の先生の嘆き(悩み)が紹介されていた。 新入生が「中学の
  先生は嫌いなことはやらなくていいから好きなことを伸ばしなさいと言っていたの  
  に、高校の先生は、嫌いなことでも必要とあればやれと言う、それはおかしい」という。
  で、その高校の先生は「どんな勉強でも基礎的な部分は嫌いなことが多い。それを
  乗り越えた時に本当のおもしろさが見えてくる。」と言うが、わかってもらえない、と言
  う話。

  私が先生やったら、
  「それはその中学の先生があほなだけや。 そんな先生に勉強教えてもろうたお前
  らはかわいそうやのう。」で終わる。

  躾は理屈やなくて、有無を言わさずに教え込むもんやと思てる。
  こういうことを言う中学生も躾がなされていない2、3才のガキと同じ。
  この高校の先生のような説明をしても、理解ができないと思う。

2、5月25日付け日経夕刊の人間発見と言うコラム(ゴルフ「坂田塾」主宰の坂田信弘さんの回)
  このコラムはいろいろな分野の一流の方たちが1週間交代で書くものでやはり一流
  の人が言うこと考えることは参考になる、と私は好きです。

  この方は、少年少女ゴルファー養成の坂田塾と言うのを開いているらしい。 ゴルフ
  の練習だけではなくて、生活面でも厳しくしているらしいが、初回のコラムの最後
  の方にあった言葉がよかった。
  「そういうやり方を古いとは思わない。塾ありての子供であって子供ありての塾じゃな
  いですから。 (略)  五十歳の男の常識と倫理がすべて。それが嫌なら辞めて行
  け、です。」
  

3、昔の思い出
  私は中学高校と私立でした。
  中学2年か3年の時に数学の先生がある生徒に向かって「やめちまえやあ!」と
  言いました。
  その生徒が、やってこいと言われていた予習をしていなかったか、ぺちゃくちゃ喋っ
  ていたとか、そんなことだったと思います。
  私立ですから、ガキに「来ていただく」必要はない。
  自分で(もしくは親が、少なくとも学校が頼んで来ていただいているわけではない)
  選んで来ている以上、嫌ならやめればええ話。
  私はこの言葉を聞いたとき、「言うねえ」と感心した。
  私立でなくても高校なら義務教育ではないんだから、同じことがいえると思う。
  先生がガキを甘やかしすぎていると思う。(その前に、親がガキをしつけていない、
  という大問題もあるが。)

4、さっき見た毎日新聞HPの記事
  「<青少年非行>原因は甘え・躾不足? 子供と意識格差−−総理府
  青少年の非行原因を大人は「甘え」「しつけ不足」と見るが、青少年自身はそう思わ
  ない。総理府が6日付でまとめた「青少年の非行等問題行動に関する世論調査」結
  果で、こんな意識のギャップが明らかになった。悩んだ時の相談相手としてトップは
  友人、先生を挙げたのはわずか2・4%だった。意識のズレを埋めることが対策の第
  一歩となりそうだ。」
  とあり、以下の内容が続く。(一部カット。)
  「◇非行の原因
  青少年のどこに問題があるか複数回答で聞くと、青少年は「自分の感情をうまくコン
  トロールできない」が最も多い38・2%で、自ら“キレる”ことが最大原因と認識してい
  る。大人は49・2%が原因と答えた。しかし、「忍耐力がなく、我慢できない」では、青  
  少年の33・8%が認めたのに対し、大人は67・0%が指摘。「家庭の問題」でも「親
  が甘やかしすぎ」を挙げたのは青少年で21・9%だったが、大人は54・0%。「地域
  の問題」では「よその子供をしからなくなった」が青少年は27・8%だったが、大人は
  60・2%に上るなど、「しつけ」不足を原因と思う大人と、青少年のギャップが目立っ
  た。
  「学校の問題」では「教師と生徒の信頼の薄れ」を青少年41・5%▽大人47%ととも
  にトップだったが、青少年があまり感じていない「指導が毅然(きぜん)としていない」
  「道徳教育が不十分」など教師への不満を大人の多数が問題にしている。
  ◇相談相手は
  青少年に「悩んだ時一番相談したい人」を聞くと、友人が58・9%でトップ。次いで母
  親20・5%、父親6・7%、兄弟3・5%で、先生(養護教諭含む)は2・4%、カウンセラ
  ーは1・5%にとどまった。昨年からの一連のナイフ事件などを契機に学校で生徒と
  の対話努力が図られているが、父親や先生は青少年にとって身近な存在となって
  いない結果がでた。」
  以下、私の感想。
  A)「しつけ」とは何か?「どうして叱られるのか」という基本的な事柄を全くわかって
    いないガキにしつけについて質問していること自体が間違いで、ギャップが出て
    当然。
  B)親が「毅然(きぜん)としていない」くせに、教師にそれを要求してどうする?
    「道徳教育が不十分」というのは大間違いで、「道徳」とはガキの時にまず家庭で
    親兄弟が体を張って手本を見せ、また有無を言わさず体にしみこませるもんでしょ。
    親のバカさ加減でよく出てる。
  C)反抗期の中学生あたりで相談事を親にする方がおかしい。
    今の親たち、爺さん婆さんたちは自分たちが中高生の時に相談事は親や教師に
    やってたの?

これを読んで、「お前は出来ない生徒の苦しみがわからないからそんなことが言えるん
だ」と言う方、「きっとそうでしょう」と答えさせていただきます。
私は、塾には行ってませんでしたが、中学から6年一貫の私立の進学校に行ってまし
た。2浪したので出来がいいとは言えませんが、一応国立大学にも入りました。
通った学校では出来はよくなかったけれど、とてつもなく出来なかったわけでもないの
で「お前は出来ない生徒の苦しみがわからないからそんなことが言えるんだ」といわれ
ると、よく爺さんが「お前はまだ若いからわからないんだ」と言うのと同じく、反論は出来
ません。 追体験不可能な話ですから。

始めへ  




お便りはこちらへ