第五回 妻の初めての印象 (97年5月2日)

4月の10日に家族が来ました。

これまでの話しと多少ダブル部分もありますが、アジス滞在3週間の感想を妻に

書いてもらいました。 (初めの感想と現時点の感想「母と子のアジス奮戦記」を比べるのも面白いかも知れません。

筆者注978月。)

=QOT=

エチオピアにやってきて、はや、3週間が経過。よく言えば、適応力がある、悪く言え

ば、鈍感な私は、時差も感じず、特に日本にいたときと変わりない生活を送っていま

す。

天候…聞いていたとおり、アフリカの軽井沢。日中は暑いけれど、じめじめしてはお

    らず、ただ日差しはきびしい。朝・晩は涼しい。

家 …広い。いくら子供が1歳だからって、リビングで追いかけっこをしていいの

    か・・・。おまけに、食事のメイド、掃除・洗濯のメイドがいて、することがない。食

    事はおいしい。まずい。太るぞー。

     こっちにくれば、ストレスでやせると思って、日本でたくさん食べて来たのに、

     全然だめだー。外出は、運転手つきの車。歩く機会がない。

 言葉…使用人は、現地のアムハラ語と英語。私たちには英語で話す。

      英文学科を卒業したとは思えない、英語力に、我ながらあきれる。

      メイドに、これまでの奥様に比べたら、最初にしてはましよ、と言われ、ほっと

      する。(年齢が違うってば・・・)

集会…婦人会が時々。メンバーは、18人くらい。いろいろな年齢の集まりだけど、結

    構楽しい。子供をおいて、ゆっくり話ができる点が、いい。

     情報交換とお茶を楽しむ場。

     3歳くらいまでの子供の集まりが最近できたそうなので、早速入れてもらう。うち

     の子を入れて、5人。うちの子以外、全員男の子。

     せいぜい、たくましくなってもらいたいところである。

町の中は、まだそれほど方々へ行ってはいないけれど、これまでに感じたことは、やっ

ぱり貧しい人が多いということ。外国人の家とか、わずかの裕福な家を除けば、日本の

物置みたいな家がたくさんある。店の前に車をつけて、店まで歩くわずかの間にも、子

供が食べ物やお金を欲しがって群れてくるのには、驚いてしまった。(実際に体験した

のは、初めてだったので)車が、交差点で止まっているだけでも、窓にはりついてくる。

道は、想像以上に悪い。首都とは思えない。舗装してあっても、そこらじゅう穴だらけ

で、まっすぐ走るのも困難。大雨期の雨が原因らしい。

=不便に感じること=

1、停電が多すぎる。雨が降り出すと、パソコンの電源を切るくせがついた。

2、お湯の使える量が限られている。というわけで、シャワーしかできない。

  1歳を過ぎたくらいから、子供がせっかくお風呂好きになったのに、入れてやれな

  い。

3、テレビのチャンネルが1つしかない。しかも、限られた時間しかやっていない。ひま

  なときに、ただつけておくワイドショーなどの貴重さを知る。

4、マニュアル車だし、右側通行だし、とても車は運転できそうにないので、出かけるとき

  は、いちいち運転手を呼ばなくてはならない。と、めんどうだし、好きなときにさっと  

  出かけられない不満がつのる。第一、買い物に行っても、買いたい物がない・・・。

なんて、不平不満ばかり言っているときりがないので、楽しいことを見つけようと努力す

る日々です。とりあえずは、日本人社会も居心地悪くなさそうだし、メイドさんは、子供

をかわいがってくれるし、まあ、おいしいものを食べているし、幸せに暮らしています。

まだまだ、エチオピアでの暮らしは始まったばかり。これから、どんなことが待ち受けて

いるのか、楽しみにすることにします。

=UNQOT=

妻と子供が来たことで,今後はこれまでの私一人の時には見られなかった部分も見え

てくればと思います。



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