第三回 初めての地方出張(コーヒー園)(97年1月25日)


<初めての地方出張の巻>

 21日から23日にかけてSIDAMO地方に出張しました。

 日本からのコーヒー担当の出張者に同行しました。

 こちらはコーヒーは全くの素人で,専門家について回って勉強するか,と言うのが私の目的。

 だから、こっちは気楽なもの。

 アジスから出るのは初めてで,遠足のようなものでした。

 アジスの南の方にあるアワッサと言うところで2泊し,そこからYILGACHAFFEと言うところにある

コーヒー園を訪問しました。

 見る物聞く物初めての物ばかりで,めちゃくちゃおもろかった。

 コーヒーの木を見るのは初めて。 豆にするまでの課程を見るのも初めて。 TASTERを見るのも初めて。

 コーヒーの知識は全くない。

 これで面白くないわけがない。(今回得た知識はあとで簡単にまとめておきます。)

コーヒー以外で気づいたことをいくつか。

 ーアジス市内では庶民の家はトタン屋根の掘立て小屋のようなのが多いのだけど、  

  市内を離れるとトタン屋根ではなく、円形の壁に草の屋根という家が道路の両側に

  ぽつぽつと平原の中にあるようになってくる。

   壁は木の骨組みに土を塗った物。

   たぶん家族か一族郎党で作るのだろうけど,その技術によるのかそうした家にも多少外観に

  ばらつきがあって、骨組みがほとんどむき出しの物や窓のない物もあったりする。

 ー道の両側の平原には灌木があるだけで、痩せた土地で何も作れないのか?

   もったいないなあ,と思っていたら、実は例のテフを栽培している土地で刈り取りが終わった

  ために灌木しかないように見えるのであった。

  つまり、テフはあまり肥沃でない土地でも育つのだろうけど、それにしても人の手が加わって

  「栽培」しているとは到底思えない土地だった。

  たぶん種をまいてあとは刈り取りまで放ってあるのだろう。

  でもこれはコーヒー地域が来るまでの話しで、その地域になると土の色は少し赤みがかった茶色

  になって肥えているのがわかるし乾燥していないのも素人目にもわかった。

 ーコーヒー園を訪れる人間特に外国人はほとんどいないのだろう。

  幹線道路からはずれてコーヒー園に行く道の両側にたたずむ人(これがまた、一体何をやっているのか

  わからない。訳もなく道ばたに座っているよう。)がみんなこっを見ている。

  まるで、サファリパークで、動物に魅入られている感じ。

ー西アフリカに比べてアジスの人はきちんとした服を着ているなと思っていたけれど、さすがに

  田舎に来ると裸足の人も多く,服も洗濯していないようなよれよれの汚い服を来ている人が多くなった。

 (西アフリカ諸国では首都でもそんな人が沢山いた。)

 

 アワッサっていうのは有数の観光地と聞いていたし、現地従業員からはホテルはアワッサ湖のほとりの

 一番いいホテルという事だった。

 で、結果は。

 ホテルは湖のほとりにあって、バンガロー形式のホテル。部屋には電話もあるし,しかもアジスでも

 普通の家にはないモジュラー式。 シャワーはある。石鹸も部屋にある。 

 おまけにタオルもある。 お湯は---,出るはずやねんけどなあ。

 ホテルの敷地にはいっぱい木があって野鳥がいっぱい。

 これで、約20ドル。

 ゆっくりするにはいいところ。でも日本から観光しに来るところではなさそう。

  アワッサの街には何もないし,湖にも娯楽は何もない。

  アジスへの帰り道にランガノ湖と言う湖にもよったけど,ここも同じようなところだっ た。

  エチオピアには他にも観光地と言われる湖や歴史的な建造物(12世紀頃の教会や

  岩で出来た教会など)があるけれど、たぶんどこも同じような感じじゃないかと今回の出

  張で思った。

  まあ、今後出張や旅行する度に書きましょう。

<コーヒー基礎知識?

日本の輸入量:500万バッグ/年(1BAG=60KG

日本は世界3位の輸入国。

エチオピアの生産:300万バッグ/年。

エチオピアの消費:3kg/人/年。

ブラジルの消費:3.5kg/人/年。

コーヒーの実は赤くてチェリーに似てることからレッドチェリーという。

 RED CHERRYを水洗いしてから乾燥させたWASHED COFEEEというのと水洗いせ

 ずにそのまま乾燥させたSUNDRY(UNWASHED)と言うのがある。

 洗うと酸味が強くなり、日本人は酸味が強いのをあまり好まず,UNWASHEDが多い。

エチオピアのコーヒー栽培条件:

  日中の最高気温:2026

  夜間の最高気温:17度。

  雨量:1750mm/年

豆の中には出来の良くないのもあるわけで選別しないといけない。 

  機械でやる方法もあるらしいが、エチオピアでは一般的でないし、人間が行う方が

  選別結果はよい。

  実際,輸出業者に行くと倉庫の中で女性が大勢地べたに座って選り分けている姿

  があります。(だいたいどこの国でもそういった女性の収入は$1/日程度らしい。)

TASTING(LIQUARING)をやるときには平べったいスプーンでコーヒーをすくい,

  一気に音を立てながら口一杯に広げるようにします。

  但し、毎回飲んでいては腹にたまってしまうので喉に入れずに吐き出します。

  まねをしてやったら何度やっても飲んでしまいました。

  TASTERの資格のある出張者によると、その人がサンパウロのCOFFEE INSTITUTE

  で勉強したときには,TASTINGは当然のこと、100gの豆をどれだけ誤差を少なく

  すくえるかとか、豆を触っただけでその豆の水分を判定するような訓練もしたそうで

  す。 



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