第25回 コーヒーセレモニー(13,04,98)



今回は、妻(はるまま)が書いています。 写真あり。

このHPが縁でとある所に寄稿することになった文章です。 そのため、皆さんには
当たり前の事柄も書いてあったりします。 御容赦を。(特に冒頭部分)


マラソンの国として有名になってきたエチオピアですが、日本ではまだまだその地理的
な位置すらあまり知られていないようです。
エチオピアは、ケニアの北に位置し、高地のために大変過ごしやすい気候に恵まれて
います。 また、知る人ぞ知るコーヒー発祥の地でもあり、産地カッファ州にちなんで
コーヒーという名が付いたとか。
日本では、モカコーヒーとして親しまれているコーヒーが、実はエチオピアの主たる
輸出品なのです。
コーヒーはエチオピアの人々にも深く浸透しており、客をもてなしたあとなどに行われる
コーヒーセレモニーはちょうど日本の茶道に似ています。
コーヒーテーブルの下には、新鮮な芝がばらまかれ、テーブルのそばの火鉢には、樹液
や木の根から作った香が焚かれます。 それらの香りを楽しみ、ポップコーンなどを
つまみながら、客はコーヒーが出されるのを待つのです。
セレモニーは凹形の鍋に緑色のコーヒー生豆を入れ、均等に茶色になるように煎る
ところから始まります。 これを一人一人の客の前で振り動かしながら、香りを楽しませ
ます。 次に、煎った豆を木の鉢に入れ、鉄の棒で突いて粉にします。
底が広く丸くなっていて細長い注ぎ口の付いたポットに、粉にしたコーヒーと水を入
れ、十分に炭火で沸騰させてからポットを斜めにして少し置き、粉を底に沈めます。
それから、小さくて取っ手の無いカップになみなみとコーヒーを注ぎます。ここへ、普通
エチオピアの人は2-3杯の砂糖を入れて飲みます。
カップが小さいので3杯ずつ振る舞われますが、意外と濃いコーヒーなので、眠れなく
なってしまうこともしばしば。 それでも、食事の締めくくりに欠かせない、素敵な飲み物です。




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