通り雨


突然の雨
傘を持たない俺は
たまたまあった駐輪場に身を隠す
止めてある自転車にぶつからないように
降ってくる雨が体を濡らさないように
天気予報を見なかったことを後悔しつつ
突然の雨に舌打ちをしつつ
目の前を通り過ぎていく人たちを眺める
悠然と傘を差しいつも通り歩いていく人たちの中
足早に走っていく人たち
スーツを着込み方を雨に濡らし走っていく彼は
何処に行くのだろう
なぜ、ここに雨宿りをしないのだろう
雨の中、濡れて走ることに何が報いてくれるのだろう
突然の雨
いつも考えないことを考えさせる
不思議な雨宿り
いつのころだろう、突然の通り雨を疎ましく思ったのは
子供のころ、この雨の中はしゃいだ記憶は
いつの間にか心の奥底に隠れ
灰色の思い出と化している
突然の通り雨
走り抜ける車の音に意識が現実に戻り
雨がいつの間にか止んでることに気が付く
また、俺は歩き始める


目次
TOP