俳人協会俳句大賞受賞者一覧



第15回
俳人協会俳句大賞
宮沢房良(狩) 手拭を当て垂乳根の籠枕
俳人協会俳句大賞 準賞
山川佳珠(煌星) 栗の花匂ひに隙間なかりけり
   
第14回
俳人協会俳句大賞
小野寿子(沖・薫風) 滝行者まなこ窪みてもどりけり
俳人協会俳句大賞 準賞
村田和司(鯱) 墓買ひに来て郭公を聞いてをり
鈴木伊都子(狩) 裏山の闇なつかしき帰省かな
   
第13回
俳人協会俳句大賞
斎藤かつ志(無所属) 汗拭いて死者より固く口結ぶ
俳人協会俳句大賞 準賞
相川シマ(若葉) ヨットの帆色失へる遠さかな
武政礼子(雨月) 少し水固しと云ひて種浸す
   
第12回
俳人協会俳句大賞
白石多重子(青山) 校庭のプールの声の入れ替はる
   
第11回
俳人協会俳句大賞
中川忠治(山火) 集乳缶雪を運び来て冷めず
俳人協会俳句大賞 準賞
川崎陽子(河) 掬ひたる金魚水より冷たくて
三上程子(春燈) 人の世へ橋渡りくる螢かな
   
第10回
俳人協会俳句大賞
須藤秀代(けごん・南風) ちちははに見ゆる高さの門火焚く
俳人協会俳句大賞 準賞
田井洋子(幡) それとなく云うておくこと端居して
水野幸子(蕗・北の雲) 花火師に水の匂ひと火の匂ひ
   
第9回
俳人協会俳句大賞
岩本たくや(紺) 蕎麦玉に布巾かけある帰省かな
俳人協会俳句大賞 準賞
内田哀而(泉) 芭蕉布に芭蕉布の継当ててある
井水貞子(春耕) 海女桶を抱へてくぐる茅の輪かな
   
第8回
俳人協会俳句大賞
折本美智子(楓俳句会) がうがうと水揚げてゐる夜の新樹
俳人協会俳句大賞 準賞
近藤要子(紫苑) 向こうから子の目がのぞく水中花
菅野孝夫(野火) 石ころに日あたりながら寒波来る
   
第7回
俳人協会俳句大賞
大坂黎子(泉) 形代の小さな顔を流しけり
俳人協会俳句大賞 準賞
栃木絵津子(鹿火屋) 大仏の前屈みなる大暑かな
小谷部東吾(濱) の穿かれて決まる右ひだり
   
第6回
俳人協会俳句大賞
田村いづみ(冬草) つねの山つねの川ある大暑かな
俳人協会俳句大賞 準賞
坂本秋峰(かつらぎ) 遠泳に一すぢ白き那智の瀧
町野昭人(遠嶺) 棹となる雁の絆を思ひけり
   
第5回
俳人協会俳句大賞
田村登代子(狩) 嫁せし子のことも尋ねて盆の僧
俳人協会俳句大賞 準賞
田中惇貴(狩) 枯蟷螂風にひつくり返されし
川勝 春(馬酔木) 白山の霧降る茅の輪くぐりけり
   
第4回
俳人協会俳句大賞
国樹かほる(かつらぎ) 眼をあげる度に海あり掻き氷
俳人協会俳句大賞 準賞
久保百歩(畦) 靴脱いで渚を歩く帰省かな
篠原達子(猫蓑) 大欅夏至の満月上げにけり
   
第3回
俳人協会俳句大賞
下山宏子(海) 秋風や緋の色多き合戦図
俳人協会俳句大賞 準賞
新井盛治(橡) 水番の眼とすれちがふ真暗がり
岩波涼咲(天為) 馬乗りになりては束ね真菰刈
   
第2回
俳人協会俳句大賞
長田 等(狩) 一枚を植ゑて深田を這ひ上る
俳人協会俳句大賞 準賞
三部斗志夫(野火) 月の出に鮎の瀬つよく匂ひけり
堀部克巳(諷詠) 天守より花よりほかのもの見えず
橋本余四郎(日矢) 雪国の雪ゆつくりと降りにけり
   
第1回
俳人協会俳句大賞
蓮見勝朗(鶴) 蟻地獄枯山水のなかにあり
俳人協会俳句大賞 準賞
土居民子(門) 今にして思へばあれば狐火か
加藤美子(駒草) 畳まれて蚊帳に重さの生れにけり
長谷川明子(風) 流燈の上を市電の過ぎにけり