■第389号 俳句文学館■
季語ビンゴを楽しみながら
津高里永子
親子俳句教室参加記1 さながら宝捜し 新田怜弥
親子俳句教室参加記2 みんな伸び伸び
西尾五山
去る七月十九日から二日間、第十三回夏休み親子供俳句教室が俳句文学館を主会揚に開かれました。今年は四月と七月の二回、NHK総合テレビ「こんにちはいっと6けん」に前もって紹介されたおかげで、はやばやと募集人員近くまで集まりました。
去年と同じく低中高学年に色分けしたバンダナを渡し、まずは「ハブ」こと菅沼尭男氏の手作り名札に自分の名前を書き入れることから開始。まとめ役の「マジョ」こと小島千架子氏や「ピッピ」こと加藤早苗委員長のおかげで、不思議なほど涼しい天気となり、雨が降る前にと出発を二〇分早めて新宿御苑へ。開会のときの宮津理事長のお言葉通り、実際に見て手にふれてをモットーに、「季語ビンゴゲーム」をしながら、ゆっくり見てまわりました。みみずを手のひらにのせたまま歩く子、蚊に五連発さされる子、軽鴨に青いカリンの実を転がしてみる子、もぐら塚を木の枝で掘ってみる子と、いろいろです。からすうりの花をじっと観察する子もいました。巡回のおまわりさんも加わって、草笛や「人問知恵の輪」などで充分遊んだあと、短冊に、出来た句をいくつも書いて提出。
今回、ご父兄とお子さんがなるべく別行動をとるようにと配慮した結果、ご父兄の方々も真剣に池などを見て作句されている姿が目につきました。
次の日は作品発表の日。低学年は画用紙に絵と俳句を書き、中学年は絵手紙に句を、高学年は正式な句会の進め方を習って実際に句会を行いました。ご父兄の句会は主に棚山波朗事務局長がご指導。
閉会の辞を述べられた西嶋あさ子担当理事もびっくりされるほどの大人顔負けの素敵な句が沢山出来ました。
うごくときしずくみたいなめだかいる 小二 新田三四郎
ハスの葉がバーゲンセールをやっている 小四 清水麻衣
ポスターで夏を感じるすばらしさ 中三 藤井皓介
梅雨明けにはほど遠い曇り空の夏休みの初日。酷暑対策を、とのお知らせに身構えていたのでちょっとうれしい拍子抜け。
子どもたちが小学校で俳句のご指導をいただいたご縁で今回三回目の参加となりました。開会式ぎりぎりに滑り込んだ子どもたちでしたが、昨年お世話になった先生方に名前で声をかけられ、まんざらでもない様子。
千駄ヶ谷駅からゆるい坂を登り右手に現れる門の中の大きなスズカケノ木に迎えられ都会から森へ「瞬間移動!」
はじめのうちこそ大人しく注意事項を聞いたり、集合写真に収まっていた子どもたちでしたが、やがて…「ダンゴ虫がいたぞ!」と大声をあげ、木の実を見つけては名を尋ね、もぐらの穴を掘り返し、ミミズをつかまえ、緑の草の上を駆け回りさながら森の宝捜し。
その揚にしゃがみこんで指を折り、五/七/五の形にする子あり。飛蝗さがしに邁進する子あり。
池の辺の休憩所でお弁当の後、作句はひとまず空の一お弁当箱と一緒にベンチに置いてきぼりにして、巡回に来て下さったお巡りさんも巻き込んで、草や池に戯れ過ごし、忘れた頃に短冊へ書き写していました。
第二日目は、低学年から高学年まで、自分の言葉で表わした世界で唯一の句を笑顔で発表していました。
子どもたちの目線で、ご指導下さった先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
梅雨曇りの初日、子供達は俳句文学館に集合して、低・中・高学年に別れそれぞれに赤・黄・青のバンダナが配られた。同時に、自分の名前や愛称を木の名札に書き首に下げた。手に「夏季ミニ季語集」を持ち、新宿御苑吟行に出発した。
自然観察と季語に馴れるため「季語のビンゴ」用紙が配られた。5×5のビンゴなので仲々ビンゴにはならないが、一生懸命季語の動、植物を見付けたり、手に取ったりして大喜びだった(特に蟻地獄)。
今年は、子供達の自立を促すために親子別行動となり、お弁当も別々に食べて少し淋しい思いをしたが(親の方が?)、子供達はせっせと俳句作りを楽しんでいた。夏休みになったばかりなので、みんな伸び伸びとしている。その姿を見て指導の先生も一句。
バンダナの太郎次郎や夏休み 西嶋あさ子
翌日は、俳句文学館で各班工夫をこらし短冊や画用紙に俳句や絵を描いたり、絵手紙にして発表をした。
とにかく感心したのは、子供達の感性が素晴らしいことである。一例として、
うごくときしずくみたいにめだかいる 新田三四郎
草笛で鳥と話をしてみたい 新田太郎
将来、子供達が自然の大切さを自覚し環境保全の心を持つ俳句仲間になることを祈りながら家路についた。
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